Multidisciplinary Translational Research Lab(精神病態生理学研究室)

うつ病に対するrTMS治療縦断研究

参加を迷っている方、分からないことがあり質問がある方もお気軽にフォームよりご連絡ください。担当者より追ってご連絡をさせていただきます。1週間以上経ってもこちらから連絡がない場合には、お手数ですが、keio.tms.research@gmail.com宛にご連絡いただけますと幸いです。

1研究の背景

本研究室では、うつ病の低侵襲で十分な改善を目指しrTMSを用いたうつ病に対する介入研究を行っております。rTMS治療は国際的には薬物療法、電気けいれん療法(ECT)と並んでうつ病の標準的な治療法の一つとされています。特にrTMSは外来で通院しながら行えること、低侵襲(副作用が少ない)であること、抗うつ薬で効果が認められなかった方にも効果が見られる場合があることから非常に注目をされている治療法の一つです。しかしながら、rTMSの治療方法の詳細なプロトコルや長期的な改善の維持については研究が不十分であります。また日本では保険治療として行うことができず、rTMS治療が必要と考えられる方にも治療が提供できていないというのが現状です。

そこで我々は治療抵抗性うつ病の方に、rTMSを用いたうつ病の急性期治療およびその維持効果を調べる研究を行います。

2研究の目的

  • 最新のrTMS治療手法同士の比較によるうつ病の改善効果の違いの医学的評価
  • rTMS治療の長期的な再発予防効果の医学的評価

3本研究への参加条件

対象疾患:治療抵抗性うつ病の方(治療抵抗性うつ病とは、抗うつ薬治療を行っても症状が改善しないうつ病のことです)。
年齢:18歳以上の方。
その他:主治医から紹介状をもらえる方。研究プロトコルに参加基準を満たす方。

4研究のスケジュール

研究にお申し込みを頂きましたら、担当者よりお電話にて研究の詳細の説明をさせていただきます。その説明を聞いたうえで、ご参加いただける方には慶應病院にご来院いただく日時を決めていただきます。最初に来ていただいた際に、改めて書面をもちいて研究の説明をさせていただき、同意の取得を行います。またその後現在の症状に関する問診や今まで使っていたお薬の情報などを伺う問診をさせていただきます。その後治療に進んでいただいた方は以下の3つのステージの治療を受けることができます。

①薬物調整期間(8週間)

治療抵抗性うつ病であることを確認するための期間です。当研究で指定した抗うつ薬を内服していただき、8週間で症状の変化が見られるかどうかを確認させていただきます。8週間の抗うつ薬での治療を行っても症状の改善が見られない方は次のステージに進みます。

②rTMS急性期治療期間(6週間)

rTMS治療が開始となります。rTMS治療は”平日毎日”行います。一回当たりの治療時間は1時間程度となります。治療を行う時間については、患者様と施術者双方の都合を考慮した上で治療タイミングを設定いたします。

③rTMS維持期治療期間(24週間)

②の急性期治療にて症状の改善された方でかつ継続的な維持治療を希望される方にご参加いただきます。薬物治療、もしくは週1回のrTMS治療を行うことで治療効果がどの程度継続するかを調べます。

5研究への参加方法

主治医の先生と本研究の参加についてご相談の上、以下のフォームに研究参加希望者のお名前とご連絡先をご入力ください。その後、研究担当者から折り返しご連絡差し上げます。

参加を迷っている方、分からないことがあり質問がある方もお気軽にフォームよりご連絡ください。担当者より追ってご連絡をさせていただきます。1週間以上経ってもこちらから連絡がない場合には、お手数ですが、keio.tms.research@gmail.com宛にご連絡いただけますと幸いです。

6本研究にご参加いただく意義

  • 世界でも最先端レベルの高精度のrTMS治療を日本でいち早く行うことができます。
  • TMSに関してトップレベルの専門家が科学的エビデンスに裏打ちされた知識と経験を駆使してrTMSの治療効果を最大限に引き出します。
  • rTMSに関する一切の費用はかかりません。
  • 研究で施行されたすべての検査の結果を説明いたします。
  • 研究謝礼として、すべての検査にご協力いただいた研究協力者さまには15,000円をお支払い致します。

7お問い合わせ

住所:〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室
E-mail:keio.tms.research@gmail.com
研究責任医師:特任准教授・野田賀大
研究分担医師:和田真孝

精神神経疾患のバイオタイプの同定を目指したTMS-EEG横断研究

自閉スペクトラム症の方を研究対象とした臨床研究は終了致しました。現在は自閉スペクトラム症の被験者の方々の募集を行っておりませんので何卒ご了承ください。

本研究について

1背景

現在の精神疾患の診断基準には客観的な生物学的指標が存在せず、診断は臨床症状のみで行われております。しかし同一の精神症状が異なる精神疾患に認められるなど、既存の疾患分類の妥当性に疑問が向けられています。また多くの精神疾患に認められる認知機能障害については十分な有効性が示されている治療法はありません。これら問題を解決するためには、各精神症状に対応した生物学的指標(バイオマーカー)の開発と新たな診断分類の作成、そしてこれに基づく新規治療の確立が必要となります。

2TMS-EEGについて

近年、ヒトの脳神経生理機能を非侵襲的に評価する方法として経頭蓋磁気刺激法と高解像度脳波計を組み合わせた技術(TMS-EEG同時計測法)を開発しました。本手法では脳神経活動を数十ミリ秒単位で、かつ高い解像度で検出することが可能です。同技術を応用することで、個人レベルで診断の補助が可能となるような、診断的特異度の高い生物学的特徴量(バイオタイプ)を確立することが期待されています。

3本研究の目的

精神疾患の生物学的診断の補助となるTMS-EEG同時計測法を確立し、精神科診断の精度と信頼度を改善。さらに新規rTMS治療の有用性を確認することで難治性精神症状からの回復を目指します。

4本研究への参加条件

  • 対象疾患:うつ病、軽度認知障害、統合失調症、双極性障害、自閉症スペクトラム障害と診断されている方を対象にしています。
  • 年齢:うつ病と自閉症スペクトラム障害の方については13歳以上の方を対象にしています。

※1 主治医の先生から必ず紹介状を受け取ってください。紹介状のない方は研究への参加をお断りしています。
※2 当研究の目的は診断を付けることではありません。セカンドオピニオン目的の参加はできませんのでご遠慮ください。

5研究の詳細

  • 場所:慶應義塾大学病院とその周辺で行います。
  • 期間:1日当たり3~4時間で4日間行います。
  • 研究の流れ:
    ⅰ) 下記のフォームからご応募いただくと、研究の詳細に関するメールが届きます。
    ⅱ) メールあるいはお電話でのご連絡にて研究の希望日を決めていただきます。
    ⅲ) 慶應義塾大学病院の「TMS外来」を受診していただきます。
    ⅳ) TMS外来で改めて診察をさせていただき、研究に参加できる条件を満たしているかチェックさせていただきます。
    ⅴ) 参加条件を満たされた方はその場で同意を取得し、その後心理検査を受けていただきます。その日はそれで終了となります。
    ⅵ) 改めて別日に提携施設でMRI検査を受けていただきます。
    ⅶ) さらに別日に来院していただき包括的臨床評価検査を受けていただきます。
    ⅷ) 改めて別日に来院していただきTMS-EEG検査を受けていただきます。
    ⅸ) 各検査の順番はスケジュールにより前後することはあります。
    ⅹ) 以上で終了となります。後日こちらより検査結果の概要を郵送させていただきます。また万が一検査で異常が見つかった場合は、詳細なご連絡をさせていただきます。

6研究へのお申込み方法

主治医の先生と本研究の参加についてご相談の上、
ⅰ) 以下のフォームに連絡先をご入力してください。担当者から順次メールあるいは電話でご連絡致します。現在、申込者人数の関係で、研究へのご案内まで多少のお時間を頂いております。

自閉スペクトラム症の方を研究対象とした臨床研究は終了致しました。現在は自閉スペクトラム症の被験者の方々の募集を行っておりませんので何卒ご了承ください。

ⅱ) 担当者が電話にて簡単にお話をお伺いした上で、こちらの方でTMS外来の日程を調整致します。TMS外来予約の日時が確定した後に、月曜・火曜午前のTMS外来に紹介状を持っていらしてください。

ⅱ) 毎週月曜・火曜午前のTMS外来に紹介状をもってご予約ください

7本研究にご参加いただく意義

  • 精神医学の発展に寄与します。
  • 大学病院だからできる高度な検査を受けることができます。
  • 研究で施行されたすべての検査の結果を説明いたします。
  • 研究謝礼として、すべての検査にご協力いただいた研究協力者さまには10,000円をお支払い致します(研究にかかわる全ての検査において費用は一切かかりません)。

研究責任者の言葉(野田Dr.)

野田Dr肺炎はレントゲンで、不整脈は心電図で診断することができます。しかしこころの病気を診断できる検査は、今は全くありません。そのためどんなに経験を積んだ医師でも、常に正確な診断をするのは非常に困難です。
医学は科学であるためより正確な診断をするための手段を開発することは医師の義務だと私は考えております。今回の研究を介して、精神疾患をより科学的に診断をすることを目指しているのでご興味のある方はぜひご参加ください。

8お問い合わせ

住所:〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室
E-mail:keio.tms.research@gmail.com
研究責任者:特任准教授・野田賀大

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現在、MTRラボ(野田&中島ラボ)の研究生および大学院生(主に博士課程)、学振PDを募集しております。理工学部の学生さんや他大学に所属している方であっても、当研究室で行っている精神疾患に対するニューロモデュレーション研究に興味のある方は大歓迎ですので、是非下記の連絡先にメールを頂けますと幸いです。

Lab News

(2024年11月)
【論文】
スタンフォード大学留学中のポスドクの和田真孝先生がまとめた以下論文がTranslational Psychiatryにアクセプトされました。”Decreased prefrontal glutamatergic function is associated with a reduced astrocyte-related gene expression in treatment-resistant depression.” Wada M, Nakajima S, Honda S, Takano M, Taniguchi K, Homma S, Ueda R, Tobari Y, Mimura Y, Fujii S, Mimura M, Noda Y (2024). Translational Psychiatry. In press.

主任研究員の野田賀大が取り纏めた以下の治療抵抗性うつ病に対する保険診療下のNeuroStar TMS治療に関する全国レジストリ論文がPsychiatry Researchにアクセプトされました。”A multisite observational real-world study on the effectiveness of repetitive transcranial magnetic stimulation therapy for patients with treatment-resistant depression in Japan.” Matsuda Y, Kito S, Hiraki F, Izuno T, Yoshida K, Nakamura M, Kodaka F, Yamazaki R, Taruishi N, Imazu S, Kanazawa T, Mekata T, Moriyama S, Wada M, Nakajima S, Sawada K, Watanabe S, Takahashi S, Toi Y, Hayashi D, Igarashi S, Fujiyama K, Ikeda S, Tateishi H, Kojima R, Sato K, Boku S, Takebayashi M, Ogura M, Takaya A, Endo K, Kita A, Arai H, Kamimura H, Matsuo K, Denda K, Yamashiro S, Yoshioka D, Kizaki J, Masaru M, Noda Y (2024). Psychiatry Research. In press.

主任研究員の野田賀大が世界のTMSエキスパートメンバーと共同で、うつ病、強迫性障害、精神病、トラウマ関連障害に対するrTMS療法を受療している患者における物質使用に関する評価と管理についてデルファイ法によるガイドラインをまとめました。”Assessment and Management of Concurrent Substance Use in Patients Receiving Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation for Depressive, Obsessive-Compulsive, Psychotic, and Trauma-Related Disorders: A Delphi Consensus Study and Guideline.” Tang VM, Aaronson S, Abdelghani M, Baeken C, Barbour T, Brunoni AR, Bulteau S, Carpenter LL, Croarkin PE, Daskalakis ZJ, Fitzgerald PB, Kozel FA, Le Foll B, Mehta UM, Noda Y, Padberg F, Plewnia C, Su H, van Eijndhoven P, van Exel E, van Oostrom I, Vila-Rodriguez F, Voineskos D, Wilson S, Blumberger DM (2024). American Journal of Psychiatry. In press.

【学会発表】
2024年11月9日に愛知医科大学7号館(医心館)にてハイブリット開催された「第1回 Transdisciplinary Forum for TMS and PMS~ ニューロ・リカバリー&リハビリテーションに向けて~」において、主任研究員の野田賀大が『精神科領域における TMS療法の現状』と題するトークを行いました。

(2024年10月)
【論文】
大学院生の高野万由子さんが健常者を対象に精巧なシャム刺激条件を対照としたTMS-EEG LICI実験を左DLPFCに対して行い、LICI解析にて信号源推定を応用することで、従来の方法よりもよりロバストな皮質抑制効果を同定することに成功し、同研究成果はClinical Neurophysiologyに掲載されました。”Optimizing the identification of long-interval intracortical inhibition from the dorsolateral prefrontal cortex.” Takano M, Wada M, Nakajima S, Taniguchi K, Honda S, Mimura Y, Kitahata R, Zomorrodi R, Blumberger DM, Daskalakis ZJ, Uchida H, Mimura M, Noda Y (2024). Clinical Neurophysiology. In press.

ポスドクの津川幸子先生が、久里浜医療センターおよびアサヒビールとの共同研究で以下論文を出版いたしました。”Effects of short-term exposure to moderate amounts of alcohol on brain volume.” Tsugawa S, Ueno F, Sakuma M, Tani H, Ochi R, Graff-Guerrero A, Noda Y, Uchida H, Mimura M, Oshima S, Matsushita S, Nakajima S (2024). Neuropsychopharmacology Reports. In press.

【学会発表】
2024年10月24~26日に札幌コンベンションセンターにて開催された第54回日本臨床神経生理学会学術大会においてMTRラボから以下の発表を行いました。

シンポジウム3【精神科ニューロモデュレーションと脳機能変化】にて、ポスドクの三村悠先生が「TMS-EEG同時計測法を用いた精神神経疾患の神経可塑性評価」と題する講演を行いました。同シンポジウムでは、当研究室がこれまで行ってきたTMS-EEG PASによる左背外側前頭前野の神経可塑性について、健常から治療抵抗性うつ病、自閉スペクトラム症と疾患横断的に概説致しました。

ワークショップ6【精神科領域における神経生理学的手法の適切な使用に向けて】にて、主任研究員の野田賀大が「精神科領域におけるTMS-EEG法の臨床応用に向けた取り組み」について、TMS-EEGの方法論を中心に紹介いたしました。また、rTMSおよびTMS-EEGを臨床応用する際の倫理的注意点についても概説致しました。

ポスター発表【脳波一般2】にて、大学院生の谷口敬太君が「安静脳波マイクロステート解析による統合失調症の神経生理基盤の解明」について発表致しました。
○谷口 敬太,金子 直嗣,和田 真孝,垂水 良介,高野 万由子,本多 栞,中島 振一郎,三村 將,内田 裕之,野田 賀大

(2024年9月)
【学会発表】
主任研究員の野田賀大が台湾臨床TMS脳刺激学会の特別招待講演にて「日本のTMS臨床研究の現状」について発表・報告いたしました。台湾では精神科医のTMSに対する興味関心と期待度が非常に高く、活気がありました。アジアTMSレジストリ・プロジェクトに対する期待も高く、今後さらにプロジェクトを盛り上げていく方針となりました。

【メディア】
主任研究員の野田賀大が中心となって取り組んでいる「TMSレジストリ・データベースプロジェクト」が、毎日新聞のくらしナビ-医療-(共同通信社配信)に掲載されました。

(2024年8月)
【論文】
主任研究員の野田賀大が寄稿したEditorialがJournal of Integrative Neuroscience誌に掲載されました。”Exploring Optimal Neuroplasticity: Neuromodulation for Enhanced Human Well-Being.” Noda Y (2024). Journal of Integrative Neuroscience. In press.

主任研究員の野田賀大が、上海交通大学医学院のTi-Fei Yuan教授らとの国際共同研究で以下論文を出版しました。”Exploring the interplay between addiction and time perception: A systematic review and meta-analysis.” Gu Y, Shan J, Huang T, Yu C, Wu H, Hu X, Tong X, Jia R, Noda Y, Du J, Yuan TF, Luo W, Zhao D (2024). Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. In press.

(2024年7月)
【論文】
主任研究員の野田賀大がトロント大学精神科との共同研究で以下論文を出版しました。”Cognitive Profiles in Treatment-Resistant Late-Life Depression and their Impact on Treatment Outcomes.” Göke K, McClintock SM, Mah L, Rajji TK, Lee HH, Nestor SM, Downar J, Noda Y, Daskalakis ZJ, Mulsant BH, Blumberger DM (2024). Biological Psychiatry: Cognitive Neuroscience and Neuroimaging. In press.

大学院生の高野万由子さんと主任研究員の野田賀大がDLPFCを対象としたTMS-EEG実験において、安定したTMS誘発脳波を得るのに必要な刺激パルス数についての条件検証を行い、80パルス刺激が妥当であることを示しました。”Validation of the number of pulses required for TMS-EEG in the prefrontal cortex considering test feasibility.” Noda Y*, Takano M, Wada M, Mimura Y, Nakajima S. Neuroscience In press

【学会発表】
2024年7月24~27日に福岡にて開催されたNeuro2024にてMTRラボから以下の発表を行いました。

Honda S, Noda Y, Wada M, Tobari Y, Mimura Y, Tsugawa S, Koike S, Eden A E, Cassidy C M, Mimura M, Uchida H, Nakajima S. Roles of glutamate, GABA, dopamine, and norepinephrine in a pathological basis of treatment-resistant depression. NEURO2024, Fukuoka, Japan, July 24-27, 2024.

Takano M, Wada M, Nakajima S, Mimura Y, Taniguchi K, Honda S, Uchida H, Mimura M, Noda Y. The long-interval intracortical inhibition of the dorsolateral prefrontal cortex identified with signal source estimation and a sham condition as a control. NEURO2024, Fukuoka, Japan, July 24th-27th, 2024.

Mimura Y, Nakajima S, Takano M, Wada M, Taniguchi K, Honda S, Tobari Y, Uchida H, Mimura M, Noda Y. Decreased effective connectivity within the brain networks after transcranial magnetic stimulation to the dorsolateral prefrontal cortex in individuals with autism spectrum disorder. NEURO2024, Fukuoka, Japan, July 24th-27th, 2024.

