身体症状症の発症メカニズム解明のための自律神経予測反応及び内受容感覚に関する横断研究
ご協力のお願い

第1.4版(2024年2月9日作成)
承認番号 20200301

1研究目的

身体症状症とは、さまざまな苦痛を伴う身体の症状が長い期間続き、検査等を行ってもその症状を医学的に説明できる異常が認められないことも多い疾患です。現時点で症状の客観的な評価方法はなく、その詳細なメカニズムや治療法も明らかになっていません。
身体症状症は心と身体の相互作用によるものと考えられ,「心―脳―身体」の三つ組みの関連が注目されています。本研究はこの三つ組み的な観点から、身体症状症の発生に関与する要因として自律神経機能に注目し、身体症状症の病態を主観的、客観的両面から追求することを目的としています。
本研究により、身体症状症がどのようなメカニズムによって引き起こされているのかが明らかになることで、正確な評価や治療に結び付けられるような指針を示すことが期待されています。

2対象となる方

<疾患群>
・身体症状症および関連症群(自律神経失調症、心身症を含む)の診断のある方
・ご年齢が20歳以上、60歳未満の方
・研究に同意し、慶應義塾大学での自律神経評価テスト及びアンケート調査にご参加いただける方
(現在他医療機関に通院されている場合には、主治医の許可と紹介状をご用意ください)
<健常群>
・精神疾患を持たない健康な方
・ご年齢が20歳以上、60歳未満の方
・研究に同意し、慶應義塾大学での自律神経評価テスト及びアンケート調査にご参加いただける方

3ご協力をお願いする内容

・アンケートへのご回答(30分程度。紙媒体もしくはオンラインにて回答)
・気圧負荷装置を用いた自律神経機能の測定
・心理学的実験課題による内受容感覚の測定
・MRI検査の施行
・電子カルテによる過去の治療状況の収集(疾患群のみ)
研究のお申し込みをいただいてから、担当者より電話もしくはメールにて研究の詳細について説明をさせていただきます。
<疾患群>
ご参加をいただける方には慶應義塾大学病院精神・神経科にご来院いただく日時を調整し決定させていただきます。最初にご来院された際に、改めて書面にて研究の説明をさせていただき、同意書の取得を行います。また、その際に現在のご自身の状態やこれまでの治療の経過などを確認させていただきます。その後,本研究の参加条件を満たした方には,慶應義塾大学病院にて心理学実験へのご協力及びアンケートへのご回答をお願いいたします。合計3時間程、お時間を頂きます。ただし、MRI検査は別日に慶應義塾大学病院にて30分程、気圧負荷装置を用いた自律神経機能の測定については別日に慶應義塾大学三田キャンパスにて70分程で行わせて頂きます。

<健常群>
慶應義塾大学三田キャンパスにて心理学的実験、気圧負荷装置を用いた自律神経機能の測定へのご協力及びアンケートへのご回答へのご協力をお願いいたします。合計4時間程、お時間を頂きます。ただし、MRI検査は別日に慶應義塾大学病院にて30分程で行わせて頂きます。

4費用など

ご参加に際し、あなたの費用負担はありません。
<疾患群>
慶應義塾大額病院での合計3時間程の心理学的実験およびアンケートに参加していただいた方には、実験終了後、負担軽減費として5000円をお渡しいたします。慶應義塾大学三田キャンパスでの気圧負荷装置を用いた自律神経機能の測定に参加していただいた方には、実験終了後、負担軽減費として6000円をお渡しいたします。ただし、慶應義塾大学三田キャンパスにて気圧負荷装置を用いた自律神経機能の測定以外の実験を行う必要が生じ、2時間半以上の時間的拘束が生じた場合、負担軽減費として8000円をお渡しいたします。また、MRI検査に関しては負担軽減費として別途5000円をお渡しいたします。
<健常群>
慶應義塾大学文学部三田キャンパスでの合計4時間程の心理学的実験、気圧負荷装置を用いた自律神経機能の測定およびアンケートに参加していただいた方には、実験終了後、負担軽減費として8000円をお渡しいたします。また、MRI検査に関しては負担軽減費として別途5000円をお渡しいたします。

5個人情報の保護など

この研究では連結可能匿名化という方法を用いて、個人情報を保護する最大の配慮がされます。データからは、個人を特定することができなくなっておりますので、プライバシーは保護されます。

6費用負担および利益相反に関する事項

本研究に関するあなたの費用負担はありません。この研究は、日本学術振興会 科研費 基盤研究A「感情と思考の歪みが引き起こす身体症状: 認知神経科学からのアプローチ」(代表研究者: 梅田 聡,分担研究者: 三村 將,寺澤悠理) および、日本学術振興会 科研費 挑戦的研究(開拓)「気圧変化に伴う自律神経の応答と気分の揺らぎに関する認知神経科学研究」」(代表研究者: 梅田 聡,分担研究者: 三村 將,朝比奈証人)によって行います。本研究に関する利益相反はありません。

7お問い合わせ先

本研究に関するご質問や参加希望については、慶應義塾大学医学部精神神経科学教室ホームページ(http://psy.keiomed.jp/)内のお問い合わせ先までご連絡ください。
研究代表者:三村將(慶應義塾大学予防医療センター)
〒106-0041 東京都港区麻布台ヒルズ森JPタワー7階 電話番号:03-5363-3685(平日10:00-16:30)