2013年度の公開講座

第1回公開講座

『サザエさん』に見る戦後社会と精神医学

日時: 2013年5月11日(土) 18:00~
場所: 慶應義塾大学信濃町キャンパス 3号館北棟ラウンジ
演者: 冨田 真幸 助教

昭和21年から49年まで、朝日新聞などに連載された『サザエさん』。その数六千を超える作品群の中から、精神医学に関連するものをピックアップし、作品成立の背景にある戦後精神医学史にも触れつつ解説します。
磯野家、フグ田家は非の打ちどころのない健康な家族ですが、戦後社会のうつろいを反映して、薬物問題、ノイローゼ、統合失調症、うつ病などが時代とともにそこかしこに描かれています。統合失調症患者はサザエさんでどのように描かれているのか?知る人ぞ知る「ワカメとタラちゃんの覚せい剤使用疑惑」の真相は?
前作「『ドラえもん』に見る精神医学」から2年半。満を持してマンガシリーズ第2弾をお送りします。

第2回公開講座

「飯くわぬ女」をめぐって―摂食障害を考える

日時: 2013年6月22日(土) 18:00~
場所: 慶應義塾大学信濃町キャンパス 3号館北棟ラウンジ
演者: 林 公輔 助教

日本には、「飯くわぬ女」という昔話があります。そこに出てくる「女」の姿は、摂食障害の女性によく似ています。食べる食べないという問題の奥には、一体何があるのでしょうか。歌人の馬場あき子は、それを「哀れ」という言葉で表現しました。
「飯くわぬ女」に出会うことで、摂食障害のこころについての理解を深めたいと思います。

第3回公開講座

うつ病診療の向上に取り組む:認知行動療法の展開

日時: 2013年9月14日(土) 18:00~
場所: 慶應義塾大学信濃町キャンパス 臨床研究棟ラウンジ
演者: 中川 敦夫 特任講師 (クリニカルリサーチセンター)

Practice to evidence, evidence to practice うつ病は、2030年には総疾患の中で最もGlobal Burden of Diseaseの高い疾患になるとWHOが推定していますように、個人のみならず社会へのインパクトが甚大な疾患です。わが国では近年の高い自殺率の問題もあり、うつ病診療の向上は公衆衛生学的にも重要な課題となっています。臨床現場におきましても、うつ病概念の広がりや職域でのメンタルヘルス対応、身体疾患とうつ病の合併など、精神医学・精神科医療の範囲も拡大をしてきています。一方、アメリカやイギリスでは認知行動療法(CBT)など非薬物療法による治療が近年注目され、大規模臨床試験が実施されてきた経緯があります。このような中、わが国では、CBTを実践できる臨床医は少なく、またCBTに関する臨床研究はまだ限定的です。
私たちは、まず目の前の患者様に自分たちが世界水準の精神医療を提供できることを目標に、CBTに関する臨床研究を取り組み、その成果もあって2010年度診療報酬改定にてCBTが保険点数化されました。しかし臨床現場では、質の高いCBTを実践できる臨床医はまだ少なく、CBTへのアクセスが課題となっていることから、CBTの全国規模のインターネットを用いたスーパービジョン体制整備を始め、現在わが国におけるCBTセラピストの育成に取り組んでいます。また、震災地区において、従来から精神科専門医療職が少なくunmet needsは大きな問題であることから、インターネットCBTを開発し、その有効性に関するランダム化比較試験を行っています。
わが国での認知行動療法の展開を題材に、本講座では社会の要請に常に耳を傾けながら、そのニーズに応えることができるような精神医学、精神科医療について皆様と考えたいと思います。

第4回公開講座

慶應精神科だけに出来る基礎研究

日時: 2013年10月26日(土) 18:00~
場所: 慶應義塾大学信濃町キャンパス 3号館北棟ラウンジ
演者: 田中 謙二 特任准教授 (情動の制御と治療学寄附講座)

精神科は今や脳科学のど真ん中に位置します。皆さんが入局してから感じるであろう疑問が、今では脳科学の中心的なテーマになろうとしています。本講座では慶應精神科だけで展開可能で、これからの脳研究を牽引しうる基礎研究についてお話しします。信じられないかも知れませんが、そんなスーパーな研究がこの医局で行われているのです!
どれくらいスーパーか、是非とも皆さんの目で確かめに来て下さい。

第5回公開講座

地球の歩き方 ニューヨーク精神科編 –海外留学の夢と現実–

日時: 2013年11月30日(土) 18:00~
場所: 慶應義塾大学信濃町キャンパス 3号館北棟ラウンジ
演者: 岸本 泰士郎 専任講師

いつかは海外留学、と考えている医師、学生は少なくないと思います。ただ、精神科での海外留学はどんなものかと疑問に思われるかもしれません。臨床研究のためにNew Yorkに3年半滞在した演者が、これから留学を考えている医師や学生に、(または留学を考えていない人にも)、留学の楽しさ、苦労話など、海外留学に関する情報をエキサイティングなNew Yorkの風景を交えながらお届けします。

過去の公開講座