Taniguchi K, Kaneko N, Wada M, Takano M, Mimura Y, Nakajima S, Uchida H, Noda Y. Brain microstate characteristics following bilateral TMS therapy in patients with treatment-resistant depression. NEURO2024, Fukuoka, Japan, July 24th-27th, 2024.

Arai N, Takahiro M, Nakajima S, Moriyama S, Niinomi K, Takayama K, Boku S, Takebayashi M, Uchida H, Mimura M, Noda Y. Prediction of Postoperative Delirium Using Resting-State EEG Phase-Amplitude Coupling Analysis. NEURO2024, Fukuoka, Japan, July 24th-27th, 2024.

Nakane Y, Honda S, Yasuda H, Tani H, Wada M, Etani T, Saito Y, Kitano M, Harada L, Kani R, Huh S, Araki K, Ono E, Kimura M, Moriyama S, Takahashi K, Ishimaru R, Miura A, Asada S, Yoshida K, Noda Y, Uchida H, Nakajima S. GABA and glutamate levels in major depressive disorder: a systematic review and meta-analysis of proton magnetic resonance spectroscopy studies. The 46th Annual Meeting of Japanese Society of Biological Psychiatry, Fukuoka, Japan, July 24-27, 2024.

Ishimaru R, Mimura Y, Noda Y, Hondo N, Takahashi K, Honda S, Tobari Y, Koike S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S. Evaluation of cortical myelination in adult autism spectrum disorder. NEURO2024, Fukuoka, Japan, July 24-27, 2024.

主任研究員の野田賀大が2024年7月13日に大阪にて開催された第8回臨床TMS研究会にて、「日本におけるrTMS保険診療の費用対効果分析」について講演しました。

主任研究員の野田賀大が2024年7月12日~13日に大阪にて開催された第21回日本うつ病学会のニューロモデュレーション委員会シンポジウムにて、「治療抵抗性うつ病に対する両側TMS療法の有用性」について講演しました。

(2024年6月)
【論文】
大学院生の谷口敬太君が双極性障害のTMS神経生理研究に関する総論をまとめました。
Neurophysiological profiles of individuals with bipolar disorders as probed with transcranial magnetic stimulation: a systematic review.” Taniguchi K, Kaneko N, Wada M, Moriyama S, Nakajima S, Mimura M, Noda Y*. Neuropsychopharmacol Rep. In press

主任研究員の野田賀大が「TMSニューロモデュレーションの倫理」についてエキスパートオピニオンとしての総論をまとめました。” The New Ethics of Transcranial Magnetic Stimulation Neuromodulation: A Critical Appraisal.” Noda Y* (2024). Journal of Integrative Neuroscience. 23,112.

【学会発表】
共同研究員の本間咲希さん(SFC大学院生)が、フィンランド・ヘルシンキで開催されたThe Neurosciences and Music – VIIIにて以下のポスター発表を行いました。

(ポスター発表)
Homma S, Nakajima S, Etani T, Kondoh S, Honda S, Tarumi R, Kaneko Y, Tsugawa S, Moriyama S, Tobari Y, Horga G, Cassidy C, Uchida H, Noda Y, Fujii S. Musical reward in schizophrenia: a neuromelanin-sensitive MRI study. The Neurosciences and Music – VIII: Wiring, re-wiring, and well-being. Helsinki, Finland, June 13-16, 2024.

(2024年5月)
【論文】 東京大学工学部関野研究室(飯野杏菜さん/関野正樹先生)との共同研究論文の一つがIEEEにアクセプトされました。脳深部刺激を目指した新型コイル開発のためのproof-of-concept論文です。”Development of Transcranial Magnetic Stimulator Coils that Physically Achieve the Deepest Stimulation Based on the Inverse Problem Approach.” Iino A, Fushimi M, Tabata J, Kikuchi T, Soejima Y, Wada M, Nakajima S, Noda Y, Sekino M (2024). IEEE Transactions on Magnetics. In press

主任研究員の野田賀大が新宿・代々木こころのラボクリニックの協力のもと行ったメンテナンスTMS療法の有用性について評価した後方視的観察研究がCNS Spectrumsにアクセプトされました。”Real-World Case Series of Maintenance Theta Burst Stimulation Therapy Following Response to Acute Theta Burst Stimulation Therapy for Difficult-to-Treat Depression.” Noda Y*, Fujii K, Nakajima S, Kitahata R (2024). CNS Spectrums. 21:1-10. 本研究では、治療抵抗性うつ病を含めたDifficult-to-Treat Depression患者を対象に急性期iTBS治療で臨床的寛解を得た後に週1回のメンテナンスiTBSを15~30回実施することはうつ病の再燃・再発予防に関して臨床的に有用である可能性を示しました。

【学会発表】
2024年5月23日~5月26日にかけて東京国際フォーラムにて開催された第35回国際神経精神薬理学会世界大会(CINP2024)にてMTRラボメンバーが以下の発表を行いました。

(シンポジウム)
Symposium 5: Optimizing repetitive transcranial magnetic stimulation therapies for depression and addiction: challenges and pitfalls.
[IS5-3] Potential of Maintenance Theta Burst Stimulation Therapy for Preventing Relapse after Acute Theta Burst Stimulation Therapy Response for Difficult-to-Treat Depression: A Real World Case Series. Noda Y, Fujii K, Nakajima S, Kitahata R

(口演)
Takahashi K, Noda Y, Sone D, Honda S, Wada M, Hondo N, Tsugawa S, Tobari Y, Shinagawa S, Koike S, Matsui M, Mimura M, Uchida H, Nakajima S. Disease Progression Modeling of Brain Macrostructure in Treatment-Resistant Depression.

(ポスター発表)
Tsugawa S, Noda Y, Honda S, Wada M, Hondo N, Moriyama S, Wannan C, Zalesky A, Uchida H, Nakajima S. Abnormal Structural Covariance Network in Treatment-Resistant Depression.

Tarumi R, Honda S, Etani T, Homma S, Kaneko Y, Matsushita K, Moriyama S, Tobari Y, Ueno F, Horga G, Cassidy C, Tsugawa S, Uchida H, Graff-Guerrero A, Noda Y, Nakajima S. Evaluation of neuromelanin in patients with treatment-resistant schizophrenia.

Sone D, Young AL, Shinagawa S, Tsugawa S, Iwata Y, Tarumi R, Ogyu K, Honda S, Ochi R, Matsushita K, Ueno F, Hondo N, Koreki A, Torres-Carmona E, Mar W, Chan N, Koizumi T, Kato H, Kusudo K, de Luca V, Gerretsen P, Remington G, Onaya M, Noda Y, Uchida H, Mimura M, Shigeta M, Graff-Guerrero A, Nakajima S. Data-driven disease progression patterns of brain morphology in schizophrenia: More progressed stages in treatment-resistance.

Ueno F, Iwata Y, Honda S, Horga G, Cassidy CM, Torres-Carmona E, Song J, de Luca V, Tsugawa S, Noda Y, Agarwal M, Gerretsen P, Nakajima S, Graff-Guerrero A. Associations between Neuromelanin Accumulation in Patients with Schizophrenia and Treatment Responsiveness: A Cross-Sectional NM-MRI Study.

Hondo N, Noda Y, Wada M, Honda S, Tsugawa S, Takahashi K, Koike S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S. Neuroanatomical biotyping by semi-supervised machine learning focusing on heterogeneity in treatment-resistant depression.

Taniguchi K, Nakajima S, Moriyama S, Wada M, Kaneko N, Takano M, Honda S, Mimura M, Uchida H, Noda Y. Neurophysiological characteristics of bipolar disorder by resting EEG microstate analysis.

Arai N, Sugiura Y, Nakajima S, Wada M, Moriyama S, Mimura Y, Takayama K, Niinomi K, Boku S, Mimura M, Takebayashi M, Uchida H, Noda Y. Prediction of Postoperative Delirium by Blood Metabolome.

2024年5月9日~5月11日にかけて米国オースチンにて開催された米国生物学的精神医学界2024(2024 Society of Biological Psychiatry Annual Meeting)にてMTRラボメンバーおよび共同研究者の先生が以下のポスター発表を行いました。

(ポスター発表)

Mimura Y, Nakajima S, Tobari Y, Takano M, Wada M, Honda S, Uchida H, Mimura M, Noda Y. Decreased effective connectivity within the salient network after transcranial magnetic stimulation to the dorsolateral prefrontal cortex in individuals with mild cognitive impairment. 2024 Society of Biological Psychiatry Annual Meeting, Austin, 2024.5.9-11.

Nakajima W, Tani H, Nagai N, Koizumi T, Ohtani Y, Nomoto-Takahashi K, Kikuchi Y, Yatomi T, Yonezawa K, Kusudo K, Tomiyama S, Honda S, Nakajima S, Noda Y, Hatano M, Eiro T, Arisawa T, Takada Y, Miyazaki T, Kimura Y, Uchida H, Takahashi T. Ketamine Alters Ampa Receptor Distribution of Patients with Treatment-Resistant depression: Pet Study Using [11C]K-2. 2024 Society of Biological Psychiatry Annual Meeting, Austin, 2024.5.9-11.

Arai N, Sugiura Y, Nakajima S, Wada M, Moriyama S, Mimura Y, Niinomi K, Takayama K, Boku S, Takebayashi M, Uchida H, Mimura M, Noda Y. Prediction of Postoperative Delirium by Blood Metabolome. 2024 Society of Biological Psychiatry Annual Meeting, Austin, 2024.5.9-11.

(2024年4月)
【論文】
研修医の金城めぐみ先生が行ったTMSのMRIナビゲーション刺激部位の比較研究が、Brain Researchにアクセプトされました。”A Comparative Study of the Dorsolateral Prefrontal Cortex Targeting Approaches for Transcranial Magnetic Stimulation Treatment: Insights from the Healthy Control Data.” Kinjo M, Honda S, Wada M, Nakajima S, Koike S, Noda Y* (2024). Brain Research. 1:1838:148989. 本研究では、各被験者のrs-fMRIデータに基づいたニューロナビゲーションは、HCにおいても構造MRIに基づいた従来のニューロナビゲーション等と比べ、被験者ごとに固有の刺激部位を示すことを実証しました。

(2024年3月)
【論文】
MTRラボと東大駒場小池研究室との共同研究で以下論文を出版しました。”Alterations in subcortical magnetic susceptibility and disease-specific relationship with brain volume in major depressive disorder and schizophrenia.” Shibukawa S, Kan H, Honda S, Wada M, Tarumi R, Tsugawa S, Tobari Y, Maikusa N, Mimura M, Uchida H, Nakamura Y, Nakajima S, Noda Y, Koike S (2024). Translational Psychiatry. 14(1):164. 本研究では、大うつ病性障害(MDD)患者、統合失調症患者、健常対照者(HC)の皮質下容積と磁化率の関係を定量的磁化率マッピングで評価しました。結果として、MDD群の側坐核と扁桃体の磁化率がHC群に比べて有意に高いことが明らかになりました。しかし、皮質下容積については群間で有意差は見られませんでした。さらに、MDD群の側坐核では、体積との間に有意な交互作用が見られ、鉄沈着に関連した髄鞘形成とドーパミン作動性神経における異常が示唆されました。これらの結果は、MDDに関連した神経変化を同定する際に定量的感受性マッピングが有用である可能性を示しています。

主任研究員の野田賀大が東京横浜TMSクリニックの井川春樹先生らと共同で同クリニックのレジストリデータをレトロスペクティブに解析し、双極性うつ病と単極性うつ病に対するTMS治療の有効性の差異を観察研究としてまとめました。各群20例のデータを用いて、HAM-D21スコアとMADRSスコアをアウトカム指標としました。両群間のうつ病重症度、運動閾値、刺激強度、各スコアの変化、反応率と寛解率に有意差はなく、唯一の有害事象は刺激部位の頭皮痛のみでした。これらの結果から、双極性うつ病に対するrTMS治療も単極性うつ病と同様に有効である可能性が示唆されました。”Real-world retrospective study of repetitive transcranial magnetic stimulation (TMS) treatment for bipolar and unipolar depression using TMS registry data in Tokyo.” Ikawa H, Osawa R, Takeda Y, Sato A, Mizuno H, Noda Y* (2024). Heliyon. 5(10):E27288

主任研究員の野田賀大がトロント大学精神科との共同研究で以下論文を出版しました。
Predictors of remission after repetitive transcranial magnetic stimulation for the treatment of late-life depression.” Göke K, Trevizol AP, Ma C, Mah L, Rajji TK, Daskalakis ZJ, Downar J, McClintock SM, Nestor SM, Noda Y, Mulsant BH, Blumberger DM (2024). Psychiatry Res. 334:115822. 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)はうつ病患者に対して有効な治療法ですが、その治療反応性には個人差があります。本研究では後期高齢者うつ病に焦点を当て、治療後の寛解に関連する臨床的な予測因子を同定しました。その結果、治療開始前におけるうつ病重症度が低い、抗うつ薬治療の失敗歴が少ない、全般的な認知能力が高いことがrTMS治療後の寛解を予測する因子であることが判明しました。

(2024年2月)
【論文】
大学院生の三村悠先生の学位論文がProgress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatryにアクセプトされました。MCI患者ではコリン作動性神経生理指標である短潜時求心性抑制(short-latency afferent inhibition)が背外側前頭前野において低下していることを実証しました。”Decreased short-latency afferent inhibition in individuals with mild cognitive impairment: A TMS-EEG study.” Mimura Y, Tobari Y, Nakajima S, Takano M, Wada M, Honda S, Bun S, Tabuchi H, Ito D, Matsui M, Uchida H, Mimura M, Noda Y* (2024). Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 12:110967.

下総精神医療センターの是木明宏先生が、統合失調症患者における内受容感覚の異常について心拍誘発電位を定量化することによって評価できる可能性を示しました。”Aberrant heartbeat-evoked potential in schizophrenia.” Koreki A, Ogyu K, Miyazaki T, Takenouchi K, Matsushita K, Honda S, Koizumi T, Onaya M, Uchida H, Mimura M, Nakajima S*, Noda Y* (2024). Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 132:110969.

(2024年1月)
【論文】
初期研修医の小林香音先生と司馬康先生が、音刺激が神経活動に与える短期的影響について、網羅的なスコーピングレビューを行い論文にまとめました。“Short-Term Effect of Auditory Stimulation on Neural Activities: A Scoping Review of Longitudinal Electroencephalography and Magnetoencephalography Studies.” Kobayashi K, Shiba Y, Honda S, Nakajima S, Fujii S, Mimura M, Noda Y* (2024). Brain Sciences. 14(2):131.

主任研究員の野田賀大が帝人株式会社DX部門の阪上絢人さんらとの共同研究でTMS-EEGデータに対して複数の機械学習モデルを適用し、うつ病判定に資するAIアルゴリズムの構築に関する研究論文をまとめました。“Development of Artificial Intelligence for Determining Major Depressive Disorder Based on Resting-State EEG and Single-Pulse Transcranial Magnetic Stimulation-Evoked EEG Indices.” Noda Y*, Sakaue K, Wada M, Takano M, Nakajima S (2024). Journal of Personalized Medicine. 14(1):101.

主任研究員の野田賀大が東京横浜TMSクリニックの井川春樹先生らとの共同研究でTMSクリニックにおけるレジストリデータを用いたレトロスペクティブ解析研究を行い、以下論文をまとめました。”A Retrospective Case-Control Study on the Differences in the Effectiveness of Theta Burst Stimulation Therapy for Depression with and without Antidepressant Medication.” Ikawa H, Takeda Y, Osawa R, Sato A, Mizuno H, Noda Y* (2024). Journal of Clinical Medicine. 13(2), 399. 同解析研究では、うつ病患者を対象に抗うつ薬を内服した上でTMS療法をadd-onした群と副作用等の問題で抗うつ薬が内服できずTMS療法を単体で実施した群を年齢・性別・うつ病重症度を事後的にマッチさせた上で分類し、両群の治療成績や有害事象の発生頻度について調べました。その結果、観察研究という限界はあるものの、リアルワールドベースでは抗うつ薬の有無によってTMS療法の効果に有意な差異は見られませんでした。このようにTMS療法に関するRWDを用いることで、多くの臨床家や患者さんが抱くような臨床疑問に対して、大まかではありますが、解決の糸口を示していくことができればと考えております。

(2023年12月)
【論文】
訪問研究員の金子直嗣さん(東京大学大学院総合文化研究科・助教)が、治療抵抗性うつ病患者の前頭前野における神経可塑性をTMS-EEG法による連合ペア刺激パラダイムで検証した研究が無事Cerebral Cortexにアクセプトされました。”Neuroplasticity of the Left Dorsolateral Prefrontal Cortex in Patients with Treatment-Resistant Depression as indexed with Paired Associative Stimulation: A TMS-EEG Study.” Kaneko N, Wada M, Nakajima S, Takano M, Taniguchi K, Honda S, Mimura M, Noda Y* (2023). Cerebral Cortex. 34(2):bhad515. 本研究では、TRD患者の背外側前頭前野では、一般的なMDD患者以上に神経可塑性が有意に低下しており、特にガンマ周波数帯域のパワーが低下していることが明らかになりました。

昭和大学精神医学教室の真田建史先生との共同研究で実施しているうつ病・不安障害患者における腸内細菌と睡眠との関係について調査した研究がPLOS ONEにアクセプトされました。”The relationship between sleep, gut microbiota, and metabolome in patients with depression and anxiety: A secondary analysis of the observational study.” Tanaka A, Sanada K*, Miyaho K, Tachibana T, Kurokawa S, Ishii C, Noda Y, Nakajima S, Fukuda S, Mimura M, Kishimoto T, Iwanami A (2023). PLOS ONE. 18(12):e0296047.

【学会発表】
2023年12月3日~6日にかけて、米国フロリダで開催されたThe 62nd Annual Meeting of the American College of Neuropsychopharmacologyにポスドクの和田真孝先生、大学院生の本多栞さん、盛山宗太郎先生、医学部生の本藤伸章君、高橋航来君が以下のポスター発表を行いました。

Wada M, Nakajima S, Taniguchi K, Honda S, Mimura Y, Thorpe KE, Tarumi R, Moriyama S, Tsugawa S, Arai N, Koike S, Uchida H, Daskalakis ZJ, Mimura M, Blumberger DM, Noda Y. Effectiveness of conventional sequential bilateral repetitive transcranial stimulation versus bilateral theta burst stimulation for patients with treatment-resistant depression: a randomized non-inferiority clinical trial. 62nd Annual Meeting of the American College of Neuropsychopharmacology, Tampa, Florida, U.S.A. 2023.12.3-6.

