「気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究」に参加された患者さんのMRIを用いた医学系研究に対するご協力のお願い
第1.0版 2023年4月1日
研究責任者 所属 精神・神経科学教室/予防医療センター 職名 名誉教授/特任教授
氏名 三村 將
実務責任者 所属 精神・神経科学教室 職名 講師
氏名 平野 仁一
連絡先電話番号 03-5363-3971
このたび当院では、上記の「気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究」に参加された患者さんのMRIを用いた下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。
この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。
本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を「8 お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。
1対象となる方
西暦2019年12月02日より2023年2月28日までの間に、「気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究」に参加され、MRI撮像および心理評価などを受けた方
2研究課題名
承認番号 20190239
研究課題名 気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究
3研究実施機関
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 / 慶應義塾大学病院精神・神経科 / 予防医療センター
共同研究機関 | 研究責任者 |
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慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 / 予防医療センター(主機関) | 三村將 |
国立精神・神経医療研究センター | 中込和幸 |
京都大学大学院医学研究科 | 村井俊哉 |
医療法人財団 青溪会駒木野病院 | 大井博貴 |
慈恵会医科大学医学部精神神経科 | 小髙文聰 |
4本研究の意義、目的、方法
世界保健機構の報告によれば、うつ病をはじめとする気分障害は社会的、経済的負担が最も大きい疾患の一つであるとされています。うつ病治療における第一選択は薬物療法ですが、複数の適切な薬剤を投与しても約3割は寛解(うつ病の症状が全くない状態)に達しないとされています。また、長期にわたり寛解状態を維持している回復状態に達する方も少ないとされています。また、代表的な精神療法である認知行動療法(CBT)や、脳刺激療法である電気けいれん療法(ECT)ならびに反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)等がおこなわれますが、いずれの治療法も寛解率は決して高くありません。その背景には、うつ病の寛解・回復過程が不明で、各治療法の脳における作用機序が明らかでないことが挙げられており、これらの解明は精神科医療において重要な課題です。
今回、成人期から高齢期の気分障害(うつ病)の方で薬物療法、認知行動療法(CBT)、電気けいれん療法(ECT)、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の4種の治療を実施する方を対象として(うつ病の方と神経回路を比較検討するために、一部健常者の方も対象としています)、MRI脳画像および症状評価、臨床データ等を経過時的に評価し、①うつ病の寛解・回復に関連する神経回路、②各治療に共通あるいは特異的な神経回路の変化、③各治療の寛解・回復の予測因子となる神経回路について検証していく本研究を計画しました。
さらに近年、精神医学分野の研究に真の飛躍をもたらすためには、このような研究リソースを今まで以上に充実させて、画一的に品質管理し、複数の研究機関で相互運用することが重要との認識が広まりつつあります。そして、ヒトの精神疾患に関する研究の際に、他の霊長類のデータとの比較が重要であることが認識されつつあります。このため、本研究は日本医療研究開発機構「戦略的国際脳科学研究推進プログラム」の活動として作成される磁気共鳴画像装置(MRI)で撮像されたヒトおよび霊長類(マカク・マーモセット)の脳画像と、これに付随する臨床情報を多数例収載したデータベースへのデータ提供を想定しています。
5協力をお願いする内容
本研究で得られた脳MRI画像は、専門医が確認させていただきます。その際に、万が一、あなたの健康に重大な影響を及ぼすおそれがあり精密検査が必要と思われるような所見が偶然に見つかった場合は、MRIを撮像した機関の医師の研究責任者または医師の研究者があなたにお伝えします。なお、取得するMRI画像は診断を目的とするものではないため医療的な診断ではありません。必要に応じて適切な医療機関を受診し相談してください。
6本研究の実施機関
西暦2019年12月02日〜2025年03月31日
7プライバシーの保護について
1) 本研究で取り扱う患者さんの個人情報は、氏名および患者番号のみです。その他の個人情報(住所、電話番号など)は一切取り扱いません。
2) 本研究で取り扱う患者さんのMRIデータは、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものか一切わからない形で使用します。
3) 患者さんの個人情報と、匿名化したMRIデータを結びつける情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また研究計画書に記載された所定の時点で完全に抹消し、破棄します。
4) なお連結情報は当院内のみで管理し、他の共同研究機関等には一切公開いたしません。
8お問い合わせ
本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。
また本研究の対象となる方またはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、試料・情報の利用や他の研究機関への提供の停止を求める旨のお申し出があった場合は、適切な措置を行いますので、その場合も下記へのご連絡をお願いいたします。
〒160-8582
東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 / 予防医療センター
実務責任者 平野 仁一 03-5363-3971
研究責任者 三村 將
メールアドレス:keio.psy.amedmri@gmail.com
以上