「日本人自閉スペクトラム症患児、注意欠如・多動性障害患児、その兄弟、健常児を対象とした腸内細菌叢横断調査」健常児ボランティア募集へのご協力のお願い※募集終了

慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室では、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害などの神経発達障害のお子さんの便の中に含まれる腸内細菌を解析し、脳と腸のつながりについて解明することを目的に、比較対象となる健常児ボランティアを広く募集しております。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

1対象となる方

6歳以上13歳未満の男の子、女の子で、これまでに、精神疾患と診断されたり、二親等以内のご家族に、神経発達障害の方がいない健康な方で、いかに当てはまらない方です。

  • 重篤な全身性の身体疾患(甲状腺機能障害、免疫疾患など)を有する
  • 重篤な消化管疾患に罹患している、あるいは罹患していたため手術を受けたことがある(消化器がん、先天的腸閉塞、ヒルシュスプルング病など)
  • 3か月以内に抗生物質の投与を受けている

なお、健常者として応募していただいても研究にご参加いただけない場合があります。

2研究課題名

承認番号:
日本人自閉スペクトラム症患児、注意欠如・多動性障害患児、その兄弟、健常児を対象とした腸内細菌叢横断調査

3研究実施機関

慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室

共同研究機関 研究責任者
慶應義塾大学先端生命科学研究所 福田 真嗣
島田療育センター 野村 健介
駒木野病院 高宮 彰紘
東京都立小児総合医療センター 長沢 崇

4本研究の意義、目的、方法

腸内細菌は免疫や代謝など人間の様々な生理機能の発達に影響していることがわかり、腸内細菌のバランスの崩れが様々な病気の原因に関係している可能性が示されてきました。児童精神科の領域においては、自閉症のお子さんの腸内細菌が定型発達のお子さんと異なり、重症度と関連する菌があることを示した研究や、妊婦さんに腸内細菌を整える治療を一定期間行うことで、生まれてくるお子さんの発達障害のリスクが下がったという研究や、健康な大人の腸内細菌を自閉症のお子さんに移植したところ、コミュニケーションや異常行動が改善したなどという報告がされ始めています。

このように腸内細菌が人間の精神や行動に影響を及ぼす可能性や、自閉症や注意欠如・多動性障害の治療に役立つ可能性が示されていますが、日本人のお子さんの腸内細菌を観察した研究は未だありません。そこで本研究では、腸内細菌と神経発達障害との関係への理解を深めることを目的に、自閉症、注意欠如多動性障害の診断を受けているお子さん、その兄弟、定型発達のお子さんの腸内細菌の状態を調べます。

対象となるのは、①自閉症スペクトラム障害、②注意欠如・多動性障害、で慶應義塾大学病院あるいは共同研究機関に入院あるいは外来受診されている6-13歳のお子さんそれぞれ約40名程度、③それらの兄弟、④健常ボランティアのお子さん、それぞれ約40名程度、計160名のお子さんです。

この研究は慶應義塾大学医学部の倫理委員会の承認を得て実施されます。説明をお聞きになり、十分に理解した上で、文書による参加同意をいただいた方のみを対象に実施いたします。参加同意後も、いつでも撤回する自由があります。

5ご協力をお願いする内容

研究へのご協力をいただいた際に、まず精神疾患にかかったことがないのか、あるいは認知機能に低下がないのかなどの質問を受けていただきます。万が一、この時点で、何等かの問題が見つかった場合は、ご希望に応じて診療先を紹介する等、適切な対処に努めます。

研究では、お子さんの便の採取を、1か月の間に最低1回、最大3回行っていただきます。検体は採集後速やかにクール宅急便にて保冷剤と一緒に慶應義塾大学病院まで送付(着払い)して頂きます。

また、保護者の方には、お子さんに協力いただきながら、生活習慣や生育歴、既往歴に関する背景情報について聴取します。また、発達障害に関連する複数の心理テストに協力いただきます。全ての検査を合わせると60-80分程度、かかります。ご協力の謝礼として、面談終了後に2,000円相当の金券をお渡しします。

6本研究の実施期間

研究実施許可日(通知書発行日)から西暦2023年4月30日まで

7プライバシーの保護

研究に用いるお子さんのデータ・便検体は、この研究に登録された順に通し番号をつけ、個人が特定できないように管理します。なお、学術学会や専門学術誌などに公表する際には、個人が特定される情報は省いた状態で発表されますので、個人が特定できることはありません。

8お問い合わせ

この研究に関するご質問や、研究の参加希望については、http://www.i2lab.info/のお問い合わせフォームでご送信いただくか、下記へご連絡ください。

また本研究の対象となるお子さんまたはその代諾者より、試料・情報の利用や他の研究機関への提供の停止を求める旨のお申し出があった場合は、適切な措置を行いますので、その場合も下記へのご連絡をお願いいたします。

研究責任者:岸本 泰士郎
臨床研究機関名:慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室
住所:〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
役職:専任講師
電話:03-5363-3492