Honda S, Noda Y, Wada M, Tobari Y, Mimura Y, Koike S, Edden RA, Cassidy CM, Uchida H, Mimura M, Nakajima S. Roles of glutamate, GABA, dopamine, and norepinephrine in a pathological basis of treatment-resistant depression: a multimodal MRI study. The 62nd Annual Meeting of the American College of Neuropsychopharmacology, Tampa, Florida, U.S.A. 2023.12.3-6.

Tsugawa S, Kimura Y, Hatano M, Nakajima W, Uchida H, Miyazaki T, Arisawa T, Hirano Y, Kosaka H, Takahashi T; Differentiation between bipolar disorder and major depressive disorder based on AMPA receptor distribution using novel PET tracer [11C]K-2 and machine learning; 62nd Annual Meeting of the American College of Neuropsychopharmacology, Tampa, Florida, U.S.A. 2023.12.3-6.

Moriyama S, Noda Y, Honda S, Edden RA, Saito K, Taniguchi K, Wada M, Koike S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S: Evaluation of GABA and glutamate + glutamine levels in the dorsal anterior cingulate cortex of patients with bipolar disorder: a cross-sectional 1H-MRS study. 62th annual meeting of The American College of Neuropsychopharmacology, Tampa, Florida, U.S.A. 2023.12.3-6.

Hondo N, Noda Y, Wada M, Honda S, Tsugawa S, Takahashi K, Koike S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S: Biotyping of neuroanatomical signatures by machine learning of brain MRI data in treatment-resistant depression. The 62nd annual meeting of the American College of Neuropsychopharmacology, Florida, U.S.A. 2023. 12. 3-6.

Takahashi K, Noda Y, Honda S, Wada M, Hondo N, Sone D, Tsugawa S, Tobari Y, Koike S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S: Disease progression modeling of brain macrostructure in treatment-resistant depression. The 62nd annual meeting of the American College of Neuropsychopharmacology. Florida, U.S.A. 2023. 12. 3-6.

2023年11月30日~12月2日にかけて福岡国際会議場で開催された第53回日本臨床神経生理学会学術大会にて、ポスドクの和田真孝先生、大学院生の三村悠先生、高野万由子さん、共同研究員(聖マリアンナ医科大学神経精神科)の伏屋研二先生が以下の口演およびポスター発表を行いました。

治療抵抗性うつ病における背外側前頭前野から帯状回前部への信号伝播の低下と経頭蓋磁気刺激療法による改善:TMS-EEG-rTMS研究 ○和田 真孝、中島 振一郎、本多 栞、高野 万由子、谷口 敬太、戸張 維、三村 悠、盛山宗太郎、三村 將、野田 賀大

軽度認知障害患者における短潜時求心性抑制の時間周波数プロファイル:TMS-EEG研究
○三村 悠、戸張 維、高野 万由子、和田 真孝、本多 栞、中島 振一郎、内田 裕之、三村將、野田 賀大

経頭蓋磁気刺激誘発脳波を用いた背外側前頭前野における長間隔皮質内抑制の評価:実刺 激および偽刺激条件の比較による神経生理学的検証
○高野 万由子、和田 真孝、本多 栞、谷口 敬太、三村 悠、中島 振一郎、内田 裕之、三村 將、野田 賀大

アルツハイマー病における反復経頭蓋磁気刺激の最適部位:システマティックレビューと メタ解析
○伏屋 研二、三村 悠、中島 振一郎、三村 將、笠貫 浩史、野田 賀大

同学会のシンポジウム【精神疾患の病態研究の最前線】にて、主任研究員の野田賀大が「経頭蓋磁気刺激と高解像度脳波の組み合わせによる同時計測法の精神神経疾患への応用に向 けて」と題するトークを行いました。

(2023年11月)
【論文】
トロント大学留学中の上野文彦先生が、国立病院機構久里浜医療センター・アサヒグループホールディングス株式会社・本学との共同研究で実施した以下研究が、Alcohol: Clinical and Experimental Researchにアクセプトされました。”Acetaldehyde-mediated increase in glutamatergic and N-acetylaspartate neurometabolite levels in the midcingulate cortex of ALDH2*1/*2 heterozygous young adults: A 1H-MRS study with an alcohol clamp technique.” Ueno F, Sakuma M, Nakajima S*, Tsugawa S, Ochi R, Tani H, Noda Y, Graff-Guerrero A, Uchida H, Mimura M, Oshima S, Matsushita S (2023). Alcohol: Clinical and Experimental Research. 48(1):58-71. 本研究では、若年健常者にアルコールを投与し、その影響をMRS計測にて評価し、中帯状皮質におけるグルタミン酸およびN-アセチルアスパラギン酸の神経代謝物濃度が一過性に上昇することを示しました。

共同研究員の東京慈恵会医科大学の曽根大地先生が、トロント大学・慈恵医大・本学との共同研究で実施した以下研究が、Schizophrenia Bulletinにアクセプトされました。“Disease progression patterns of brain morphology in schizophrenia: More progressed stages in treatment-resistance.” Sone D, Young A, Shinagawa S, Tsugawa S, Iwata Y, Tarumi R, Ogyu K, Honda S, Ochi R, Matsushita K, Ueno F, Hondo N, Koreki A, Torres-Carmona E, Mar W, Chan N, Koizumi T, Kato H, Kusudo K, de Luca V, Gerretsen P, Remington G, Onaya M, Noda Y, Uchida H, Mimura M, Shigeta M, Graff-Guerrero A*, Nakajima S* (2023). Schizophrenia Bulletin. sbad164. 本研究では、統合失調症のMRI T1画像に対して、教師なし機械学習であるSubtype and Stage Inference(SuStaIn)アルゴリズムを適応し、主に①皮質下容積減少(SC)型(73人: 47.4%)、②淡蒼球肥大・皮質菲薄化(GP-CX)型(42人: 27. 3%)、③皮質菲薄化(純粋CX)型(39人: 25.3%)の3つのタイプ(その他は進行変化なし)に分類され、治療抵抗性統合失調症では治療反応例よりも進行段階が有意に進んでいることが明らかとなりました。治療抵抗性はより進行した病期と関連しており、統合失調症における形態学的な新規バイオマーカーになりうる可能性を示しました。

大学院4年の津川幸子先生の以下の学位論文がSchizophrenia Bulletinにアクセプトされました。”Associations Between Structural Covariance Network and Antipsychotic Treatment Response in Schizophrenia.” Tsugawa S, Honda S, Noda Y, Wannan C, Zalesky A, Tarumi R, Iwata Y, Ogyu K, Plitman E, Ueno F, Mimura M, Uchida H, Chakravarty M, Graff-Guerrero A*, Nakajima S* (2023). Schizophrenia Bulletin. sbad160. 本研究では、トロント大学・駒木野病院との共同研究で実施し、治療抵抗性統合失調症(TRS)患者102例、非TRS患者77例、健常対照者79例において、皮質厚の全脳構造的共分散を評価しました。3群間の構造的共分散ネットワークの差異を検討するためにネットワークベースの統計解析を行い、非TRS患者群はHC群と比較し、主に前頭-側頭領域と前頭-後頭領域で大きな構造的共分散を示し、TRS患者群と非TRS患者群またはHC群との間では構造的共分散に有意な群間差は見られませんでした。さらに、個々の構造的共分散の高さは、非TRS群ではPositive and Negative Syndrome Scaleの一般得点の低さと関連しましたが、TRS群ではそのような関連は見られませんでした。統合失調症における治療反応性に協調的な皮質菲薄化による脳ネットワークの再構成が関係している可能性が示唆されました。

【学会発表】
2023年11月23日に大学コンソーシアム富山にて開催された日本音響学会聴覚研究会でSFC大学院生の本間咲希さん(慶應SFC音楽神経科学研究室PI:藤井進也先生)が以下のポスター発表を行いました。

双極性障害患者の音楽報酬感:バルセロナ式音楽報酬質問紙を用いた検討
〇本間 咲希、野田 賀大、近藤 聡太郎、惠谷 隆英、本多 栞、盛山 宗太郎、谷口 敬太、戸張 維、三村 將、内田 裕之、中島 振一郎、藤井 進也

2023年11月6日~7日にかけて万国津梁館で開催された第45回日本生物学的精神医学会年会にて、ポスドクの和田真孝先生、大学院生の三村悠先生、本多栞さん、津川幸子先生、盛山宗太郎先生、谷口敬太さん、戸張維さん、医学部生の本藤伸章君、高橋航来君が以下のポスター発表を行いました。

Wada M, Nakajima S, Taniguchi K, Honda S, Takano M, Mimura Y, Moriyama S, Mimura M, Noda Y. Stratification of Neurophysiological Markers Associated with Responsiveness to Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation Therapy in Treatment-Resistant Depression. Nago, Okinawa, Japan, 2023.11.06.

Mimura Y, Takano M, Wada M, Honda S, Tobari Y, Taniguchi K, Nakajima S, Uchida H, Mimura M, Noda Y. Evaluation of long-interval intracortical inhibition in the dorsolateral prefrontal cortex in autism spectrum disorder: A TMS-EEG study. The 45th Annual Meeting of Japanese Society of Biological Psychiatry, Okinawa, Japan, 2023.11.06.

Honda S, Noda Y, Wada M, Tobari Y, Mimura Y, Koike S, Mimura M, Nakajima S. Evaluation of GABA and Glutamatergic Levels in the ACC in Patients with Treatment-Resistant Depression: A Cross-Diagnostic 1H-MRS Study. The 45th Annual Meeting of Japanese Society of Biological Psychiatry, Okinawa, Japan, November 6-7, 2023.

Tsugawa S, Noda Y, Honda S, Wada M, Hondo N, Koike S, Wannan C, Zalesky A, Uchida H, Nakajima S. Abnormal Structural Covariance Network in Treatment-Resistant Depression. The 45th Annual Meeting of Japanese Society of Biological Psychiatry, Okinawa, Japan, November 6-7, 2023.

Moriyama S, Noda Y, Honda S, Takahashi K, Tsugawa S, Tobari Y, Saito K, Taniguchi K, Wada M, Mimura M, Uchida H, Nakajima S. GABA and Glutamate Concentrations in the Dorsal Anterior Cingulate Cortex of Bipolar Disorder: A Cross-sectional 1H-MRS Study. The 45th Japanese Society of Biological Psychiatry, Okinawa, Japan, 2023.11.06.

Taniguchi K, Kaneko N, Moriyama S, Takano M, Wada M, Nakajima S, Mimura M, Noda Y. Relationship between EEG microstates and cognitive control functions in bipolar disorder. Nago, Okinawa, Japan, 2023.11.06.

Tobari Y, Noda Y, Kamiyu Ogyu, Wada M, Honda S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S, Fujii S. Pitch perception and production ability in patients with schizophrenia. The 45th Annual Meeting of Japanese Society of Biological Psychiatry, Okinawa, Japan, November 6-7, 2023.

Hondo N, Noda Y, Honda S, Takahashi K, Wada M, Tsugawa S, Koike S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S: Detection of myelin distribution abnormalities in treatment-resistant depression patients using T1w/T2w images. The 45th Japanese Society of Biological Psychiatry, Okinawa, Japan, 2023.11.6-7.

Takahashi K, Noda Y, Hondo N, Honda S, Wada M, Tsugawa S, Tobari Y, Koike S, Mimura M, Uchida H, Nakajima S: Examination of Gray Matter Microstructure in Patients with Treatment-Resistant Depression Using Neurite Orientation Dispersion and Density Imaging. The 45th annual meeting of the Japanese Society of Biological Psychiatry, Okinawa, Japan, 2023.11.6-7.

【受賞】
第44回日本生物学的精神医学会にて、和田真孝先生と三村悠先生が、それぞれ第2回若手生物学的精神医学研究奨励賞を受賞しました。誠におめでとうございます。

(2023年10月)
【論文】
大学院生の三村悠先生が、非AD神経変性疾患におけるTMS神経生理研究に関するシスタマティック・レビューとメタ解析を行い、論文にまとめました。”Transcranial magnetic stimulation neurophysiology in patients with non-Alzheimer’s neurodegenerative diseases: a systematic review and meta-analysis.” Mimura Y, Tobari Y, Nakahara K, Nakajima S, Yoshida K, Mimura M, Noda Y*. Neuroscience and Biobehavioral Reviews. 155:105451. 本研究では、TMS神経生理により、DLBでは運動野の興奮性亢進、FTDではグルタミン酸作動性機能の低下、FTD・PSP・CBSではGABA作動性機能の低下、そしてDLBとVaDではコリン作動性機能の低下が認められました。

主任研究員の野田賀大が帝人ファーマ株式会社との共同研究で保険診療下の診療データベースを用いて、治療抵抗性うつ病に対する有用性について、既存の抗うつ薬治療を対照にrTMS療法の費用対効果分析を行い、本邦においても他の先進諸国と同様に、治療抵抗性うつ病に対するrTMS療法の使用が抗うつ薬治療に比べ、医療経済的であることを明らかにしました。”Cost-effectiveness analysis comparing repetitive transcranial magnetic stimulation therapy with antidepressant treatment in patients with treatment-resistant depression in Japan.” Noda Y*, Miyashita C, Komatsu Y, Kito S, Mimura M (2023). Psychiatry Research. 330:115573. さらに、同研究において、本邦におけるrTMS療法の保険点数に関して、現行の約3倍程度にまで保険点数を引き上げたとしても、医療経済的観点からは損失ゼロでイーブンである可能性も示しました。

(2023年9月)
【論文】
ポスドクの和田真孝先生が、せん妄の予防および治療に対するメラトニンの役割について、包括的なシステマティック・レビューとメタ解析を行い、論文としてまとめました。“Efficacy and Moderators of Prevention and Treatment of Delirium with Melatonin Receptor Agonists: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.” Wada M, Yasuda H, Nakajima S, Etani T, Miura A, Asada S, Yoshida K, Noda Y, Takeuchi H (2023). General Hospital Psychiatry. 1:85:71-79. 本研究では、メラトニン受容体作動薬がせん妄を予防し死亡率を減少させる可能性があることし示しました。

【学会発表】
2023年9月28日~29日にかけて愛媛県県民文化会館で開催された第33回日本臨床精神神経薬理学会学術集会にて、ポスドクの垂水良介先生が以下ポスター発表を行いました。
Tarumi R, Honda S, Matsushita K, Homma S, Moriyama S, Tobari Y, Ueno F, Etani T, Shimomura Y, Manki H, Horga G, Cassidy C, Tsugawa S, Uchida H, Graff-Guerrero A, Noda Y, Nakajima S: Evaluation of neuromelanin in patients with treatment-resistant schizophrenia. 33rd Annual Meeting of Japanese Society of Clinical Neuropsychopharmacology, Ehime, Japan, 2023.9.28-29

(2023年8月)
【論文】
大学院生の本多栞さんの学位論文がFrontiers in Neuroscienceに無事アクセプトされました。”Glutamatergic neurometabolite levels in the caudate are associated with the ability of rhythm production.” Honda S, Noda Y*, Matsushita K, Tarumi R, Nomiyama N, Tsugawa S, Tobari Y, Hondo N, Saito K, Mimura M, Fujii S*, Nakajima S* (2023). Front. Neurosci. 17:1196805.
同研究では、尾状部におけるグルタミン酸代謝産物レベルが音楽リズムの処理能力に寄与している可能性を示しました。

(2023年7月)
【学会発表】
2023年7月21日~22日にかけて仙台国際センターで開催された第20回日本うつ病学会総会/第39回日本ストレス学会・学術総会にて、大学院生の本多栞さん、盛山宗太郎先生、髙野万由子さん、谷口敬太さんが以下のポスター発表を行いました。

MP2-2:「治療抵抗性うつ病に対するrTMS療法の治療反応性と特異的脳構造との関係」
〇盛山宗太郎、野田賀大、本多栞、本藤伸章、和田真孝、小池進介、三村將、中島振一郎

MP3-4:「治療抵抗性うつ病患者における背側前帯状回のGABA及びグルタミン酸濃度の評価-横断的1H-MRS研究」
〇本多栞、野田賀大、和田真孝、戸張維、三村悠、小池進介、三村將、中島振一郎

MP3-19:シングルパルス経頭蓋磁気刺激誘発脳波に対する機械学習モデルの適用による治療抵抗性うつ病判別アルゴリズムの構築
〇阪上絢人、和田真孝、高野万由子、谷口敬太、中島振一郎、三村將、野田賀大

MP3-20:簡易型家庭脳波計を用いたうつ病患者と健常者の睡眠指標の横断比較研究
〇髙野万由子、和田真孝、中島振一郎、三村將、野田賀大

MP3-22:双極性障害患者における経頭蓋磁気刺激法による神経生理学的特徴に関する系統的レビューとメタ解析
〇谷口敬太、金子直嗣、和田真孝、盛山宗太郎、中島振一郎、三村將、野田賀大

同学会にて、主任研究員の野田賀大が、委員会シンポジウム3 [ニューロモデュレーション委員会]産官学患連携によるニューロモデュレーション治療の普及推進に向けた取り組みを企画し、アカデミアの立場から「TMS療法の普及拡大に向けたアカデミアでの研究開発とその使命」についてトークしました。同シンポジウムでは、参議院議員の自見はなこ先生にもご参加いただき、応援のお言葉をいただきました。

【受賞】
同学会にて、大学院生の盛山宗太郎先生が、日本うつ病学会第18回学会奨励賞(医学分野)を受賞致しました。

(2023年6月)
【学会発表】
2023年6月22日~24日にかけてパシフィコ横浜ノースで開催された第119回日本精神神経学会学術総会にて、野田賀大、中島振一郎先生、和田真孝先生、三村悠先生が以下のシンポジウムおよび口演で発表を行いました。

(シンポジウム)
委員会シンポジウム15【rTMS療法の普及に向けた課題】にて、主任研究員の野田賀大が「うつ病に対するrTMS保険診療の実施状況に関するアンケート調査」「TMS療法関連データベース・レジストリ構築に関する研究での取り組み」に関する報告を行いました。指定発言では当教室名誉教授の三村將先生および厚生労働省保険局医療課の中田勝己先生からTMS分野における前向きかつ建設的なご意見を賜りました。

シンポジウム10【精神科の疾患と認知症との病態的関連性Update】にて、三村悠先生が「神経発達症と認知症の関係―主に臨床観察からの考察―」について発表し、中島振一郎先生は「統合失調症における加齢とは」について発表しました。

