医療情報を統合したうつ病の治療最適化に資するモデル作成研究へのご協力のお願い
第1.0版 2022年10月12日
研究責任者 兼 実務責任者
精神・神経科 講師
菊地 俊暁
連絡先電話番号 03-5363-3971
このたび当院では、うつ病の研究に参加された方の診療情報を用いた下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。
この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。
本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を「9 お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。
1対象となる方
以下のいずれかの研究に参加された方で、同意していただいた際に「試料・情報の二次利用」という新たな研究への利用についてご許可いただいた方が対象となります。同意の時点で18歳以上、そして「うつ病」と診断された方が対象となります。
該当する研究名:
「うつ病の転帰に関する検討:病院コホート研究」
「診察場面における表情・体動・音声の定量化や日常生活活動の定量化を通じたうつ病、躁うつ病及び認知症の客観的重症度評価技術開発」
「経頭蓋磁気刺激法及び高解像度脳波同時計測による精神神経疾患の神経生理学的バイオタイプの同定を目指した革新的横断研究」
「脈拍・音声・皮膚電位を用いたストレスや well being の定量技術開発」
「気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究」
「うつ病の転帰に関する検討:うつ病病院コホート研究 2nd wave」
「精神・心理状態評価のためのマルチモーダル処理技術の研究とデータセット整備」
「うつ病の成人に対するブレンド型認知行動療法:多施設共同ランダム化比較試験」
「リストバンド型ウェアラブルデバイスデータを用いた抑うつエピソード検出及び重症度評価技術開発のためのデータ収集と機械学習モデルの構築」
「うつ病に対する効率型認知行動療法の有効性および実施可能性に関わるパイロットスタディ」
2研究課題名
承認番号:20221140
研究課題名:医療情報を統合したうつ病の治療最適化に資するモデル作成
3研究実施機関
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 菊地俊暁
4本研究の意義、目的、方法
うつ病の治療においては、どの方にどのような治療を行うことが最も良いのか、ということはまだ明確にわかっていません。そのため、これまでに本学が実施した研究データを解析して、治療の効果を予測する機械学習モデルを作成することで、その方にとってのより良い治療を提供することが可能となることを目的としています。
本研究は、学内で実施した臨床研究から得られたデータを二次利用します。主にうつ病の重症度や特性など臨床上の特徴を収集し、また客観的なデジタル指標や脳画像を取得している場合にはそちらも用いていきます。集められたデータは個人情報を排除した形で利用され、解析が行われます。
なお本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の研究である「医療情報を統合したうつ病の治療最適化に資するシステムの開発」(代表者:菊地俊暁)により実施されます。企業等との利害関係はありません。
5協力をお願いする内容
本研究では、上記の研究に参加された方の診断名や性別などの臨床情報、さらにうつ病の重症度やどのような治療を行ったか、さらに客観的なデジタル指標や脳画像を取得している場合にはそちらも利用したデータ解析を行います。したがって本研究のために新たな検査、治療法が追加されることはありませんし、ご負担いただくこともありません。
6本研究の実施期間
研究実施許可日〜2028年3月31日
7プライバシーの保護について
本研究では患者さんの個人情報(氏名、患者番号、住所、電話番号など)は一切取り扱いません。検査結果や背景情報(診断名、性別、重症度など)は、個人情報をすべて削除し、どなたのものかわからず復元もできないデータ(匿名化データ)として使用します。
患者さんの個人情報と、匿名化した検査結果および診療情報を結びつけ る情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また研究計画書に記載された所定の時点で完全に抹消し、破棄します。
なお、本研究で得られた成果は、対象患者を特定できないようにした上で、学術会議、専門誌などにて公表される予定です。
8将来の研究について
本研究で治療の予測が可能となった場合には、その学習モデルを用いて、実際の臨床での有用性を検証する研究に利用される可能性があります。その際にはあらためて皆様にお伝えいたします。
9お問い合わせ
本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。また本研究の対象となる方ま たはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、試料・情報の利用の停止を求める旨のお申し出があった場合は、適切な措置を行いますので、その場合も下記へのご連絡をお願いいたします。特にそれに伴って診療上の不利益はありませんのでご安心ください。
菊地俊暁
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 講師
TEL 03-5363-3971