せん妄発症後に抗うつ薬あるいは抗ヒスタミン薬による治療を受けられた 患者さんの診療情報を用いた臨床研究に対するご協力のお願い

第3版
作成日:2022年10月15日

研究責任者・実務責任者:
精神・神経科学教室 専任講師 竹内 啓善
連絡先電話番号:03-5363-3971

このたび当院では、上記の治療で入院・通院されていた患者さんの診療情報を用いた下記の研究を実施いたしますので、ご協力をお願いいたします。この研究を実施することによる患者さんへの新たな負担はありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。本研究は、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施します。
本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を「8 お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いします。

1対象となる方

西暦2017年4月1日から2022年9月30日までの間に、当院の入院中にせん妄を発症し、せん妄に対して抗うつ薬か抗ヒスタミン薬か対照群として抗精神病薬による治療を行われた方。

2研究課題名

  • 課題名:せん妄に対する抗うつ薬・抗ヒスタミン薬の使用実態およびその効果:後方視的診療録調査
  • 承認番号:20200306

3研究実施機関

  • 慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室
  • 慶應義塾大学病院 精神神経科

4本研究の意義、目的、方法

せん妄は、身体疾患や薬剤の影響によって生じる意識の混濁のことを言います。多くの患者さんにとって、せん妄の症状は一過性ですが、ご高齢の方などは、長期化すると認知機能が低下するなどのリスクがあります。そこで、患者さんがせん妄を発症した場合には、早期に適切な治療を行うことが極めて重要です。
現在、せん妄に対する治療薬は、世界的にも抗精神病薬という主に統合失調症の患者さんに用いられる薬剤が用いられています。しかし、抗精神病薬には、副作用があり、特に高齢の患者さんに用いることで副作用が強くでることがわかっています。
そこで、当院では、せん妄を発症した患者さんに、安全性を考慮して、鎮静・催眠作用を有するうつ薬や抗ヒスタミン薬を用いることがあります。 今回、私たちは、慶應義塾大学病院で過去に抗うつ薬や抗ヒスタミン薬、抗精神病薬によってせん妄の治療をされた入院患者の診療録調査を行い、当院における使用実態を明らかにするとともに、その効果を検証いたします。
抗うつ薬や抗ヒスタミン薬がせん妄の治療に有効で安全であることが確認されることは、安全なせん妄の治療を確立するうえで大変意義のあることと思われます。 本研究は、慶應義塾大学病院でせん妄発症後に抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗精神病薬による治療受けた患者さんを対象に、診療録(カルテ)から薬剤の使用状況やせん妄の発症期間その治療に関連する情報を収集させていただくものです。それには以下の情報が含まれます。

  • 年齢、性別、入院日、退院日、入院に至った主病名、手術の有無、手術日、アルコール飲酒習慣、認知症の有無
  • せん妄の発症日、発症期間、発症時の薬剤の使用状況
  • 抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗精神病薬の使用開始日、使用期間、最大用量、せん妄発症時の用量、改善時の用量、使用開始時のその他薬剤の使用状況

5協力をお願いする内容

診療録(カルテ)から上記の情報を調査します。これらはすべて通常の診療の範囲で取得されたものであり、研究目的で行われた項目はありません。みなさまご自身に新たにお願いすることはありません。

6本研究の実施期間

倫理審査による許可が得られ次第、2025年3月31日まで(予定)

7プライバシーの保護について

1. 本研究で取り扱う患者さんの個人情報は、氏名と患者番号のみです。その他の個人情報(住所、電話番号など)は一切取り扱いません。
2. 本研究で取り扱う患者さんの診療情報は、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものかわからないデータ(匿名化データ)として使用します。
3. 患者さんの個人情報と匿名化データを結びつける情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また、研究終了報告日から5年または最終の研究結果報告日から3年の、いずれか遅い方まで保存したあと抹消します。
4. 連結情報は当院内のみで管理いたします。

8お問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。
実務責任者:竹内 啓善
慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室
住所:〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
連絡先電話番号:03-5363-3971(平日10:00 - 16:30)

以上