シンポジウム43【うつ病へのrTMS治療の今後の発展への取り組み】にて、主任研究員の野田賀大が「世界最先端のTMS治療プロトコル(反復QPS法)の開発に向けた特定臨床研究の取り組み」について発表しました。

シンポジウム65【産・官・学連携による日本におけるTMS療法の普及と拡大に向けて】にて、主任研究員の野田賀大が「日本における治療抵抗性うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激療法と抗うつ薬治療の比較による費用対効果分析」について発表しました。指定発言では自由民主党の田村憲久先生からTMS療法に関する保険点数の見直しおよび実施施設基準をはじめとした保険算定要件の緩和に向けた前向きな踏み込んだ温かいお言葉を賜りました。

シンポジウム76【精神疾患レジストリの現況報告】にて、主任研究員の野田賀大が「TMSデータベース解析によるうつ病患者の層別化と治療反応予測に向けたTMS療法関連レジストリの構築」についての現状報告を行いました。TMSレジストリにも関連するコメントとして、シンポジストの松山先生より”The Trial-Ready Cohort”の重要性についてアドバイスを受けました。

シンポジウム40【睡眠からみたAYA世代における精神障害とその予防】にて、和田真孝先生が「神経発達症における睡眠障害の特徴と治療」について発表しました。

シンポジウム87【精神科診療におけるPrecisionについて】にて、中島振一郎先生が「神経画像を用いたprecision medicine」について発表しました。

一般演題(口演)8【ECT・TMS・ニューロモデュレーション(2)】にて、和田真孝先生が「治療抵抗性うつ病への両側シータ―バースト刺激療法の両側rTMS療法に対する無作為化非劣性臨床試験の中間解析」について発表しました。

(2023年5月)
【学会発表】
2023年5月7日~10日にカナダ・モントリオールで開催された第34回CINP World Congress Neuropsychopharmacologyに大学院生の盛山宗太郎先生、津川幸子先生、本多栞さんが参加し、以下のポスター発表を行いました。

Alterations of Glutamatergic Levels in the ACC in Patients with Treatment-Resistant Depression
◯Honda S, Noda Y, Wada M, Tobari Y, Mimura Y, Koike S, Mimura M, Nakajima S


Evaluation of GABA and Glx levels in the dorsal anterior cingulate cortex of patients with bipolar disorder employing 1H-MRS
○Moriyama S, Noda Y, Honda S, Saito K, Taniguchi K, Wada M, Mimura M, Nakajima S

Associations between structural covariance network and antipsychotic treatment response in schizophrenia
◯Tsugawa S, Plitman E, Wannan C, Zalesky A, Noda Y, Tarumi R, Honda S, Iwata Y, Ogyu K, Ueno F, Matsushita K, Uchida H, Mimura M, Chakravarty M, Graff A, Nakajima S

2023年5月11日〜15日にカナダ・トロントで開催されたThe 2023 Congress of the Schizophrenia International Research Society (SIRS)に大学院生の津川幸子先生、本多栞さんが参加し、以下のポスター発表を行いました。

Impaired time production and functional connectivity of the cortico-striatal motor pathway in patients with treatment-resistant schizophrenia.
◯Honda S, Noda Y, Tarumi R, Matsushita K, Tsugawa S, Ochi R, Mimura M, Fujii S, Nakajima S

Associations between structural covariance network and antipsychotic treatment response in schizophrenia
◯Tsugawa S, Plitman E, Wannan C, Zalesky A, Noda Y, Tarumi R, Honda S, Iwata Y, Ogyu K, Ueno F, Matsushita K, Uchida H, Mimura M, Chakravarty M, Graff A, Nakajima S

【受賞】
大学院4年の津川幸子先生、本多栞さん、大学院3年の盛山宗太郎先生がCINPにおいてStudent
Encouragement Awardを受賞しました。大学院4年の津川幸子先生がSIRSにおいてEarly Career Awardを受賞しました。

【論文】
主任研究員の野田賀大が、新宿・代々木こころのラボクリニック(北畑亮輔院長)とのコラボレーションで、「OCD患者に対するシータ―バースト刺激治療による可能性」についてケースシリーズとして論文にまとめました。“A Case Series of Continuous Theta Burst Stimulation Treatment for the Supplementary Motor Area Twice a Day in Patients with Obsessive-Compulsive Disorder: A Real World TMS Registry Study in Japan.” Noda Y*, Fujii K, Tokura F, Nakajima S, Kitahata R (2023). Journal of Personalized Medicine. In press

主任研究員の野田賀大が、本学リハビリテーション医学教室の增井綾乃さんと辻哲也教授とのコラボレーションで以下論文をまとめました。”Retrospective study on the trajectories of lower limb volume after outpatient-based complex decongestive therapy in postoperative gynecological cancer patients with lymphedema.” Masui A, Harada T, Noda Y, Soeda R, Kida H, Tsuji T (2023). Supportive Care in Cancer. 31(6):318.

(2023年4月)
臨床TMS研究会
4月8日土曜午後に第6回臨床TMS研究会をハイブリット(慶應義塾大学病院)で開催しました。約75名のTMS関係者が参加し、各施設におけるTMS療法実践のご発表からTMSレジストリの進捗報告まで闊達な議論が繰り広げられました。

【論文】
主任研究員の野田賀大がトロント大学CAMHポスドク時代に研究協力者として参画していたCARTBINDスタディのTMS-EEG解析結果がBiological Psychiatryにアクセプトされました。主な結果としては、iTBS治療反応者は治療後にTMS-EEGマーカーのN100振幅が低下し、N45振幅は高い値を示すことが明らかとなりました。また、ベースラインのN100振幅が大きい被験者ほどiTBS治療後のうつ症状改善の程度が大きいことが分かりました。”Identifying Neurophysiological Markers of Intermittent Theta-Burst Stimulation in Treatment-Resistant Depression using Transcranial Magnetic Stimulation-Electroencephalography.” Strafella R, Momi D, Zomorrodi R, Lissemore J, Noda Y, Chen R, Rajji TK, Griffiths JD, Vila-Rodriguez F, Downar J, Daskalakis ZJ, Blumberger DM, Voineskos D (2023). Biological Psychiatry. In press.

横浜市立大学大学院医学研究科生理学教室(永露毅先生、宮崎智之先生、高橋琢哉先生ら)との共同研究で、てんかん患者におけるAMPA-PET撮像によるグルタミン酸AMPA受容体の動態をEEGとの関連から精査検証した研究が、Cell reports. Medicineにアクセプトされました。”Dynamics of AMPA receptors regulate epileptogenesis in patients with epilepsy.” Eiro T, Miyazaki T, Hatano M, Nakajima W, Arisawa T, Takada Y, Kimura K, Sano A, Nakano K, Mihara T, Takayama Y, Ikegaya N, Iwasaki M, Hishimoto A, Noda Y, Miyazaki T, Uchida H, Tani H, Nagai N, Koizumi T, Nakajima S, Mimura M, Matsuda N, Kanai K, Takahashi K, Ito H, Hirano Y, Kimura Y, Matsumoto R, Ikeda A, Takahashi T (2023). Cell reports. Medicine. In press.

(2023年3月)
MTRラボ所属の以下の大学院生が無事卒業いたしました。おめでとうございます!
修士課程:松下佳鈴さん・谷口敬太君、博士課程:尾久守侑君、新井脩泰君、和田真孝君がそれぞれ修士号、博士号を取得されました。

【教室研究会】
3月16日に教室研究会としてトロント大学精神科教授のDaniel Blumberger先生とSimone Vigod先生に慶應信濃町にお越しいただき、Blumberger先生には「高齢期うつ病に対するTMS治療研究」、Vigod先生には「周産期うつ病に対するtDCS治療研究」についてご講演いただきました。

(2023年2月)
【学会発表】
2023年2月20日~22日にポルトガル・リスボンで開催された第5回International Brain Stimulation Conferenceに参加し、大学院生の和田真孝先生、三村悠先生、高野万由子さん、訪問研究員(東京大学大学院総合文化研究科助教)の金子直嗣さんが以下のポスター発表を行いました。

Reduced signal propagation from the left dorsolateral prefrontal cortex to the salience network associated with oligodendrocyte abnormalities in treatment-resistant depression
〇Wada M, Nakajima S, Honda S, Takano M, Taniguchi K, Tsugawa S, Mimura Y, Hattori N, Koike S, Zomorrodi R, Blumberger DM, Daskalakis ZJ, Mimura M, Noda Y

Decreased cholinergic function of the dorsolateral prefrontal cortex in amnestic mild cognitive impairment assessed by short-latency afferent inhibition paradigm with TMS-EEG
〇Mimura Y, Tobari Y, Takano M, Wada M, Honda S, Bun S, Tabuchi H, Nakajima S, Mimura M, Noda Y

Neurophysiological evaluation of single-pulse TMS-EEG in the left dorsolateral prefrontal cortex in healthy subjects by comparing active and sham stimulation coils
〇Takano M, Wada M, Taniguchi K, Homma S, Ueda R, Mimura Y, Nakajima S, Mimura M, Noda Y

Impaired neuroplasticity in the dorsolateral prefrontal cortex of patients with treatment-resistant depression indexed by paired associative stimulation paradigm and a combined TMS-EEG measurement
〇Kaneko N, Wada M, Takano M, Taniguchi K, Honda S, Nakajima S, Mimura M, Noda Y

【学会活動】
2023年2月5日にコングレスクエア日本橋にて開催された日本精神神経学会ECT・rTMS等検討委員会主催の「第8回反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)講習会」に主任研究員の野田賀大がTMS療法の専門家講師として招聘され、現地で登壇し、「rTMSの概念と臨床エビデンス」について講演しました。同講習会では大学院生の盛山宗太郎先生がTMS療法に関する症例報告を行いました。
 
【論文】
昭和大学発達障害医療研究所の青木悠太先生とのコラボレーションで「COVID-19パンデミックが自閉症や神経発達障害を持つ若者のメンタルヘルスとサービス利用に与える影響についての国際共同研究」を行い、その成果がMolecular Autism誌に無事アクセプトされました。”CRISIS AFAR: an international collaborative study of the impact of the COVID-19 pandemic on mental health and service access in youth with autism and neurodevelopmental conditions.” Vibert B, Segura P, Gallagher L, Georgiades S, Pervanidou P, Thurm A, Alexander L, Anagnostou E, Aoki Y, Birken CS, Bishop SL, Boi J, Bravaccio C, Brentani H, Canevini P, Carta A, Charach A, Costantino A, Cost KT, Cravo EA, Crosbie J, Davico C, Donno F, Fujino J, Gabellone A, Geyer CT, Hirota T, Kanne S, Kawashima M, Kelley E, Kim H, Kim YS, Kim SH, Korczak DJ, Lai M-C, Margari L, Marzulli L, Masi G, Mazzone L, McGrath J, Monga S, Morosini P, Nakajima S, Narzisi A, Nicolson R, Nikolaidis A, Noda Y, Nowell K, Polizzi M, Portolese J, Riccio MP, Saito M, Schwartz I, Simhal AK, Siracusano M, Sotgiu S, Stroud J, Sumiya F, Tachibana Y, Takahashi N, Takahashi R, Tamon H, Tancredi R, Vitiello B, Zuddas A, Leventhal B, Merikangas K, Milham MP, Martino AD (2023). Molecular Autism. 14(1):7.

(2023年1月)
【学会発表】
2023年1月28日に山口市にて開催された第62回日本定位・機能神経外科学会に主任研究員の野田賀大が招待され、「機能神経外科の多様性:ジストニア・精神関連疾患への応用」と題するシンポジウムのシンポジストとして、「うつ病に対する経頭蓋磁気刺激療法」についてトークしました。

【論文】
主任研究員の野田賀大が、新宿・代々木こころのラボクリニック(北畑亮輔院長)とのコラボレーションで、「ASD患者における抑うつ症状に対するシータ―バースト刺激によるTMS治療の可能性」についてケースシリーズとして論文にまとめました。”A Case Series of Theta Burst Stimulation Therapy for Depressive Symptoms in Individuals with Autistic Spectrum Disorder: Real World TMS Study in the Tokyo Metropolitan Area.” Noda Y*, Fujii K; Mimura Y, Taniguchi K, Nakajima S, Kitahata R (2023). Journal of Personalized Medicine. 13(1):145.

大学院生の尾久守侑先生の学位論文「治療抵抗性統合失調症におけるASSRガンマパワーの低下」がSchizophrenia Researchにアクセプトされました。”Decrease in Gamma-band Auditory Steady-State Response in Patients with Treatment-resistant Schizophrenia.” Ogyu K, Matsushita K, Honda S, Wada M, Tamura S, Takenouchi K, Tobari Y, Kusudo K, Kato H, Koizumi T, Arai N, Koreki A, Matsui M, Uchida H, Fujii S, Onaya M, Hirano Y, Mimura M, Nakajima S*, Noda Y* (2023). Schizophrenia Research. 252:129-137.

大学院3年の本多栞さんが統合失調症の治療反応性と音楽リズム知覚の関係についてまとめた論文がSchizophrenia Researchにアクセプトされました。”Music rhythm perception and production relate to treatment response in schizophrenia.” Honda S, Matsushita K, Noda Y*, Tarumi R, Nomiyama N, Tsugawa S, Nakajima S*, Mimura M, Fujii S* (2023). Schizophrenia Research. 252:69-76.

主任研究員の野田賀大が、東京横浜TMSクリニック(大澤亮太院長)と新宿・代々木こころのラボクリニック(北畑亮輔院長)とのコラボレーションで、「コロナ後遺症に対する新規TMS療法の有用性」についてパイロット・ケースシリーズとして論文にまとめました。実行機能をはじめとしたbrain fogに対する効果についてまとめた論文はPCNのLetter to the Editorに”A pilot study on the effect of transcranial magnetic stimulation treatment on cognitive dysfunction associated with long-COVID.” Noda Y*, Sato A, Fujii K, Nagano Y, Iwasa M, Hirahata K, Kitahata R, Osawa R (2023). Psychiatry and Clinical Neurosciences. In press.として掲載され、コロナ後遺症に伴う、抑うつ症状や慢性疲労感も含めた論文はAsian Journal of Psychiatryに”Real world research on transcranial magnetic stimulation treatment strategies for neuropsychiatric symptoms with long-COVID in Japan.” Noda Y*, Sato A, Shichi M, Sato A, Fujii K, Iwasa M, Nagano Y, Kitahata R, Osawa R (2023). Asian Journal of Psychiatry. 81:103438.として掲載されました。

(2022年12月)
【論文】
慶應大学病院の外科チームとのコラボレーションで、大学院4年の新井脩泰先生が「術後せん妄と術前脳波による聴覚賦活刺激反応(ASSR)との関係」について解析し、その結果、術前のベースラインEEGガンマ活動が非せん妄群では40Hz-ASSRの位相同期性指標PLFと負の相関を示した一方で、せん妄群ではそのような関係性が見られませんでした。本研究では、音刺激前後のEEG反応の差異がせん妄群と非せん妄群を区別する神経生理指標の一つになりうる可能性を示しました。“The association between electroencephalography with auditory steady-state response and postoperative delirium.” Arai N, Miyazaki T, Nakajima S, Okamoto S, Sotaro M, Niinomi K, Takayama K, Kato J, Nakamura I, Hirano Y, Kitago M, Kitagawa Y, Takahashi T, Shimizu H, Mimura M, Noda Y*. Journal of Personalized Medicine. 2022. 13(1):35.

【プレプリント】
主任研究員の野田賀大が、帝人ファーマとの共同研究で本邦の保険診療下における薬物治療抵抗性うつ病に対するrTMS療法の費用対効果に関して薬物療法を対照に分析し、rTMS療法の方が医療経済的であるという結果を示しました。”Cost-effectiveness analysis comparing repetitive transcranial magnetic stimulation therapy with antidepressant treatment in patients with treatment-resistant depression in Japan.” Noda Y*, Miyashita C, Komatsu Y, Kito S, Mimura M. medRxiv.

