「術後せん妄の発症と経過の予測:前向きコホート研究」の実施についてのお知らせ
研究責任者
慶應義塾大学病院 精神・神経科
谷 英明
この度、下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施します。
本研究に関する質問や確認のご依頼は、「8 問い合わせ」に示した連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。
1対象となる方
慶應義塾大学病院で緊急でない消化器の大手術を受ける高齢者の方
- 本研究に参加するかは自身の意思で自由に決めていただきます。研究の参加を断っても不利益を受けることは一切ありません。
- より詳細な研究対象者の基準があり、研究参加の際に改めて確認させていただきます。
2研究課題名
術後せん妄の発症と経過の予測:前向きコホート研究
(承認番号:20251208)
3研究実施機関
慶應義塾大学病院
4研究の背景・目的
せん妄とは、身体的異常や薬物の使用を原因として急性に発症する注意・意識・認知の障害です。入院患者におけるせん妄の有病率はおよそ10~30%と高く、術後ケアの臨床場面では特に多くみられます。術後せん妄は限定された臨床場面で生じる障害でありながら、発症および経過を予測する手段はいまだ確立されていません。
本研究では、術後せん妄の有無と持続期間と関連する因子、せん妄の臨床的特性、手術前後の脳波の特性を特定することを目的としています。本研究によって、新たな術後せん妄の予測と評価の手段の提唱、ひいてはせん妄の管理の最適化に寄与することが期待されます。
5協力をお願いする内容
研究対象者から、研究の同意を取得した上で手術前に背景情報の収集、認知機能の評価などを行い、研究における適格性を判断します。同時に、携帯型脳波計による脳波測定も行います。携帯型脳波計による脳波検査は短時間(約5分)で実施でき、光刺激などの誘発も行わないため、侵襲性はありません。
手術を受けた時点より1日2回以上、Confusion Assessment Method(CAM)またはConfusion Assessment Method for the ICU(CAM-ICU)により術後せん妄の有無を評価します。CAM、CAM-ICUはいずれも診察や質問にもとづくせん妄のスクリーニングツールであり、一般病棟ではCAM、ICUまたはそれに準ずる病棟ではCAM-ICUを用います。
CAMまたはCAM-ICUが手術後3日目までに陽性となった場合、今度は2日間連続で陰性になるまで評価を継続し、術後せん妄の持続期間を測定します。
また、手術後1日目または2日目、手術後6日目または7日目のそれぞれに医学的評価、術後せん妄の評価、携帯型脳波計による繰り返しの脳波測定などを行います。
- 本研究では、研究対象者に経済的負担は発生しません。また、身体・精神の負担はほとんど生じないものと考えられます。
- 本研究で新たに取得する試料(検体などのサンプル)はありません。
- 現時点で予定はありませんが、本研究で得られた情報を二次利用する場合は、改めて倫理審査委員会の承認と研究機関の長の許可を受けます。
6研究の実施期間
研究機関の長による研究実施許可が得られた日から2028年3月31日まで
7プライバシーの保護について
研究対象者の個人情報を取り扱う際は、個人情報と無関係の番号をつけ、加工して管理し、研究対象者の個人情報やプライバシーの保護に最大限配慮します。倫理審査委員会や規制当局が情報を閲覧する可能性がありますが、個人情報やプライバシーは守られます。本研究で得られた情報を公表する際は、研究対象者を特定できる情報を含まないようにします。
8問い合わせ
担当者:倉持 信
所属:慶應義塾大学病院 精神・神経科
電話:03-5363-3971
受付時間:午前10時〜午後5時(土・日曜日、祝日及び年末年始の所定日を除く)