「精神疾患への近赤外線スペクトロスコピーを用いたニューロフィードバックの有効性」に対する研究ご協力のお願い募集は終了いたしました
慶應義塾大学病院・精神神経科では、発達障害、うつ病、双極性障害、不安障害に対する新しい治療法としてニューロフィードバック(NF)の有用性を検証する臨床研究を行っております。NFはモニターに表示されたご自身の脳の活動性を試行錯誤しながらコントロールできるよう訓練する治療法です。近年では特にうつ病や注意欠陥多動性障害(ADHD)で症状が改善するという研究結果が報告されています。本研究へご興味がありましたら、ぜひご協力をお願いいたします。
1対象となる方
- 発達障害(ADHD、自閉症スペクトラム障害)、気分障害(うつ病,躁うつ病)、不安障害と診断されている方(16歳以上)
- 精神疾患を持たない健康な方(16歳以上)
- その他の詳細については研究参加時に改めて確認をさせていただきます
2研究課題名
承認番号 20180210
研究課題名 精神疾患への近赤外線スペクトロスコピーを用いたニューロフィードバックの有効性
3研究実施機関
慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室/慶應義塾大学病院 精神・神経科
4研究の背景・意義・目的
発達障害やうつ病、不安障害は脳内のネットワークがうまく機能していないことが、その原因の一つであると言われています。脳の働きはとても重要で、記憶や計算はもちろんですが、感情や意欲、注意力、他者とのコミュニケーション能力に大きく影響します。NFによる訓練を繰り返し、脳内のネットワークが正しく機能するよう修正することで、これらの精神症状が改善するのではないかと想定されています。
具体的には、脳画像装置を用いて測定した前頭葉の血流の変化(脳の活動性)をリアルタイムにモニターに提示します。その脳活動のレベルを自身の意思でさらに高くしたり、低くしたりするようコントロールできるよう訓練を繰り返します。
現在,NF研究の多くで磁気共鳴画像法(MRI)が用いられています。しかしながら,MRIの撮像は、騒音が大きいうえに狭い空間に長時間滞在するため、負担も非常に大きくなってしまいます。そこで,本研究室ではより負担の少ない近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)装置を用いて、NFの有効性を調べることを目的とします。
本研究にご参加いただくことで、現在お困りの精神症状が改善する可能性があります。また、様々な臨床評価検査や脳機能検査を受けていただくことにより、通常診療と比べご自身の病態への詳細な理解につながります。ただし、現時点ではまだその治療効果が確立された訓練法ではありませんので、全ての方に同じような効果を示すとは限らないことを予めご了承ください。
5ご協力をお願いする内容
研究のお申し込みをいただいてから、担当者より電話もしくはメールにて研究の詳細について説明をさせていただきます。ご参加をいただける方には慶應義塾大学病院精神・神経科にご来院いただく日時を調整し決定させていただきます。最初にご来院された際に、改めて書面にて研究の説明をさせていただき、同意書の取得を行います。また、その際に現在のご自身の状態やこれまでの治療の経過などを確認させていただきます。その後,本研究の参加条件を満たした方には,実際にNFトレーニングを受けていただきます。NFトレーニングは1回約20〜30分、2〜4週間の間に週2〜3日実施をさせていただきます。具体的なNFトレーニングの頻度や期間については個別に相談させていただきます。研究謝礼として、ご協力いただいた研究協力者さまには、治療前後の検査参加時には5000円(交通費込み)、NFトレーニング参加毎に2000円(交通費込み)をお支払いいたします。
6本研究の実施期間
2019年1月22日から2024年3月31日まで
7プライバシーの保護
氏名、生年月日、住所、電話番号といった個人を特定する情報は削除し、研究データには別の番号をつけ、匿名化したうえで管理いたします。そのため、個人情報が漏れる心配はありません。個人情報を符号化する表(この表を照合表といいます)はどうしても必要になってしまいますが、照合表に関しても厳重に個人情報管理者が管理し、他人に漏れることはありません。なお、学術学会や専門学術誌などに公表する際には、個人が特定される情報は省いた状態で発表されますので、個人が特定できることはありません。
8お問い合わせ先
本研究へ参加希望または質問のある方は、下記へご連絡ください。
研究責任者:山縣 文
臨床研究機関名:慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室
住所:〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
電話番号:03-5363-3971(平日10:00~17:00)
E-mail:keio.psy.mri@gmail.com