医学生における個人のパーソナリティが健康機能へ及ぼす影響の検討:
日本とブラジルでの二国間比較研究の実施についてのお知らせ

研究責任者・実務責任者 精神・神経科 専任講師
谷 英明
連絡先電話番号 03-5363-3971

この度当院では、下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施します。この研究を実施することによる、被験者の方への新たな負担は一切ありません。また被験者の方のプライバシー保護については最善を尽くします。
本研究に関する問い合わせがある被験者の方は、その旨を「8. お問い合わせ」に示した連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。

1対象となる方

日本では、慶應義塾大学医学部学生660名を対象といたします。ブラジルでは、サンパウロ大学(USP)の医学部生1080名、パウリスタ大学 (UNESP)の医学部生540名のうち、慶應義塾大学医学部国際医学研究会(IMA)の活動の一つである日伯医学生会議への参加が得られたものを対象といたします。

2研究課題名

承認番号 20241048
研究課題名 医学生における個人のパーソナリティが健康機能へ及ぼす影響の検討:日本とブラジルでの二国間比較研究

3研究実施機関

・慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室(主機関)
研究責任者:谷 英明
・Universidade Estadual Paulista(ブラジル パウリスタ大学)
研究責任者:Hamilto Akihissa Yamamoto
・Universidade de São Paulo(ブラジル サンパウロ大学)
研究責任者:Marcel Hiratsuka

4研究の意義・目的

日本とブラジルの医学生において、個人の性格特性が精神的・身体的健康機能へ及ぼす影響を明らかにします。日本とブラジルの医学部学生を対象に基礎情報、性格特性、精神症状、身体症状に関する情報を網羅的に収集し解釈します。個人のパーソナリティがどのように健康機能へ影響するのか、地域性や生活背景をふまえて検討し、医学生の健康機能改善に向けたふさわしい方法を考察いたします。
パーソナリティが医学生の健康機能へ及ぼす影響について、二カ国間の比較を通して調査した研究はこれまでにありません。本研究の遂行により、文化的に異なる二カ国において、兄弟数や家族との食事頻度がパーソナリティや健康機能へ与える影響を評価できる点が新奇的です。また、パーソナリティと精神症状の関係に着目した先行研究はあるものの、それに加え本研究では身体症状への質問も行い、パーソナリティが及ぼす医学生の健康機能への 影響を幅広く考察いたします。この研究を通して、地域性もふまえた様々な生活背景を検討し、個々の医学生の特性に 沿ったふさわしい健康、生活の質向上の支援のあり方を模索するデータとなることが期待される点で意義深いと考えております。

5協力をお願いする内容

研究対象者の方から、基礎情報、性格特性、精神症状、身体症状に関する情報をウェブアンケートを用いて収集いたします。それには以下の情報が含まれます。
・うつ症状:Patient Health Questionnaire(PHQ-9)
・主観的幸福度(7件法)
・主観的身体的健康度(7件法)
・社会人口統計学的および臨床的情報:生物学的性別、年齢、人種、自身を含めた兄弟数、同居者の有無、家族との食事頻度、アルコール摂取頻度、ソーシャルメディア使用時間、運動頻度、慢性疾患の罹患の有無
・パーソナリティ(性格特性):Ten. Item Personality Inventory (TIPI)

本研究に起因する健康被害は起こる可能性はありません。また、今後、本研究で取得したデータを別研究で利用する場合には、新たに当学倫理委員会の承認を得て行います。

6本研究の実施期間

機関の長による研究実施許可が得られた日から、2025年3月31日

7プライバシーの保護について

入手するデータには、被験者の氏名、生年月日、患者番号、住所は含まず、個人を特定できる情報はありません。データ収集時に、ランダムに通し番号を割りつけ、匿名化を行います。ゆえに、データの解析を行う際や、学術発表する際に個人が特定されることはありません。得られたデータは、パスワードが設定されたコンピュータ内に保存され厳重に管理されます。

8お問い合わせ

本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記の電話番号へご連絡ください。
お問い合わせ先:
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
実務責任者:谷 英明(03-5363-3971)