(2022年11月)
【学会発表】
2022年11月24日~26日に京都にて開催された日本臨床神経生理学会(第52回学術大会)にてMRTラボから以下の発表を行いました。

(シンポジウム13 多様なツール・モダリティから迫る神経発達症の病態生理)
・TMS-EEG同時計測法を用いた自閉スペクトラム症の神経生理機能の解明
三村 悠

(一般演題:口演)
・治療抵抗性うつ病におけるTMS-EEG同時計測法による左背外側前頭前野から顕著性ネットワークへの信号伝播の低下およびオリゴデンドロサイトの発現低下
和田 真孝、中島 振一郎、本多 栞、高野 万由子、谷口 敬太、津川 幸子、三村 悠、服部 菜々穂、小池 進介、三村 將、野田 賀大

・自閉スペクトラム症の背外側前頭前野における経頭蓋磁気刺激誘発脳波を用いた皮質興奮性の評価
三村 悠、高野 万由子、和田 真孝、本多 栞、谷口 敬太、戸張 維、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・治療抵抗性統合失調症における40Hz聴性刺激誘発脳波の検討
尾久 守侑、松下 佳鈴、本多 栞、和田 真孝、田村 俊介、竹ノ内 一雅、戸張 維、楠戸 恵介、加藤 英生、小泉 輝樹、新井 脩泰、是木 明宏、松井 三枝、内田 裕之、藤井 進也、女屋 光基、平野 羊嗣、三村 將、中島 振一郎、野田 賀大

・統合失調症の全脳及び局所脳血流と治療反応性の関連の検討
本多 栞、尾久 守侑、野田 賀大、松下 佳鈴、戸張 維、楠戸 恵介、加藤 英生、小泉 輝樹、内田 裕之、藤井 進也、三村 將、中島 振一郎

・背外側前頭前野における単発TMS誘発脳波の実刺激および偽刺激コイル条件の比較による評価
高野 万由子、和田 真孝、本多 栞、谷口 敬太、三村 悠、戸張 維、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・経頭蓋磁気刺激-脳波同時計測を用いた連合性ペア刺激パラダイムによる治療抵抗性うつ病患者における神経可塑性の評価
金子 直嗣、和田 真孝、高野 万由子、谷口 敬太、本多 栞、中島 振一郎、 三村 將、野田賀大

・術前の聴覚賦活刺激反応脳波と術後せん妄の関連性についての生理学的検討
新井 脩泰、宮崎 貴浩、中島 振一郎、岡本 峻、盛山 宗太郎、新家 寛太、高山 公輔、加藤 純悟、中村 一太、平野 羊嗣、北郷 実、北川 雄光、高橋 辰郎、志水 秀行、三村 將、野田 賀大

・短期音刺激に対する神経処理と誘導される神経可塑性のシステマティックレビュー
小林 香音、司馬 康、本多 栞、中島 振一郎、藤井 進也、三村 將、野田 賀大

・双極性障害、統合失調症、健常者の安静脳波マイクロステート解析による神経共通基盤の予備的研究
谷口 敬太、高野 万由子、金子 直嗣、盛山 宗太郎、垂水 良介、和田 真孝、本多 栞、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

(一般演題:ポスター発表)
・うつ病および双極性障害における40Hz聴覚賦活刺激反応脳波に関する予備的横断比較研究
白木 瑛美、和田 真孝、高野 万由子、盛山 宗太郎、谷口 敬太、戸張 維、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・シングルパルス TMS による TMS 刺激前後の脳波活動の関係から見た治療抵抗性うつ病バイオマーカーの探索
阪上 絢人、和田 真孝、高野 万由子、谷口 敬太、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・統合失調症患者における心拍誘発電位の異常
是木 明宏、尾久 守侑、宮崎 貴浩、竹ノ内 一雅、松下 佳鈴、本多 栞、小泉 輝樹、女屋 光基、内田 裕之、三村 將、中島 振一郎、野田 賀大

・双極性障害群におけるdACCの興奮抑制バランスの異常
盛山 宗太郎、本多 栞、齊藤 圭祐、野田 賀大、谷口 敬太、和田 真孝、三村 將、中島 振一郎

2022年11月4日~6日に東京にて開催されたBPCNPNPPP4学会合同年会にてMRTラボから以下の発表を行いました。
(スポンサードシンポジウム1)
「精神疾患治療におけるTMS(経頭蓋磁気刺激)療法のこれからを考える
~基礎(研究)から臨床まで~」
・治療抵抗性うつ病に対する新規 TMS 療法の開発とその治療メカニズムの解明
野田賀大

(一般演題:ポスター発表)
・健常者における実刺激および偽刺激コイルを用いたTMS-EEG同時計測法による左背外側前頭前野の短潜時皮質内抑制および皮質内促進効果の検証
高野 万由子、和田 真孝、谷口 敬太、本間 咲希、植田 理紗子、三村 悠、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・健忘型軽度認知障害の背外側前頭前野におけるコリン作動性神経生理機能の低下:短潜時求心性抑制に関する経頭蓋磁気刺激誘発脳波による評価
三村 悠、戸張 維、高野 万由子、和田 真孝、本多 栞、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・治療抵抗性うつ病の左背外側前頭前野に対するTMS-EEG同時計測法による 皮質内促通機能の低下とそのグルタミン酸関連遺伝子の発現低下の寄与
和田 真孝、中島 振一郎、本多 栞、髙野 万由子、谷口 敬太、津川 幸子、三村 悠、三村將、野田 賀大

・治療抵抗性うつ病患者に対するrTMSの治療効果をfMRI指標で評価した研究に関するシステマティックレビュー
熊谷 太佑、関根 健、八巻 遼、露木 俊介、高山 耕佑、新家 寛太、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・双極性障害における1H-MRSで計測したグルタミン酸濃度に関するメタアナリシス
本多 栞、稲生 宏泰、山田 昴平、堀田 信之、津川 幸子、吉田 和成、野田 賀大、ジェフェリー・マイヤー、三村 將、中島 振一郎、森口 翔

・双極性障害患者と健常者におけるプロトンMRスペクトロスコピー計測による背側前帯状皮質dACCにおけるGABAとGlx濃度の比較 盛山 宗太郎、本多 栞、齊藤 圭祐、野田 賀大、谷口 敬太、和田 真孝、三村 將、中島 振一郎

・治療抵抗性統合失調症患者の線条体におけるニューロメラニンの蓄積:横断的MRIパイロット研究
垂水 良介、上野 文彦、中島 振一郎、岩田 祐輔、本多 栞、越智 涼、ギレルモ ホルガ、クリフォード キャシディ、津川 幸子、野田 賀大、アリエル グラフ‐ゲレッロ

・統合失調症・双極性障害及び大うつ病患者のニューロメラニンの比較検討
本多 栞、野田 賀大、和田 真孝、垂水 良介、盛山 宗太郎、三村 悠、戸張 維、小池 進介、三村 將、中島 振一郎

・術後せん妄の予測因子の同定に向けた血液メタボロミクス解析研究
新井 脩泰、杉浦 悠毅、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・治療抵抗性統合失調症の中帯状回GABA濃度とクロザピン反応の関連性
本多 栞、上野 文彦、中島 振一郎、岩田 祐輔、津川 幸子、野田 賀大、三村 將、アリエル グラフ‐ゲレッロ

・安静脳波マイクロステート解析による双極性障害、統合失調症、健常者の神経生理学的プロファイルの検討
谷口 敬太、高野 万由子、金子 直嗣、盛山 宗太郎、垂水 良介、和田 真孝、本多 栞、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・単発磁気刺激をプローブとした治療抵抗性うつ病のTMS誘発脳波バイオマーカーの同定
阪上 絢人、和田 真孝、高野 万由子、谷口 敬太、三村 悠、中島 振一郎、三村 將、野田 賀大

・治療抵抗性統合失調症におけるstructural covariance networkの変化
津川 幸子、エリック プリットマン、カサンドラ ワナン、アンドリュー ザレスキー、野田 賀大、垂水 良介、本多 栞、岩田 祐輔、尾久 守侑、上野 文彦、松下 佳鈴、内田 裕之、
三村 將、マラー チャクラバーティ、アリエル グラフ・ゲレーロ、中島 振一郎

・治療抵抗性統合失調症患者における音楽リズム処理能力と小脳subregionの関係性
松下 佳鈴、本多 栞、野田 賀大、垂水 良介、藤井 進也、三村 將、中島 振一郎

【受賞】
大学院4年の和田真孝先生が、BPCNPNPPP4学会合同年会で開催された若手研究者育成プログラムにて、「rTMS療法への反応性に基づく治療抵抗性うつ病の層別化とTMS-EEG同時計測法を用いた病態解明」の研究課題で第2回若手精神科医生物学的精神医学研究奨励賞を受賞しました。

大学院3年の本多栞さんが、BPCNPNPPP4学会合同学会の一般演題において、「治療抵抗性統合失調症の中帯状回GABA濃度とクロザピン反応の関連性」の研究課題で優秀演題発表賞を受賞しました。

(2022年10月)
【論文】
昭和大学精神医学講座の真田建史先生らとのコラボレーションで「うつ病患者の治療経過と腸内細菌叢の構成の関係に年齢層による差異」を検討し、以下の論文を報告いたしました。後期高齢者のうつ病患者では中年層のうつ病患者と比べ、腸内細菌叢の多様性が高く、そのことが消化器症状に関連している可能性が示唆されました。“The potential impact of age on gut microbiota in patients with major depressive disorders: a secondary analysis of the prospective observational study.” Miyaho K, Sanada K*, Kurokawa S, Tanaka A, Tachibana T, Ishii C, Noda Y, Nakajima S, Fukuda S, Mimura M, Kishimoto T, Iwanami A. Journal of Personalized Medicine. Journal of Personalized Medicine. 2022. 12(11):1827.

主任研究員の野田賀大が東京横浜TMSクリニックの井川春樹先生らとのコラボレーションでOCD症例に対するdeep TMSケースシリーズをまとめ、その有用性について検討しました。”A Case Series of Deep Transcranial Magnetic Stimulation Treatment for Patients with Obsessive-Compulsive Disorder in the Tokyo Metropolitan Area.” Ikawa H, Osawa R, Sato A, Mizuno H, Noda Y* (2022). Journal of Clinical Medicine. 2022. 11(20):6133.

都立松沢病院の稲生宏泰先生と大学院生の本多栞さんが中心となって、双極性障害における脳MRSグルタミン酸濃度に関するメタ解析研究を行いました。”Glutamatergic Neurometabolite Levels in Bipolar Disorder: A Systematic Review and Meta-analysis of Proton Magnetic Resonance Spectroscopy Studies.” Ino H#, Honda S#, Yamada K, Horita N, Tsugawa S, Yoshida K, Noda Y, Meyer JH, Mimura M, Nakajima S*, Moriguchi S. Biological Psychiatry: Cognitive Neuroscience and Neuroimaging. 2022. In press.

大学院生の高野万由子さんが、左背外側前頭前野に対するシングルパルスTMSが引き起こす脳波誘発反応について、特殊なシャムコイルによる刺激を対照条件にすることで、パワー・時間周波数・位相の観点からセンサーおよびソースレベルの側面から精緻に実証しました。“Investigation of Spatiotemporal Profiles of Single-Pulse TMS-Evoked Potentials with Active Stimulation Compared with a Novel Sham Condition.” Takano M, Wada M, Zomorrodi R, Taniguchi K, Li X, Honda S, Tobari Y, Mimura Y, Nakajima S, Kitahata R, Mimura M, Daskalakis ZJ, Blumberger DM, Noda Y*. Biosensors. 2022. 12(10):814.

主任研究員の野田賀大がASDの病態基盤形成に関する以下のエディトリアルを執筆しました。”A Paradigm Shift in Understanding the Pathological Basis of Autism Spectrum Disorder: From the Womb to the Tomb.” Noda Y*. Journal of Personalized Medicine. 2022. 12(10):1622.

九州大学大学院医学研究院精神病態医学の北島和俊先生らとのコラボレーションで以下論文を執筆しました。”Decreased cortical gyrification and surface area in the left medial parietal cortex in patients with treatment-resistant and ultratreatment-resistant schizophrenia.” Kitajima K, Tamura S, Sasabayashi D, Nakajima S, Iwata Y, Takai Y, Takahashi J, Plitman E, Caravaggio F, Kim J, Shah P, Mar W, Noda Y, Gerretsen P, Mimura, Nakao T, Onitsuka T, Graff-Guerrero A, Hirano Y. Psychiatry and Clinical Neurosci. 2023. 77(1):2-11.

【メディア】
主任研究員の野田賀大がNewspicksから『【ルポ】増殖する「発達障害ビジネス」を徹底調査』に関する取材を受け、ネット記事に取り上げられまた。

(2022年9月)
【研究会】
2022年9月24日に第5回臨床TMS研究会をオンライン開催致しました。全国から60名以上のTMS関係者が参加し、各施設での実施状況のご説明やその後の活発な議論もあり、盛況でした。TMSデータベースレジストリ・プロジェクトについても徐々に認知されるようになってきました。今後のさらなる発展を期待したいところです。

【論文】
昭和大学発達障害医療研究所の青木悠太先生とのコラボレーションで以下論文を報告しました。同研究では、ASD者の感覚を求める行動や儀式的行為に代表される限定された反復的な行動様式がパンデミック時のマスク着用や社会的コミュニケーションに与える影響についてアンケート調査を用いて検討した。その結果、ASD者のパンデミック前における限定された反復的な行動様式が、パンデミック中のマスク着用や社会的コミュニケーションにおける困難さの重要な予測因子となり得ることを示しました。”Autistic children and adolescents with frequent restricted interest and repetitive behavior showed more difficulty in social cognition during mask-wearing during the COVID-19 pandemic: a multisite survey.
Tamon H, Itahashi T, Yamaguchi S, Tachibana Y, Fujino J, Igarashi M, Kawashima M, Takahashi R, Shinohara NA, Noda Y, Nakajima S, Hirota T, Aoki YY. BMC Psychiatry. 22(1):608.

(2022年8月)
【論文】
トロント大学精神科Centre for Addiction and Mental Healthに留学中の上野文彦先生が慶應精神科MTRラボを含む国際共同研究で、クロザピン抵抗性統合失調症患者では、クロザピン反応性統合失調症患者と比べ、MCCにおけるGABA濃度が有意に上昇していることを世界で初めて報告しました。“GABA Levels in the Midcingulate Cortex and Clozapine Response in Patients with Treatment-Resistant Schizophrenia: A 1H-MRS Study.” Ueno F, Nakajima S, Iwata Y, Honda S, Torres-Carmona E, Mar W, Tsugawa S, Truong P, Plitman E, Noda Y, Mimura M, Sailasuta N, Mikkelsen M, Edden R, Luca V, Remington G, Gerretsen, P, Graff-Guerrero A. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 2022. doi: 10.1111/pcn.13463.

帝京大学医学部精神神経科学講座の井川春樹先生とのコラボレーションで主任研究員の野田賀大が治療抵抗性うつ病患者を対象にrTMS治療前後でのarterial spin labeling法による血流変化と治療効果との関係を評価しました。その結果、刺激部位である左DLPFCの血流変化はrTMS介入前後で特に変化せず、治療前の右DLPFC部位における脳血流量の低下がその後のrTMS介入による治療反応を予測するということを明らかにしました。“A preliminary study on predictors of treatment response to repetitive transcranial magnetic stimulation in patients with treatment-resistant depression in Japan.“ Ikawa H*, Tochigi M, Noda Y*, Oba H, Kaminaga T, Sakurai K, Ikebuchi E, Hayashi N, Kunugi H. Neuropsychopharmacology Reports. 2022. doi: 10.1002/npr2.12290.

トロント大学精神科附属Centre for Addiction and Mental HealthのBlumberger教授と共同で主任研究員の野田賀大が老年期うつ病を対象に連続両側rTMSと両側シータバースト刺激治療に関する無作為化非劣性試験を実施し、両側シータ―バースト刺激治療は標準的な連続両側rTMS治療に対して非劣性性を有することを示しました。また治療後4週目時点では両側シータ―バースト刺激の方が両側rTMSよりも有効性が高い可能性も示しました。“Effectiveness of Standard Sequential Bilateral rTMS Compared to Bilateral Theta Burst Stimulation in Depressed Older Adults (FOUR-D): A Randomized Non-Inferiority Trial.” Blumberger DM, Mulsant BH, Thorpe KE, McClintock SM, Konstantinou GN, Lee HH, Nestor SM, Noda Y, Rajji TK, Trevizol AP, Vila-Rodriguez F, Daskalakis ZJ, Downar J. JAMA Psych. 2022. e222862.

(2022年7月)
【論文】
大学院生の和田真孝先生が、治療抵抗性うつ病(TRD)患者の左前頭前野をターゲットとしたシングルパルスTMSが各神経ネットワークに与える影響を時間周波数解析で評価し、TRD群では健常群と比べ、TMSのサリエンスネットワーク(SN)に対する伝播が有意に低下していることを発見しました。さらにヴァーチャル細胞組織学的解析を援用することによって、TRD群におけるSNのTMSの伝播低下はオリゴデンドロサイトの発現低下と強く関連している可能性が見出されました。つまり、TRD群の同ネットワークにおける白質の髄鞘機能の低下がその病態に関与している可能性が示唆されました。この仕事はJournal of Psychiatry and Neuroscienceにアクセプトされました。”Reduced signal propagation elicited by frontal transcranial magnetic stimulation associated with oligodendrocyte abnormalities in treatment-resistant depression.” Wada M, Nakajima S*, Honda S, Takano M, Taniguchi K, Tsugawa S, Mimura Y, Hattori N, Koike S, Zomorrodi R, Blumberger DM, Daskalakis ZJ, Mimura M, Noda Y*. J Psychiatry Neurosci. 2022. 47(5):E325-E335.

【学会発表】
主任研究員の野田賀大が、2022年7月15日に大分市にて開催された第19回日本うつ病学会総会/第5回日本うつ病リワーク協会年次大会におけるうつ病のニューロモデュレーション-研究開発の動向と留意点-と題するニューロモデュレーション委員会企画シンポジウムにて、「rTMSの治療効果の改善を目指した臨床研究開発と研究体制構築」について発表いたしました。

(2022年6月)
【著書】
主任研究員の野田賀大が、これまでの約15年に亘るTMS療法の専門家としての経験や知見を踏まえ、「うつ病に対するTMS療法Up-to-date 自分らしい生き方を求めて」と題するTMSの専門書を中外医学社から上梓しました。

(2022年5月)
【論文】
主任研究員の野田賀大が「TMS療法関連データベース・レジストリ構築に関する研究」(jRCT1050210059:臨床TMS研究会・多施設共同研究)に関するプロトコル論文を執筆しました。今後はこのTMSレジストリをプラットフォームとしたリアルワールドベースのTMS療法観察研究が増えていくことを願っております。”TMS Database Registry Consortium Research Project in Japan (TReC-J) for Future Personalized Psychiatry.” Noda Y*, Kizaki J, Takahashi S, Masaru Mimura M. Journal of Personalized Medicine. 2022. 12(5):844.

(2022年3月)
【論文】
大学院生の和田真孝先生が、「治療抵抗性統合失調症における興奮抑制バランスと新規ニューロモデュレーション」に関する総論を執筆し、Molecular Psychiatryにアクセプトされました。MTRラボだけでなく、薬理グループおよび国内外の統合失調症研究者と共同で執筆しました。さらに、統合失調症の基礎研究の大御所のAnthony Grace先生にも基礎研究部分を監修していただきました。”Dopaminergic Dysfunction and Excitatory/Inhibitory Imbalance in Treatment-Resistant Schizophrenia and Novel Neuromodulatory Treatment.” Wada M, Noda Y, Iwata Y, Tsugawa S, Yoshida K, Tani H, Hirano Y, Koike S, Sasabayashi D, Katayama H, Plitman E, Ohi K, Ueno F, Caravaggio F, Koizumi T, Gerretsen P, Suzuki T, Uchida H, Müller DJ, Mimura M, Remington G, Grace A, Graff-Guerrero A, Nakajima S. Molecular Psychiatry. 2022. 27(7):2950-2967.

大学院生の谷口敬太君が、自然光や緑地などの外部自然環境が人々のメンタルヘルスに与える影響について、系統的にレビューしました。今現在COVID-19パンデミックで人々の自由な行動が制限されることによる弊害を再考致しました。“Influence of External Natural Environment Including Sunshine Exposure on Public Mental Health: A Systematic Review.
Taniguchi K, Takano M, Tobari Y, Hayano M, Nakajima S, Mimura M, Tsubota K, Noda Y*. Psychiatry International. 2022. 3(1) 91-113.

