せん妄に関わる臨床因子の検証の実施についてのお知らせ

研究責任者 精神・神経科 専任講師
内田 裕之
実務責任者 精神・神経科   助教
竹内 啓善

この度当院では、下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施します。この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。

本研究に関する問い合わせがある患者さんは、その旨を「8. お問い合わせ」に示した連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。

1対象となる方

慶應義塾大学病院整形外科に入院して脊椎手術を受ける予定の60歳以上の患者様

2研究課題名

承認番号 20180257
研究課題名 せん妄に関わる臨床因子の検証

3研究実施機関

慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 / 慶應義塾大学病院 整形外科

4研究の意義・目的

せん妄とは、病気や手術などで身体に大きなストレスがかかると発症することがある一時的な意識の障害です。せん妄は様々な精神症状をともない、興奮、幻覚を呈するものから、意欲の低下を示すものまで、様々なタイプがあります。せん妄は、年齢とともに出現しやすく、転倒・骨折、身体の抑制に伴う深部静脈血栓症(“エコノミークラス症候群”)の発生にも関わっています。そのため、せん妄を早く発見し、適切に治療することが必要です。しかし、血液検査などではせん妄を診断することは難しく、医師や看護師でも見逃してしまうことが少なくありません。

せん妄の診断には脳波検査が有用ですが、一般的に用いられる脳波検査は30分程度の時間がかかり、また検査の間は安静を保っている必要があります。加えて、検査中は脳波検査の専門職員が付き添う必要があるために、せん妄の患者さんに対して簡単に行うことが難しいのが現状です。もし簡便な脳波の測定が可能になれば、より早期にかつ正確なせん妄の診断と適切な治療が可能となります。この研究では、せん妄に特徴的な脳波所見を明らかにするために、必要な情報を収集します。

5協力をお願いする内容

本研究に同意をしていただいた研究対象者の方は、同意後に簡易型単極脳波計測手法を用いた計測と認知機能検査Mini Mental State Examination (MMSE)を行います。所要時間は二つの検査を合わせて15分程度です。

手術を受けた1週間以内に、同じ方法を使って計測を行います。計測と同時にConfusion Assessment Method (CAM)という評価尺度を用いてせん妄の程度を評価します。所要時間は二つの検査を合わせて15分程度です。

研究終了後、謝礼として3,000円をお渡しします。

6本研究の実施期間

機関の長による研究実施許可が得られた日から、2023年3月31日

7プライバシーの保護について

氏名、生年月日、住所、受診日といった個人を特定する情報は削除し、研究データには別番号をつけて管理するため(これを匿名化といいます)、個人情報が漏れる心配はありません。個人情報を符号化する表(この表を照合表といいます)はどうしても必要になってしまいますが、照合表に関しても厳重に個人情報管理者が管理し、他人に漏れることはありません。

8お問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記の電話番号へご連絡ください。
お問い合わせ先:
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
実務責任者:竹内 啓善(03-5363-3971)

以上