Multidisciplinary Translational Research Lab

研究室について

「精神疾患にはどうしてなるのだろう?」「どのように治療をしていけばいいのだろう?」こういった臨床場面の疑問を通して、「精神疾患とは何だろう?」という命題に挑むことは、精神科臨床に携わる者に許された大義です。この信念をもとに、我々は、精緻な臨床評価、磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging: MRI)を用いた多様な神経画像モダリティと経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)と高解像度脳波計(high-resolution electroencephalography: EEG)を組み合わせたTMS-EEGによる神経生理モダリティ、さらにはデータ・マイニングを用いて、精神疾患のバイオマーカーの同定、新たな診断補助技術の開発、治療効果発現機序と治療転帰予測、早期発見と予防、より効果的な新規治療法といったテーマに取り組んでいます。

巨人の肩に乗っていることを十分に享受しつつ、これらの研究活動を通して集合知に貢献することによって、精神疾患の病態解明を追究しています。また、“Chance favours the connected mind”の精神を大切に、国内外の研究者とのコラボレーションとデータ・シェアリングを積極的に行っています。研究に対するモチベーションの源泉は精神疾患への興味に他なりません。一条の湧水が大河となるように、各々の関心が精神疾患を解明する強力な駆動力となる、と我々は信じています。研究活動への参加、共同研究のご相談、定例勉強会への参加に関心のある方は是非ご連絡をください。

研究プロジェクト紹介

当研究室は、中島振一郎主任研究員(MRI・MRSをはじめとした神経画像研究担当)と野田賀大主任研究員(TMS-EEGをはじめとした神経生理研究、rTMSをはじめとしたニューロモデュレーション研究担当)により運営されています。我々が蜂矢として取り組んでいる治療抵抗性統合失調症の病態解明研究については慶應義塾大学病院のHPをご参照下さい。今後、企業との共同研究や連携による画期的なプロジェクトも徐々に実施していく予定です。当研究室では、患者さんやご家族をはじめとした多くの方々の協力を得ながら、精神神経疾患の解明、ひいては患者さんの医療の質の改善に向けて、様々な研究機関・部局・専門家と積極的に連携し、精神科のフロンティアに挑戦していく所存です。

プロトン核磁気共鳴スペクトロスコピーの例

当研究室は、様々な精神神経疾患を対象に生物学的な方法を用いて脳神経の機能および構造・化学的特徴を評価し、各精神神経疾患の病態生理の解明を目指しております。具体的なモダリティとしては、神経生理機能に関しては経頭蓋磁気刺激法(TMS)と高解像度脳波計(EEG)を組み合わせたTMS-EEG、脳構造や神経結合性に関しては磁気共鳴画像(MRI)、化学的特徴に関してはMRスペクトロスコピー(MRS)を用いて、精神神経疾患の定量的研究を実施しております。

研究アプローチとしては、1)精神神経疾患の病態メカニズムやバイオマーカーの同定を目指した神経科学的研究、2)それらの知見を精神神経疾患のバイオタイピング等の生物学的診断補助に応用するトランスレーショナル研究、さらには、3)各病態に対応した治療法の開発の3つを現時点では想定しています。近い将来は、基礎研究や工学系のラボとのコラボレーションにより、精神神経疾患におけるより精密な診断や、より効率的な治療を実装するための医療技術開発にも参画して参りたいと考えております(下図参照)。

ラボメンバー

<主任研究員>

中島 振一郎 (特任講師)
野田 賀大(特任講師)

<大学院生>

垂水 良介(駒木野病院/慶應義塾大学精神・神経科学教室)

<研究員>

(五十音順)
新井 脩泰(専修医)
大井 博貴(専修医)
尾久 守侑(専修医)
澤田 恭助(専修医)
高須 正太郎(専修医)
和田 真孝(専修医)

<客員研究員>

北畑 亮輔(老寿サナトリウム)

共同研究者

藤井 進也(慶應義塾大学環境情報学部専任講師)
品川 俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座講師)
押淵 英弘(東京女子医科大学神経精神科講師)
松井 健太郎(東京女子医科大学神経精神科助教)

2017年:自主学習学生

飯森 崇(医学部4年)
大森 祐貴(医学部4年)
津川 幸子(医学部4年)

研究セミナー

本研究室では月に1回程度、研究会を行っております。随時、脳画像の各種モダリティの解析トレーニングも行っておりますので、こちらもご参加ください。参加ご希望の方は下記の連絡先までお問い合わせください。

2017年

2/15(水)高宮彰紘先生「ECTの効果発現機序について」

3/8(水)藤井進也先生(環境情報学部)「音楽神経科学のフロンティア」

4/6(木) Fernando Caravaggio先生(トロント大学)「History of Dopamine PET」 

4/12(水)高田則雄先生「光遺伝学的機能的MRI」

5/19(金)野田賀大先生「TMS脳波をめぐる冒険」

6/15(木)尾久守侑先生 「精神疾患とキヌレニン経路」

7/6(木)竹内啓善先生 「統合失調症に対する抗精神病薬治療の全て」

7/20(木)杉浦悠毅先生(医学部医化学教室)「メタボローム解析による血中「代謝分子」疾病マーカーの探索」

8/24(木)岩田祐輔先生「統合失調症とグルタチオン」

9/6(水)品川俊一郎先生(東京慈恵会医科大学)「精神科医のための前頭側頭型認知症入門」

10/5(木)野田賀大先生「TMS-EEGを用いた精神疾患研究」

10/27(金)鶴身孝介先生(京都大学)「ギャンブル障害の脳画像研究」

11/30(木)高畑圭輔先生(放射線医学総合研究所)19:00-20:30「放医研PET研究の今(仮)」

2018年

1/19(金)園田真樹先生(横浜市立大学脳外科)「てんかん外科と笑い発作(仮)」

1/31(水)「ナルコレプシー総論」
松井健太郎先生(東京女子医科大学)「ナルコレプシーの臨床」
和田真孝先生「ナルコレプシーの神経画像」

現在、中島・野田ラボの研究生および大学院生を募集しております。当研究室に興味のある方は是非下記の連絡先にメールを頂けますと幸いです。

連絡先

リサーチ・アシスタント:富樫敦子(Email: togashinobuko0713@gmail.com