【研究会】
2022年3月5日に第4回臨床TMS研究会をオンライン開催いたしました。全国から多数のTMS関係者が集まり、実地医家の先生から大学病院の専門家、TMSを現場で実施しているコメディカルから企業関係者まで幅広い方々にご参加いただきました。回を重ねるごとに当研究会は盛り上がってきており、質疑応答でも忌憚のないご質問やご意見をいただけるようになってきました。当教室からは世話人代表の三村將教授と事務局世話人の野田賀大が登壇致しました。野田の方からは「TMSデータベース・レジストリについての進捗状況」について報告致しました。

(2022年2月)
【論文】
東京慈恵会医科大学精神医学教室の永田先生と品川先生とのコラボ―レーションでアルツハイマー病に対する薬物併用療法に関する総説を執筆しました。“Pharmacotherapeutic combinations for the treatment of Alzheimer's disease.” Nagata T, Shinagawa S, Nakajima S, Noda Y, Mimura M* (2022). IEOP-Expert Opinion on Pharmacotherapy. 2022. 23(6):727-737.

【研究会】
2022年2月26日に主任研究員の野田賀大が第7回磁気刺激研究会のウェビナーに登壇し、「患者と医者の双方にとって医療の質を高めるためのTMS療法とは?」と題するトークをしました。

(2022年1月)
【学会活動】
2022年1月16日に主任研究員の野田賀大が日本精神神経学会ECT・rTMS等検討委員会主催「第6回反復経頭蓋磁気刺激 (rTMS)講習会」の講師として出講いたしました。

(2021年12月)
【論文】
荒川コホートスタディの再解析研究として東京慈恵会医科大学精神医学教室との共同研究で、MRI脳画像から推定される脳年齢(Brain age)が、認知機能障害のない高齢者の生活満足度と関連することを示しました。”Neuroimaging-derived brain age is associated with life satisfaction in cognitively unimpaired elderly: A community-based study.” Sone D, Beheshti I, Shinagawa S, Niimura H, Kobayashi N, Kida H, Shikimoto R, Noda Y, Nakajima S, Bun S, Mimura M, Shigeta M. Translational Psychiatry. 2022. 12(1):25.

【学会発表】
2021年12月16日~17日に仙台にて開催された第51回日本臨床神経生理学会にて、MRTラボの学生が以下の発表を行いました。
【サテライトシンポジウム:第 32 回磁気刺激法の臨床応用と安全性に関する研究会】
・TMS-EEG 同時計測法による rTMS 療法の作用機序の解明
和田真孝、中島振一郎、三村將、野田賀大

【一般講演】
・治療抵抗性統合失調症の前頭部安静脳波のシータ及びガンマ活動異常とその病態生理への関与
李雪梅、高野万由子、垂水良介、中島振一郎、和田真孝、中西智也、 本多栞、谷口敬太、戸張維、三村將、野田賀大
・成人自閉スペクトラム症患者の背側前帯状回における GABA/Glx 濃度の上昇
本多栞、野田賀大、三村悠、和田真孝、中西智也、中原一帆、 津川幸子、小池進介、三村將、中島振一郎
・双極性障害における安静時ベータ・オシレーションの機能低下
谷口敬太、盛山宗太郎、高野万由子、中島振一郎、和田真孝、李雪梅、 中西智也、本多栞、戸張維、三村將、野田賀大
・術後せん妄の神経生理学的予測因子の同定に向けた定量脳波の予備的解析
新井脩泰、岡本峻、宮崎貴浩、盛山宗太郎、高橋辰郎、志水秀行、 中島振一郎、三村將、野田賀大
・健常者における実刺激および偽刺激コイルを用いた TMS-EEG 同時計測による背外側前頭前 野の長間隔皮質内抑制効果の検証
高野万由子、和田真孝、李雪梅、中西智也、本多栞、谷口敬太、 戸張維、中島振一郎、三村將、野田賀大
・自閉スペクトラム症における背外側前頭前野の興奮抑制バランスと臨床症状との関連性
三村悠、本多栞、高野万由子、和田真孝、中西智也、李雪梅、戸張維、 谷口敬太、中島振一郎、三村將、野田賀大
・治療抵抗性うつ病における TMS-EEG 同時計測法によるシータ・オシレーション機能の低下
和田真孝、中島振一郎、中西智也、李雪梅、本多栞、谷口敬太、 高野万由子、松下佳鈴、戸張維、盛山宗太郎、三村悠、新井脩泰、三村將、野田賀大
・治療抵抗性うつ病に対する TMS 療法の治療反応性と特異的脳構造との関係
盛山宗太郎、本多栞、中島振一郎、和田真孝、中西智也、谷口敬太、津川幸子、三村將、野田賀大
・気分障害患者の歩行時上肢パラメータと脳機能的結合性との関係
中西智也、横山光、本多栞、草深あやね、東香寿美、和田真孝、小林裕央、中島振一郎、三村將、中澤公孝、野田賀大

【メディア】
2021年9月10日に第10回日本精神科医学会学術大会(パシフィコ横浜)にて、主任研究員の野田賀大が和歌山県立医科大学神経精神医学教室・髙橋隼先生と対談した「特別企画:今後の日本のうつ病治療に求められるrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)療法~実臨床の経験も踏まえて~」がMedical Tribune誌に取り上げられました。

(2021年11月)
【論文】
主任研究員の野田賀大が2020年に特集号「Clinical Neurophysiology, Neuroimaging, and Neuromodulation of Neuropsychiatric Disorders」を企画し、計14本の素晴らしい論文を編纂することができました。今回は同特集号に関するまとめ記事としてEditorialを書きました。“Clinical Neurophysiology, Neuroimaging and Neuromodulation of Neuropsychiatric Disorders. Journal of Personalized Medicine.” Noda Y*. Journal of Personalized Medicine. 2021.11(11):1193.

(2021年10月)
【論文】
トロント大学、オタワ大学、コロンビア大学との共同研究で、統合失調症患者の中脳黒質においてドーパミン機能を反映するニューロメラニンのレベルが健常コントロール群と比べ、有意に高いことをシステマティック・レビューとメタ解析により示しました。“Neuromelanin Accumulation in patients with schizophrenia: A Systematic Review and Meta-Analysis.” Ueno F, Iwata Y, Nakajima S*, Caravaggio F, Rubio JM, Horga G, Cassidy CM, Torres-Carmona E, de Luca V, Tsugawa S, Honda S, Moriguchi S, Noda Y, Gerretsen P, Graff-Guerrero A*. Neuroscience and Biobehavioral Reviews. 2021. S0149-7634(21)00468-1.

大学院生の高野万由子さんが、Deymed社とBrainbox社とのコラボレーションで実施した特殊シャムコイルの性能実験に関する論文がJournal of Personalized Medicineにアクセプトされました。今後のTMS神経生理実験の精度と信頼度を高めるコントロール条件として重要なシャムコイルになるかと思います。”Development of an advanced sham coil for transcranial magnetic stimulation and examination of its specifications.” Takano M, Havlicek J, Phillips D, Nakajima S, Mimura M, Noda Y*. Journal of Personalized Medicine. 2021. 11(11):1058.

昭和大学発達障害医療研究所の板橋先生と青木先生とのコラボレーションで実施した統合失調症のMRI解析研究で、治療抵抗性統合失調症と治療反応性統合失調症は、それぞれ特定の脳部位の皮質厚に基づいて、健常者の脳と区別できることを示しました。治療抵抗性統合失調症と治療反応性統合失調症の神経基盤には共通点がある一方で、治療抵抗性統合失調症には皮質厚に関して独特な特徴があることが明らかになりました。”Dimensional distribution of cortical abnormality across antipsychotics treatment-resistant and responsive schizophrenia.” Itahashi T, Noda Y, Iwata Y, Tarumi R, Tsugawa S, Plitman E, Honda S, Caravaggio F, Kim J, Matsushita K, Gerretsen P, Uchida H, Remington G, Mimura M, Aoki YY*, Graff-Guerrero A*, Nakajima S*. NeuroImage: Clinical. 2021. 32:102852.

【学会発表】
当科主任の三村將教授と主任研究員の野田が10月31日Web開催の第3回臨床TMS研究会に登壇しました。全国から多くのTMS関係者が参加し、盛況のうちに終わりました。

主任研究員の野田が10月24日にWeb開催されました、第29回日本精神科救急学会学術総会のモーニングセミナーにて「うつ病に対する経頭蓋磁気刺激療法の現在」についてトークしました。

(2021年9月)
【論文】
大学院生の新井脩泰先生が、意識障害患者に対するTMS-EEG研究に関するシステマティック・レビューを行い、Neuroscience and Biobehavioral Reviewsにアクセプトされました。
Insights of neurophysiology on unconscious state using combined transcranial magnetic stimulation and electroencephalography: A systematic review.” Arai N, Nakanishi T, Nakajima S*, Li X, Wada M, Daskalakis ZJ, Goodman MS, Blumberger DM, Mimura M, Noda Y* Neuroscience and Biobehavioral Reviews. 2021. 131:293-312.

主任研究員の野田がトロント大学留学中に参画していたCARTBINDスタディの結果がBrain Stimulationにアクセプトされました。”A Randomized Sham Controlled Comparison of Once vs Twice-daily Intermittent Theta Burst Stimulation in Depression: A Canadian rTMS Treatment and Biomarker Network in Depression (CARTBIND) Study.” Blumberger DM, Vila-Rodriguez F, Wang W, Knyahnytska K, Butterfield M, Noda Y, Yariv S, Isserles M, Voineskos D, Ainsworth NJ, Kennedy SH, Lam RW, Daskalakis ZJ*, Downar J*. Brain Stimulation. 2021. 14(6):1447-1455.

【学会発表】
主任研究員の野田賀大が、9月19日に国立京都国際会館で開催された第117回日本精神神経学会学術総会にて、委員会シンポジウム:患者レジストリを基軸としたrTMS療法の適正使用と全国展開をテーマに「オールジャパンTMSデータベース・レジストリ構築に向けた取り組み」についてトークしました。また、シンポジウム:rTMSの生物学的基盤をテーマに「うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法の生物学的治療メカニズムの解明に向けて」に関するトークを行いました。9月20日には同学会の教育講演にて「精神科の診断および治療の質の向上を目指した経頭蓋磁気刺激の臨床応用」に関するレクチャーを行いました。

主任研究員の野田賀大が、9月10日に横浜パシフィコ開催の第10回日本精神科医学会学術大会にて、「今後の日本のうつ病治療に求められるrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)療法‐実臨床の経験も踏まえて‐」と題するトークを行いました。

【メディア】
主任研究員の野田と大学院生の高野万由子さん、李雪梅さん、本学眼科学教室の早野元嗣先生、坪田一男前教授らと一緒に実施した研究「ガンマ周波数帯のバイオレット光視覚刺激で認知機能に関わるヒト脳波を特異的に変化させることに世界で初めて成功-浴びる機会が減ったバイオレット光の効用-」が、本学医学部よりプレスリリースされました。

主任研究員の野田がMedical DOC医療アドバイザーから取材を受け、9月1日に「【医師に聞く】薬に頼らないうつ病の治療法!? 「rTMS療法」について詳しく教えて!」といったテーマでYahoo! Japanニュースに取り上げられました。

(2021年8月)
【論文】
自主学習生からラボメンバーになった医学部5年の中原知美さんと大学院生の津川幸子先生が中心となってまとめた、統合失調症患者に対するMRS計測によるグルタミン酸とGABA濃度の包括的メタ解析論文がMolecular Psychiatryにアクセプトされました。統合失調症では脳内のグルタミン酸濃度の上昇とGABA濃度の低下が示され、これらが同疾患の病態生理基盤である興奮抑制バランスの不均衡に寄与している可能性を明らかにしました。“Glutamatergic and GABAergic Metabolite Levels in Schizophrenia-Spectrum Disorders: A Meta-analysis of 1H-Magnetic Resonance Spectroscopy Studies.” Nakahara T§, Tsugawa S§*, Noda Y*, Ueno F, Honda S, Kinjo M, Segawa H, Hondo N, Mori Y, Watanabe H, Nakahara K, Yoshida K, Wada M, Tarumi R, Iwata Y, Plitman E, Moriguchi S, de la Fuente-Sandoval C, Uchida H, Mimura M, Graff A, Nakajima S*. Molecular Psychiatry. 2021. doi: 10.1038/s41380-021-01297-6.

(2021年7月)
【論文】
新村先生が取り纏めされている荒川高齢者コホート研究に関するコラボレーション論文がパブリッシュされました。今回は色本先生がレジリエンスと脳皮質厚との関係についてまとめてくださいました。結果としては、高齢健常者のレジリエンスの高さは、左後帯状皮質及び左側頭極の皮質厚と関連しており、情緒的安定性に寄与する神経基盤に依存している可能性が示唆されました。”Association between resilience and cortical thickness in the posterior cingulate cortex and the temporal pole in Japanese older people: A population-based cross-sectional study.” Shikimoto R, Noda Y*, Kida H, Nakajima S, Tsugawa S, Mimura Y, Ochi R, Takayama M, Niimura H, Mimura M. Journal of Psychiatric Research. 2021. 142:89-100.

【学会発表】
2021年7月14日~16日に国立京都国際会館で開催された第43回日本生物学的精神医学会にてMTRラボメンバーから以下の発表を行いました。
(ポスター発表)
・経頭蓋磁気刺激法を用いた非アルツハイマー型認知症における神経生理指標:システマティックレビューとメタ解析(大学院博士課程2年:三村悠先生)
・成人自閉症スペクトラム障害の前帯状回における GABA 及び Glx 濃度の増加(大学院博士課程2年:本多栞さん)
・術後せん妄の予測因子の同定に向けた血液メタボロミクス解析研究:予備的解析(大学院博士課程3年:新井脩泰先生)
(口演発表)
・統合失調症スペクトラム障害におけるグルタミン酸および GABA の代謝レベル:1H-Magnetic Resonance Spectroscopy 研究のメタアナリシス(医学部5年:中原知美さん)
・治療抵抗性うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激療法による背外側前頭前野 - 扁桃体間の機能的結合性の改善(大学院博士課程3年:和田真孝先生)
(シンポジウム発表)
「精神疾患治療におけるニューロモジュレーションの現状と開発の動向」
・うつ病の神経基盤を標的としたrTMSニューロモジュレーションのこれまでとこれから(主任研究員:野田賀大)
・治療抵抗性統合失調症の1H-MRS研究(主任研究員:中島振一郎)

【学会発表・受賞】
2021年7月9日にパシフィコ横浜にて開催された第18回日本うつ病学会総会にて、大学院生の和田真孝先生が「治療抵抗性うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激療法による左背外側前頭前野-右扁桃体間の機能的結合性の改善」という演題で学会奨励賞を受賞されました。

(2021年6月)
【論文】
眼科・坪田ラボと共同研究で、40Hzバイオレット光刺激がヒト脳波に与える影響について調べ、バイオレット光では、白色光と比べ、steady-state visual-evoked potentialにおけるアルファ位相-ガンマ振幅カップリングの増強が左前頭前野において認められました。バイオレット光刺激がヒト脳波をニューロモデュレートする可能性を世界で初めて示した報告になります。”Photobiological Neuromodulation of Resting-State EEG and Steady-State Visual-Evoked Potentials by 40 Hz Violet Light Optical Stimulation in Healthy Individuals.” Noda Y*, Takano M, Hayano M, Li X, Wada M, Nakajima S, Mimura M, Kondo S, Tsubota K. Journal of Personalized Medicine. 2021. 11(6):557.

(2021年5月)
【論文】
大学院生の李雪梅さんが、統合失調症に対するTMS-EEG研究に関するシステマティック・レビューを行い、Journal of Personalized Medicineにアクセプトされました。”TMS-EEG research to elucidate the pathophysiological neural bases in patients with schizophrenia: a systematic review.” Li X, Honda S, Nakajima S*, Wada M, Yoshida K, Daskalakis ZJ, Mimura M, Noda Y*. Journal of Personalized Medicine. 2021. 11(5):388.

(2021年3月)
【論文】
岐阜大学精神科の大井一高先生との共同研究で、精神疾患・神経発達障害の多遺伝子リスクスコア(polygenic risk score: PRS)が小児期の睡眠障害に与える影響を調べました。今回は主要な精神障害(自閉スペクトラム症・統合失調症・注意欠陥多動性障害(ADHD)・大うつ病(MDD)・双極性障害・不安障害)の大規模ゲノムワイド関連研究 (n=46,350~500,199)をベースデータとしてPRS解析を行いました。さらに、ターゲットデータセットとしては、Adolescent Brain Cognitive Development (ABCD) Studyデータベースにおける9‐10歳のデータ (n = 9683)を使用しました。その結果、ADHDとMDDのPRSは、小児期の睡眠障害と正の相関を示し、それらに代表される特定の精神障害に対する遺伝的感受性の高さが小児の睡眠障害の増加に寄与する可能性を示しました。“Polygenic risk scores for major psychiatric and neurodevelopmental disorders contribute to sleep disturbance in childhood: Adolescent Brain Cognitive Development (ABCD) Study.” Ohi K*, Ochi R, Noda Y, Wada M, Sugiyama S, Nishi A, Shioiri T, Mimura M, Nakajima S*. Translational Psychiatry. 2021. 11(1):187.

(2021年1月)
【論文】
主任研究員の野田賀大がトロント大学精神科のグループと共同で物質使用障害における病態生理に関わるガンマオシレーションにおける役割についての総論を執筆しました。”The Role of Gamma Oscillations in the Pathophysiology of Substance Use Disorders.” Ramlakhan J, Ma M, Zomorrodi R, Blumberger DM, Noda Y, Barr MS. Journal of Personalized Medicine. 2021. 11(1):17. その他、野田が大学院・ポスドク時代に実施したTMS-EEG研究で論文化していなかった仕事が今さらながら世に出ました。”Potential Neurophysiological Mechanisms of 1Hz-TMS to the Right Prefrontal Cortex for Depression: An Exploratory TMS-EEG Study in Healthy Participants.” Noda Y*. Journal of Personalized Medicine. 2021. 11(2):68. “Single-pulse transcranial magnetic stimulation-evoked potential amplitudes and latencies in the motor and dorsolateral prefrontal cortex among younger, older healthy participants, and schizophrenia patients.” Noda Y*, Barr MS, Zomorrodi R3, Cash RFH4, Lioumis P, Chen R, Daskalakis ZJ, Blumberger DM. Journal of Personalized Medicine. 2021. 11(1):54.
主任研究員の中島振一郎がトロント大学精神科のグループと共同で、[11C]-ラクロプリドと[11C]-(+)-PHNO研究の比較解析によるヒトのアンフェタミン誘発性ドーパミン放出の測定に関するメタ解析論文を発表しました。”Measuring amphetamine‐induced dopamine release in humans: A comparative meta‐analysis of [11C]‐raclopride and [11C]‐(+)‐PHNO studies.” Caravaggio F, Porco N, Kim J, Torres-Carmona E, Brown E, Iwata Y, Nakajima S, Gerretsen P, Remington G, Graff‐Guerrero A. Synapse. 2021. 75(5):e22195.

