日照と双極性障害発症年齢の関連性:診療録調査の実施についてのお知らせ
研究責任者・実務責任者 精神・神経科 専任講師
内田 裕之
連絡先電話番号 03-5363-3971
この度当院では、下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施します。この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。
本研究に関する問い合わせがある患者さんは、その旨を「8. お問い合わせ」に示した連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。
1対象となる方
慶應義塾大学病院の精神・神経科に外来または入院で治療を受けた双極性障害の20歳以上の患者様
2研究課題名
承認番号 20190225
研究課題名 日照と双極性障害発症年齢の関連性:診療録調査
3研究実施機関
慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 / 慶應義塾大学病院 精神・神経科
4研究の意義・目的
この研究の目的は日照と双極性障害の発症年齢の関連性を調べることです。
体内時計は睡眠と覚醒のリズム、ホルモンの分泌など、体の様々な機能と関連し、双極性障害の発症や病状と関連があるとも言われています。体内時計は色々な環境変化の影響を受けますが、なかでも日照の影響は大きいことが知られています。
私たちは日照と双極性障害の関係性について、色々な調査をしていますが、海洋現象や気候現象などにより生じる日照の変化(日照多様性といいます)と、双極性障害の関係性は不明な点が多いです。この研究では世界規模で行われている日照と双極性障害の関係性に関する国際共同研究に参加します。そして、日照多様性に注目し、双極性障害の発症年齢の関連性を調べます。
日照多様性と双極性障害の発症年齢の関係がわかると、医師は発症の危険性が高い状況を事前に把握することができ、診断をされていないながらも精神症状が不安定な人に対して、より丁寧な診察をしたり、注意を促したりすることができるようになります。
5協力をお願いする内容
研究対象者の方は、診療録(カルテ)から双極性障害に関する病歴や精神症状や治療に関連する情報を収集させていただくものです。それには以下の情報が含まれます。
- 一般的な患者さんの情報
生年月日、性別、出生都市(市区町村)、居住都市(市区町村) - 双極性障害に関する情報
診断、双極性障害発症年齢、発症時居住都市(市区町村)、初回エピソードの症状、気分障害の家族歴、精神病の既往、気分に一致しない精神病症状の有無、自殺企図の既往、双極性障害の病型、気分症状の時間による変化、物質使用障害の併存、アルコール依存症の併存、不安障害・パニック障害・強迫性障害の併存、主たる気分症状
これらは全て通常の診療の範囲で取得されたものであり、研究目的で行われた項目はありません。本研究に起因する健康被害は起こる可能性はありません。また、今後、本研究で取得したデータを別研究で利用する場合には、新たに当学倫理委員会の承認を得て行います。
6本研究の実施期間
機関の長による研究実施許可が得られた日から、2024年3月31日
7プライバシーの保護について
生年月日は研究のための重要な項目なので収集しますが、氏名、住所、受診日といった個人を特定する情報は収集しません。また、研究データには別番号をつけて管理します(これを匿名化といいます)ので、個人情報が漏れる心配はありません。個人情報を符号化する表(この表を照合表といいます)はどうしても必要になってしまいますが、照合表に関しても厳重に個人情報管理者が管理し、他人に漏れることはありません。
国際共同研究なので研究データは責任施設であるドレスデン大学精神神経科に送付されます。送付の際にファイルは暗号化し、さらに暗号化できる圧縮ソフトを使用して責任施設にメールで送付をします。
8お問い合わせ
本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記の電話番号へご連絡ください。
お問い合わせ先:
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
実務責任者:内田 裕之(03-5363-3971)
以上