(2020年12月)
【論文】
大学院生の三村悠先生が、アルツハイマー型認知症と軽度認知障害に関するTMS神経生理所見について、メタ解析とシステマティック・レビューを行い、その総論がNeuroscience & Biobehavioral Reviewsに掲載されました。”Neurophysiological biomarkers using transcranial magnetic stimulation in Alzheimer’s disease and mild cognitive impairment: A systematic review and meta-analysis.” Mimura Y, Nishida H, Nakajima S*, Tsugawa S, Morita S, Yoshida K, Tarumi R1, Ogyu K, Wada M, Kurose S, Miyazaki T, Blumberger DM, Daskalakis ZJ, Chen R, Mimura M, Noda Y*. Neuroscience and Biobehavioral Reviews. 2020. 121:47-59.

(2020年11月)
【論文】
2019年度自主学習生の金城めぐみさんが執筆したうつ病におけるTMS神経生理所見に関するメタ解析・レビュー論文がPsychological Medicineにアクセプトされました。”Transcranial magnetic stimulation neurophysiology of patients with major depressive disorder: a systematic review and meta-analysis.” Kinjo M, Wada M, Nakajima S*, Tsugawa S, Nakahara T, Blumberger DM, Mimura M, Noda Y*. Psychological Medicine. 2020;1-10.

【学会発表】
2020年11月26-28日開催の第50回日本臨床神経生理学会学術大会において、大学院生の和田真孝先生が「うつ病における両側背外側前頭前野間のTMS-EEG機能的結合性の低下と同指標を用いたrTMS療法に対する治療反応性予測」、同じく大学院生の本多栞さんが「治療抵抗性うつ病患者の前帯状回GABA濃度によるrTMS治療反応予測」について、口演・ポスター発表を行いました。また、大学院生の三村悠先生が「自閉スペクトラム症における背外側前頭前野の神経生理機能の解明:TMS-EEG同時計測による予備的解析」、共同研究員の高野万由子さんが「うつ病患者の安静脳波における前頭部の機能的・因果的結合性指標と経頭蓋磁気刺激療法の治療効果との関連」および「安静時心電図生理指標による自閉スペクトラム症の自律神経機能に関する予備的解析」についてポスター発表を行いました。さらに、同学会では、主任研究員の野田賀大がアドバンスドレクチャーにて「精神疾患に対するrTMS治療のエビデンス」およびシンポジウムにて「TMSを用いた神経生理学的研究と精神科領域への臨床応用」について招待講演を行いました。

(2020年10月)
【論文】
駒木野統合失調症MRI研究の第3弾が論文になりました。DTIによるfrontostriatal connectivityで治療抵抗性統合失調症群と治療反応性統合失調症群を区別できることを明らかにし、MRSによる脳内Glxとの相関を見ました。”Frontostriatal Structural Connectivity and Striatal Glutamatergic Levels in Treatment-Resistant Schizophrenia: An Integrative Analysis of DTI and 1H-MRS.” Ochi R, Tarumi R, Noda Y*, Tsugawa S, Plitman E, Wada M, Honda S, Matsushita K, Chakravarty MM, Graff-Guerrero A, Fujii S, Matsui M, Uchida H, Mimura M, Nakajima S*. Schizophrenia Bulletin Open. Volume 1, Issue 1, 2020, sgaa057.

【受賞】大学院生の垂水良介先生が、”Levels of glutamatergic neurometabolites in patients with severe treatment-resistant schizophrenia: a proton magnetic resonance spectroscopy study”の研究論文に対して、日本臨床精神神経薬理学会からポール・ヤンセン賞を受賞しました。

(2020年9月)
【学会発表】
第116回日本精神神経学会学術総会にて、主任研究員の野田賀大が「シンポジウム9:精神疾患・神経疾患におけるニューロモジュレーション治療への期待と課題」(精神科治療における rTMS の現状と課題)および「シンポジウム26:アカデミアからフロンティアを目指したrTMS臨床研究の挑戦」(日本発の最先端ニューロモデュレーション研究を目指して)と題するシンポジウムを開催・担当しました。

【受賞】
同学会にて野田が国際学会発表(シンポジウム組織発表部)を受賞しました。

(2020年8月)
【論文】
大学院生の和田先生が統合失調症患者の安静脳波解析を行い、左側の後帯状皮質と前帯状皮質との間のデルタ帯域およびシータ帯域のeffective connectivityが、治療抵抗群と治療反応群と間で有意に異なることを示し、その所見が統合失調症の治療抵抗性を反映した病態生理学的基盤になる可能性を示しました。”Resting-state isolated effective connectivity of the cingulate cortex as a neurophysiological biomarker in patients with severe treatment-resistant schizophrenia.” Wada M, Nakajima S*, Tarumi R, Masuda F, Miyazaki T, Tsugawa S, Ogyu K, Honda S, Matsushita K, Kikuchi Y, Fujii S, Blumberger DM, Daskalakis ZJ, Mimura M, Noda Y*. Journal of Personalized Medicine. 2020. 10(3):89.

主任研究員の野田が理研MIHの桜田一洋先生と共同でCOVID-19パンデミック時代における母体ウイルス感染が母体免疫活性化を引き起こし、それが胎児の神経発達障害リスクを上昇させる危険性についての警鐘を鳴らすと同時にそれに対する個別データのDX化とデータサイエンスの力を駆使した公衆衛生学的予防策の構築の必要性について以下のEditorialに簡単にまとめました。"Neurodevelopmental Disorders Induced by Maternal Immune Activation: Toward a Prevention Strategy in the Era of the COVID-19 Pandemic." Sakurada K* and Noda Y*. Psychiatry International. 2020. 1(1), 24-26.

(2020年7月)
【論文】
主任研究員の野田がトロント大学留学時代に行ったうつ病に対するニューロモデュレーションおよび神経生理研究がNeuromodulation: Technology at the Neural Interfaceにアクセプトされました。同研究では治療抵抗性うつ病患者に対して磁気けいれん療法(magnetic seizure therapy)を実施する前に安静時心電図(ECG)を計測し、その心拍変動(hear rate variability: HRV)の中の迷走神経機能の1つであるRoot mean square of the successive R-R differences (RMSSD)を算出し、RMSSDと急性期MSTによる治療効果や認知機能との関係について詳細に調べました。その結果、ベースライン時点におけるRMSSDはうつ病患者におけるうつ症状や認知機能に関連したstate-markerになりうるだけでなく、MST治療後の実行機能のレベルにも関連する可能性を示しました。“Vagally-mediated heart rate variability is associated with executive function changes in patients with treatment-resistant depression following magnetic seizure therapy.” Noda Y, Knyahnytska Y, Zomorrodi R, Downar J, Rajji TK, Daskalakis ZJ, Blumberger DM. Neuromodulation: Technology at the Neural Interface. 2020. doi: 10.1111/ner.13262.

東京慈恵医大ウイルス学講座、精神医学講座と慶應大精神・神経科学教室との共同研究の成果がScientific Reportsに掲載されました。同研究では神経変性に関係するCoenzymeA遺伝子のメチル化がアルツハイマー病を含む認知症で高いことを明らかにしました。”Increased blood COASY DNA methylation levels a potential biomarker for early pathology of Alzheimer’s disease.” Kobayashi N, Shinagawa S, Niimura H, Kida H, Nagata T, Tagai K, Shimada K, Oka N, Shikimoto R, Noda Y, Nakajima S, Mimura M, Shigeta M, Kondo K. Scientific Reports. 2020. 10(1):12217.

(2020年6月)
【論文】
主任研究員の野田がポストコロナ時代における精神科メンタルヘルスのデジタル・トランスフォーメーションに向けた提言をしました。”Socioeconomical Transformation and Mental Health Impact by the COVID-19's ultimate VUCA Era: Toward the New Normal, the New Japan, and the New World.“ Noda Y. Asian Journal of Psychiatry, 2020. 54:102262.

放医研の久保田先生が行った統合失調症の脳内のグルタミン酸濃度に対する抗精神病薬治療の影響に関するメタアナリシスに参加しました。“Treatment effects on neurometabolite levels in schizophrenia: A systematic review and meta-analysis of proton magnetic resonance spectroscopy studies.” Kubota M, Moriguchi S, Takahata K, Nakajima S, Horita N. Schizophr Res. 2020 Jun 3:S0920-9964(20)30180-8.

(2020年4月)
【論文】
富山大学精神科との共同研究で、統合失調症および精神病発症危険状態の被験者、健常者の頭部MRIデータをMaGeT Brainを用いて詳細に解析し、統合失調症患者では、精神病発症危険状態の被験者や健常被験者と比べ、視床や線条体・淡蒼球の体積が有意に低下し、さらに、それらの体積の萎縮が認知機能低下と関連していることを示しました。本研究はSchizophrenia Research誌にアクセプトされました。“Thalamic and striato-pallidal volumes in schizophrenia patients and individuals at risk for psychosis: a multi-atlas segmentation study. Schizophrenia Research.” Takahashi T*, Tsugawa S, Nakajima S, Plitman E, Chakravarty MM, Masuda F, Wada M, Kurose S, Ochi R, Matsushita K, Sasabayashi D, Nakamura M, Nishikawa Y, Takayanagi Y, Nishiyama S, Higuchi Y, Mizukami Y, Furuichi A, Kido M, Hashimoto R, Noguchi K, Fujii S, Mimura M, Noda Y, Suzuki M. Schizophr Res. 2020 May 21;S0920-9964(20)30223-1.

(2020年3月)
【論文】
トロント大学との共同研究で、治療抵抗性統合失調症における皮質構造とグルタミン酸濃度の関係を調べて、興奮毒性が統合失調症の脳構造に与える影響を検討しました。” Glutamatergic neurometabolites and cortical thickness in treatment-resistant schizophrenia: Implications for glutamate-mediated excitotoxicity.” Shah P, Plitman E, Iwata Y, Kim J, Nakajima S, Chan N, Brown EE, Caravaggio F, Torres E, Hahn M, Chakravarty MM, Remington G, Gerretsen P, Graff-Guerrero A. J Psychiatr Res. 2020 May;124:151-158.

(2020年2月)
【論文】
東京慈恵会医科大学精神医学講座の永田智行先生とのコラボレーションで、ADNIデータを再解析し、アルツハイマー病の神経精神症状に対する抗精神病薬の効果を個別症状の早期改善度から予測できる可能性を示しました。”Early Improvements of Individual Symptoms With Antipsychotics Predict Subsequent Treatment Response of Neuropsychiatric Symptoms in Alzheimer's Disease.” Nagata T, Shinagawa S, Yoshida K, Noda Y, Shigeta M, Mimura M, Nakajima S. J Clin Psychiatry. 2020 Feb 11;81(2):19m12961.

主任研究員の野田賀大がトロント大学精神科との共同研究で双極性障害におけるシーターバーストTMS誘発性の躁病エピソードについてBrain Stimulationに報告しました。”Treatment-emergent mania with psychosis in bipolar depression with left intermittent theta-burst rTMS.” Kaster TS, Knyahnytska Y, Noda Y, Downar J, Daskalakis ZJ, Blumberger DM. Brain Stimul. May-Jun 2020;13(3):705-706.

昭和大学医学部精神医学講座の真田建史先生とのコラボレーションで、腸内細菌とうつ病の関係についてのシステマティックレビュー・メタ解析論文をJournal of Affective Disordersにパブリッシュしました。”Gut microbiota and major depressive disorder: A systematic review and meta-analysis.” Sanada K, Nakajima S, Kurokawa S, Barceló-Soler A, Ikuse D, Hirata A, Tomizawa Y, Valero MS, Noda Y, Mimura M, Iwanami A, Kishimoto T. Journal of Affective Disorders. J Affect Disord. 2020 Apr 1;266:1-13.

精神科医局の新村先生および大学院生の喜田恒先生とのコラボレーションで、荒川区の高齢者をコホートとした研究で積極的または消極的なコーピング能力と海馬容積との関係を検討し、Psychiatry and Clinical Neurosciencesにパブリッシュしました。”Approach-oriented coping strategy level may be related to volume of the whole hippocampus in the elderly.” Kida H, Nakajima S, Shikimoto R, Ochi R, Noda Y, Tsugawa S, Fujii S, Takayama M, Mimura M, Niimura H. Psychiatry and Clinical Neurosciences. Psychiatry Clin Neurosci. 2020 Apr;74(4):270-276.

(2020年1月)
【論文】
環境情報学部の越智涼君が、重度の治療抵抗性統合失調症患者における白質微細構造の異常をMRI diffusion tensor imagingにて評価・解析し、Progress in Neuropsychopharmacology & Biological Psychiatry誌に報告しました。”White Matter Microstructural Organizations in Patients with Severe Treatment-Resistant Schizophrenia: A Diffusion Tensor Imaging Study.” Ochi R, Noda Y, Shohei T, Tarumi R, Honda S, Matsushita K, Tsugawa S, Plitman E, Masuda F, Ogyu K, Wada M, Miyazaki T, Fujii S, Chakravarty MM, Graff-Guerrero A, Uchida H, Mimura M, Nakajima S. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2020 Jun 8;100:109871.

大学院2年生の尾久守侑先生が、統合失調症患者における抗精神病薬アセナピンに対する治療反応性を各臨床症状の早期改善度から予測する研究をまとめ、Neuropsychopharmacology Reportsアクセプトされました。”Early improvements of individual symptoms as a predictor of treatment response to asenapine in patients with schizophrenia.” Ogyu K, Noda Y, Yoshida K, Kurose S, Masuda F, Mimura Y, Nishida H, Plitman E, Tarumi R, Tsugawa S, Wada M, Miyazaki T, Uchida H, Graff-Guerrero A, Mimura M, Nakajima S. Neuropsychopharmacol Rep. 2020 Jun;40(2):138-149.

(2019年12月)
【学会】
主任研究員の中島振一郎がACNP(アメリカ神経精神薬理学会)のAssociate Memberに選ばれました。

【論文】
トロント大学精神科との共同研究でクロザピン抵抗性統合失調症の皮質下構造を検討する論文が出版されました。”Neuroanatomical profiles of treatment-resistance in patients with schizophrenia spectrum disorders.” Kim J, Plitman E, Iwata Y, Nakajima S, Mar W, Patel R, Chavez S, Chung JK, Caravaggio F, Chakravarty MM, Remington G, Gerretsen P, Graff-Guerrero A. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2020 Apr 20;99:109839.

大学院3年の垂水良介先生の論文「治療抵抗性統合失調症における脳内グルタミン酸濃度-MRS研究」がNeuropsychopharmacologyにアクセプトされました!垂水君をはじめMTRラボの多くのメンバーの努力の結晶です。“Levels of glutamatergic neurometabolites in patients with severe treatment-resistant schizophrenia: a proton magnetic resonance spectroscopy study”. Tarumi R, Tsugawa S, Noda Y, Plitman E, Honda S, Matsushita K, Chavez S, Sawada K, Wada M, Matsui M, Fujii S, Miyazaki T, M. Chakravarty MM, 4, Uchida H, Remington G, Graff-Guerrero A, Mimura M, Shinichiro Nakajima S. Neuropsychopharmacology. 2020 Mar;45(4):632-640.

(2019年11月)
【学会発表】
11月30日に東京慈恵会医科大学で開催された第117回東京精神医学会・生涯教育研修会にて、主任研究員の野田賀大が「精神疾患を対象とした経頭蓋磁気刺激法をはじめとしたニューロモデュレーション」と題する教育講演を行いました。
11月29日に福島開催の第49回日本臨床神経生理学会にて、大学院1年の和田真孝先生が、「双極性障害における事象関連電位 P300 の異常:システマティックレビューおよび メタ解析」および「ナルコレプシータイプ 1 の夜間睡眠の特徴―睡眠段階 N2におけるシータパワー値の変動」と題する口演を行いました。主任研究員の野田賀大は、『rTMSの臨床応用』をテーマとしたシンポジウムで「TMSの基礎とその臨床応用」について、さらに『脳刺激法の現在-基礎から臨床へ』をテーマとしたシンポジウムでは「各種TMSプロトコルと臨床神経生理」についてトークしました。

【メディア】
当科主任の三村將教授とMTRラボ主任研究員の野田賀大がNHK BSプレミアム「壮絶闘病から読み解く うつ病を生きる新常識」に出演し、うつ病に対する対処法や薬物治療抵抗性うつ病に対する新しい治療法であるrTMS治療についてスタジオで解説しました。

【研究会】
11月16日にメルパルク京都にて開催された「ひと・健康・未来研究財団」研究会で主任研究員の野田賀大がTMS-EEG研究に関する発表で優秀賞を受賞しました。

【論文】
MTRラボから12本目の論文が出ました。「依存症と精神疾患における遅延報酬割引とMRI所見との関係」について包括的にレビューしました。依存症や精神疾患では、健常者と比べ、総じて遅延報酬割引率が高く、将来に対する価値の重み付けが異常に低いことが分かりました。そして、遅延報酬割引を評価する課題中に報酬系に関わる脳部位の活動性低下や認知制御に関わる脳部位の過剰活性が認められることが示唆されました。”Neural correlates of delay discount alterations in addiction and psychiatric disorders: A systematic review of magnetic resonance imaging studies.” Noda Y, Barr MS, ElSalhy M, Masuda F, Tarumi R, Ogyu K, Wada M, Tsugawa S, Miyazaki T, Nakajima S, Mimura M. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2020 Apr 20;99:109822.

(2019年10月)
【研究会】
10月24日に日本科学未来館で開催された「こころの健康とデータサイエンス」フォーラムにて、当研究室で実施しているAMED障害者対策総合研究開発事業「慢性抑うつの神経生理基盤の解明とその病態に基づいた新規ニューロモデュレーション治療法の開発」の研究成果について、厚生労働省医務技監・鈴木康裕先生から大々的に取り上げてご紹介していただきました!
10月22日に当科主任の三村將教授(研究会代表)と主任研究員の野田賀大が、東京慈恵会医科大学病院で「臨床TMS研究会」のキックオフミーティングを開催いたしました。

【学会発表】
主任研究員の中島振一郎が第6回 アジア神経精神薬理学会大会(福岡)にて、What can we learn from brain imaging studies of schizophrenia? From its pathophysiology to actual treatmentと題するシンポジウムで”Glutamatergic dysfunction in treatment-resistant schizophrenia: 3T proton MRS studies”についてトークしました。また、主任研究員の野田賀大と大学院生の和田真孝が第49回日本神経精神薬理学会年会(福岡)にて、A Future Perspective on TMS as Neuromodulation for Psychiatric Disordersをテーマにしたシンポジウムで” A new approach for individuals with autism spectrum disorder (ASD): clinical effectiveness of rTMS and combined TMS-electroencephalography study for elucidating the pathophysiology of ASD”および” Efficacy and safety of iTBS for treatment-resistant depression: a THREE-D randomized non-inferiority trial”についてそれぞれトークしました。

(2019年9月)
【論文】
主任研究員の野田賀大が執筆した総論“Toward the establishment of neurophysiological indicators for neuropsychiatric disorders using transcranial magnetic stimulation-evoked potentials: a systematic review” Noda Y. Psychiatry Clin Neurosci. 2020 Jan;74(1):12-34. doi: 10.1111/pcn.12936.がアクセプトされました。TMS-EEG神経生理が精神疾患の病態解明、ひいては客観的診断方法の確立に寄与する可能性があることを示しました。

(2019年8月)
【論文】
トロント大学精神科との共同研究で実施した「治療抵抗性統合失調症に関するクロザピン治療についてのカルテ調査」がパブリッシュされました。クロザピン治療中の初期の反応・非反応は、その後、長期的に持続する傾向があるという結果が得られました。”Clozapine response trajectories and predictors of non-response in treatment-resistant schizophrenia: a chart review study” Shah P, Iwata Y, Brown EE, Kim J, Sanches M, Takeuchi H, Nakajima S, Hahn M, Remington G, Gerretsen P, Graff-Guerrero A. Eur Arch Psychiatry Clin Neurosci. 2020. Feb;270(1):11-22.

(2019年7月)
【メディア】
NHKクローズアップ現代+「社会復帰に新展開!最新のうつ病治療」にて、慶應精神科MTRラボで現在鋭意進行中の「前向き両側rTMS vs.両側TBS無作為化非劣性比較試験」が大々的に取り上げられました。日本に世界最先端のrTMS治療技術を提供できるよう日々精進して参ります。

【学会発表】
第16回日本うつ病学会総会(徳島)にて、主任研究員の野田賀大が『反復経頭蓋磁気刺激療法の導入と展開』をテーマにしたシンポジウムにて「EBMから見たrTMS療法の有効性と有用性」についてトークしました。

(2019年6月)
【学会発表】
第115回日本精神神経学会学術総会(新潟)にて、主任研究員の中島と野田が『定型的な薬物療法に行き詰まった時の新たな治療戦略‐難治性精神症状への挑戦‐』と題したシンポジウムを開催し、”治療抵抗性統合失調症とクロザピン、グルタミン酸仮説”および”治療抵抗性うつ病に対するニューロモデュレーションの可能性”についてトークしました。

同日本精神神経学会の委員会シンポジウム『国内におけるうつ病へのrTMS療法の現状と課題』にて、主任研究員の野田が”本邦におけるrTMS療法の臨床応用に向けた道標”と題するトークを行いました。

第41回日本生物学的精神医学会の『イブニングセミナー』にて”精神科治療のパラダイムシフトに向けて‐反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の過去・現在・未来‐”についてトークしました。

第14回世界生物学的精神医学会(WFSBP)(バンクーバー)にて、主任研究員の野田が当教室三村教授と共に『rTMS research in depression』をテーマとしたシンポジウムを開催し、”Evaluation and induction of neuroplasticity in patients with depression”および”Appropriate use of rTMS in Japan”に関する発表を行いました。

【論文】
ラボ11本目の論文が出ました。大学院生の和田先生が双極性障害におけるERP P300の異常についてシステマティック・レビューとメタ解析を行いました。本論文にて双極性障害のP300の異常は同疾患のtrait markerである可能性を示しました。“The P300 event-related potential in bipolar disorder: A systematic review and meta-analysis.” Wada M, Kurose S, Miyazaki T, Nakajima S, Masuda F, Mimura Y, Nishida H, Ogyu K, Tsugawa S, Mashima Y, Plitman E, Chakravarty MM, Mimura M, Noda Y. J Affect Disord. 2019. 256:234-249.

トロント大学との共同研究で、統合失調症の病識に対するtDCSの効果に関する予備的検証を行いました。“Modulation of brain activity with transcranial direct current stimulation: targeting regions implicated in impaired illness awareness in schizophrenia.” Kim J, Plitman E, Nakajima S, Alshehri Y, Iwata Y, Chung JK, Caravaggio F, Menon M, Blumberger D, Pollock B, Remington G, De Luca V, Graff-Guerrero A, Gerretsen P. European Psychiatry. 2019.

(2019年5月)
【学会発表】
第74回米国精神医学会Society of Biological Psychiatry(SOBP)(シカゴ)にてMTRラボから以下3演題のポスター発表を行いました。越智君(SFC4年)「White Matter Microstructural Organizations in Patients with Treatment-Resistant Schizophrenia: A Diffusion Tensor Imaging Study」、津川さん(医学部6年)「Glutamatergic Dysfunction and Neuroanatomical Alteration in Patients with Treatment-Resistant Schizophrenia: A Cross-Sectional Multi-Modal Magnetic Resonance Imaging Study」、和田先生(大学院1年)「The P300 Event-Related Potential in Bipolar Disorder Compared to Healthy control: A Systematic Review and Meta-Analysis」。

【受賞】
2019年5月19日、大学院生の和田真孝先生がアメリカ・シカゴで開催されたSociety of Biological Psychiatry(米国生物学的精神医学会)にてYoung Investigator Awardを受賞しました。

【メディア】
日経メディカルからのインタビュー記事:リポート◎反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)の実力は?「うつ病治療“第3”の選択肢、保険適用へ」が公開されました。

(2019年4月)
【論文】
MTRラボ10本目の論文がJournal of Psychopharmacologyにアクセプトされました!医学部6年の津川幸子さんが、グルタチオンが統合失調症の病態生理に与える影響について包括的なメタ解析とシステマティックレヴューを行いました。”Glutathione Levels and Activities of Glutathione Metabolism Enzymes in Patients with Schizophrenia: A Systematic Review and Meta-analysis.” Tsugawa S, Noda Y*, Tarumi R, Mimura Y, Yoshida K, Iwata Y, Elsalhy M, Kuromiya M, Kurose S, Masuda F, Morita S, Ogyu K, Plitman E, Wada M, Miyazaki T, Graff-Guerrero A, Mimura M, Nakajima S. Journal of Psychopharmacology, 2019.

【メディア】
日経メディカルからのインタビュー記事「薬剤抵抗性患者への一手がいよいよ保険適用へrTMSの保険収載でうつ病治療はどう変わる?慶應義塾大学精神・神経科学教室の野田賀大氏、和田真孝氏に聞く」が公開されました。

(2019年2月)
【論文】
NIMH大規模データの再解析から統合失調症の病識と服薬アドヒアランスについて検討しました。トロント大学との共同研究です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31077729

Insight and medication adherence in schizophrenia: An analysis of the CATIE data.
Kim J, Ozzoude M, Nakajima S, Shah P, Caravaggio F, Iwata Y, De Luca V, Graff-Guerrero A, Gerretsen P.
Neuropharmacology. 2019

MTRラボ9本目の論文がTranslational Psychiatry誌にアクセプトされました!増田史先生(特任助教)が、児童思春期の自閉症スペクトラム障害における運動野のTMS-EMG研究の知見についてシステマティックレヴューを行いました。この総論ではTMS神経生理研究でもダイナミックなGABA(A)受容体介在型神経機能の障害が起きている可能性を示しました。”Motor cortex excitability and inhibitory imbalance in autism spectrum disorder assessed with transcranial magnetic stimulation: a systematic review” Masuda F, Nakajima S, Miyazaki T, Yoshida K, Tsugawa S, Wada M, Ogyu K, Croarkin PE, Blumberger DM, Daskalakis ZJ, Mimura M, Noda Y. Translational Psychiatry, 2019.

主任研究員の野田がトロント留学中に実施したTHREE-D研究のサブ解析研究がThe American Journal of Psychiatry誌にアクセプトされました。うつ病患者に対するrTMS治療は治療プロトコルによらず治療経過が4パターン(急速改善群・うつ症状重症の中等度改善群・うつ症状中等度以下の中等度改善群・不変群)に分類されることを示しました。特に、背景因子分析では、ベンゾジアゼピン系薬剤の使用が治療効果を鈍化させることが明らかになりました。“Trajectories of Response to Dorsolateral Prefrontal rTMS in Major Depression: A THREE-D Study.” Kaster TS, Downar J, Vila-Rodriguez F, Thorpe KE, Feffer K, Noda Y, Giacobbe P, Knyahnytska Y, Kennedy SH, Lam RW, Daskalakis ZJ, Blumberger DM. The American Journal of Psychiatry. 2019

【学会発表】
第3回International Brain Stimulation Conference(第3回国際脳刺激学会議)にてMTRラボから増田先生と野田がシンポジウムに招待され、それぞれ、Effectiveness of the prefrontal rTMS on cognitive functions in depression, schizophrenia, and Alzheimer's disease and Investigation of the impaired prefrontal neuroplasticity in treatment-resistant depression using combined TMS-EEGおよびPotentials of rTMS for neurodevelopmental disorders and road to clarification of TMS neuropathologyについて発表しました。さらにポスター発表もそれぞれ行い、世界トップレベルのTMS研究者達と交流を持つことができました!

(2019年1月)
【論文】
江口さんの論文がアクセプトされました。慶應精神科とマギル大学との共同研究の第一弾となる記念すべき研究です。95歳以上の超高齢者を対象に、大規模MRI解析パイプラインMAGeT Brainを用いた海馬の微細構造解析を行い、海馬台体積とACE-IIIによる総合的な記憶能力との間に有意な正の相関があることを示しました。”Subiculum volumes associated with memory function in the oldest-old individuals aged 95 years and older”, Eguchi Y§, Noda Y§*, Nakajima S, Tsugawa S, Kida H, Plitman E, Graff-Guerrero A, Chakravarty MM, Takayama M, Arai Y, Matsuda H, Mimura M, Niimura H. Geriatrics & Gerontology International, 2019.

ムハンマド先生の論文がアクセプトされました。本邦の学生を対象としたインターネット依存について疫学調査をまとめた研究です。“Relationships between Internet addiction and clinico-demographic and behavioral factors” Elsalhy M, Miyazaki T, Noda Y, Nakajima S, Nakayama H, Mihara S, Kitayuguchi T, Higuchi S, Muramatsu T, Mimura M*. Neuropsychiatric Disease and Treatment, 2019.

(2018年12月)
【論文】
MTRラボ8本目の論文がアクセプトされました。増田史先生(特任助教)が、小児思春期の発達障害患者を対象としたrTMS治療の有用性について、システマティックレヴューを行いました。この分野の臨床研究はまだこれからの段階ですが、現時点で一定の有効性と忍容性が認められることを示しました。”Clinical Effectiveness of Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation Treatment in Children and Adolescents with Neurodevelopmental Disorders: A Systematic Review.” Masuda F, Nakajima S, Miyazaki T, Tarumi R, Ogyu K, Wada M, Tsugawa S, Croarkin PE, Mimura M, Noda Y. Autism, 2019.

【学会発表】
第28回日本臨床精神神経薬理学会(2018年11月14日から16日)にて、MTRラボから、ポスター2演題、口演1演題の発表を行いました。同学会で尾久守侑先生が優秀発表賞を受賞しました。

(2018年10月)
【論文】
慈恵医大との共同研究により、認知症の神経精神症状の治療において、認知機能を悪化させないことが肝要である、ということを報告しました。”Association between Neuropsychiatric Improvement and Neurocognitive Change in Alzheimer's Disease: Analysis of the CATIE-AD Study.” Nagata T, Shinagawa S, Nakajima S, Mimura M, Shigeta M. J Alzheimers Dis. 2018.

トロント大学CAMHとの共同研究論文です。うつ病患者に対する従来型の左背外側前頭前野への高頻度rTMS治療が、左海馬体積と安静脳波のシータガンマカップリングを有意に増加させ、さらにシータガンマカップリングの増加が認知機能の改善と正の相関を示すと同時に左海馬体積増加とシータガンマカップリングも有意な相関を示すことを明らかにしました。うつ病患者への左DLPFC-rTMS治療がprefrontal-hippocampus circuitを介して機能構造的な神経可塑的変化を引き起こし、認知機能改善効果をもたらしている可能性を示しました。”Enhanced theta-gamma coupling associated with hippocampal volume increase following high-frequency left prefrontal repetitive transcranial magnetic stimulation in patients with major depression.” Noda Y, Zomorrodi R, Daskalakis ZJ, Blumberger DM, Nakamura M. Int J Psychophysiol. 2018 133:169-174.

(2018年9月)
【論文】
トロント大学との共同研究論文が2本出ました。1つ目は、統合失調症の病識についてドパミン機能と認知機能の両面から検討したビッグデータ再解析研究“The Effects of Illness Severity, Cognition, and Estimated Antipsychotic Dopamine Receptor Occupancy on Insight into the Illness in Schizophrenia: An Analysis of Clinical Antipsychotics Trials of Intervention Effectiveness (CATIE) Data.” Ozzoude M, Nakajima S, Plitman E, Chung JC, Kim J, Iwata Y, Caravaggio F, Takeuchi H, Uchida H, Graff-Guerrero A, Gerretsen P. Progress in Neuropsychopharmacology & Biological Psychiatry. 2018.

2つ目は、治療抵抗性統合失調症について脳内グルタミン酸濃度とクロザピン反応性を検討しクロザピン抵抗性統合失調症の前帯状回でのグルタミン酸濃度の亢進を明らかにした横断的MRS研究です。“Glutamatergic Neurometabolite Levels in Patients with Ultra Treatment-Resistant Schizophrenia: a Cross-sectional 3T Proton MRS study.” Iwata Y, Nakajima S (co-first), Plitman E, Caravaggio F, Kim J, Shah P, Mar W, Chavez S, De Luca V, Mimura M, Remington G, Gerretsen P, Graff-Guerrero A. Biological Psychiatry. 2018.

【学会発表】
第40回日本生物学的精神医学会・第61回日本神経化学会大会合同年会(2018年9月6日から8日:神戸国際会議場)にて、MTRラボから、ポスター12演題、口演4演題、シンポジウム2演題の発表を行いました。同学会で和田真孝先生が若手優秀発表賞を受賞しました。

(2018年8月)
【論文】
 MTRラボ7本目の論文は、森口先生と高宮先生が粘り強く論文を集め、解析執筆を行った「うつ病の前帯状回のグルタミン酸系の異常」をまとめたメタ解析論文です。うつ病に対する薬物療法はモノアミン系しかなく、難治例や自殺の切迫例にケタミンの効果が注目される今、本論文はまさにタイムリーな報告だったと思います。”Glutamatergic Neurometabolite Levels in Major Depressive Disorder: A Systematic Review and Meta-analysis of Proton Magnetic Resonance Spectroscopy Studies.” Moriguchi S§, Takamiya A§, Noda Y*, Horita N, Wada M, Tsugawa S, Plitman E, Sano Y, Tarumi R, ElSalhy M, Katayama N, Ogyu K, Miyazaki T, Kishimoto T, Graff-Guerrero A, Meyer JH, Blumberger DM, Daskalakis ZJ, Mimura M, Nakajima S. Molecular Psychiatry, 2018.

(2018年7月)
【論文】
MTRラボ6本目の論文は、当科三村教授の認知症薬物療法に関するオピニオンペーパーです。慈恵医大とのコラボレーション企画です。あいらの森ホスピタル永田院長が尽力されました。”Pharmacotherapy for Alzheimer’s Disease: A perspective on treatment strategies in Japan.” Nagata T, Nakajima S, Shinagawa S, Noda Y, Mimura M. Expert Opin Pharmacother. 2018 Jul 18.

精神病ハイリスク患者の認知機能の縦断的変化に注目した昭和大の真田先生の研究に参加させていただいた論文がアクセプトされました。BDNFは低値でしたが、明らかな臨床症状との関係はありませんでした。”Correlates of neurocognitive functions in individuals at ultra-high risk for psychosis - A 6-month follow-up study.” Sanada K, de Azúa SR, Nakajima S, Alberich S, Ugarte A, Zugasti J, Vega P, Martínez-Cengotitabengoa M, González-Pinto A. Psychiatry Research. Volume 268, October 2018, Pages 1-7

治療抵抗性統合失調症に対するクロザピン治療の遅れと治療効果の低減について検討した総論を発表しました。“The impact of delay in clozapine initiation on treatment outcomes in patients with treatment-resistant schizophrenia: A systematic review.” Shah P, Iwata Y, Plitman E, Brown EE, Caravaggio F, Kim J, Nakajima S, Hahn M, Remington G, Gerretsen P, Graff-Guerrero A. Psychiatry Res. 2018 Jul 9;268:114-122.

MTRラボとして5本目の論文がアクセプトされました!
 自主学習生の医学部5年の飯森崇君が、前頭前野に対するrTMS治療が、うつ病・統合失調症・アルツハイマー型認知症患者の認知機能に及ぼす影響を包括的にレビューしました。うつ病患者では前頭前野に対するrTMS治療は一定の認知機能改善効果を及ぼすが、統合失調症やアルツハイマー型認知症においては、現時点では明確な認知機能改善効果は認められないという結果が得られました。ただし、これまでの知見ではrTMS治療はどの精神疾患に対しても認知機能を悪化させたという報告はなく、認知機能有害作用のない有望な治療法であることが示唆されました。
 “Effectiveness of the prefrontal repetitive transcranial magnetic stimulation on cognitive profiles in depression, schizophrenia, and Alzheimer’s disease: a systematic review.” Iimori T, Nakajima S, Miyazaki T, Tarumi R, Ogyu K, Wada M, Tsugawa S, Masuda F, Daskalakis ZJ, Blumberger DM, Mimura M, Noda Y. Progress in Neuropsychopharmacology & Biological Psychiatry. 2018 Jun 25;88:31-40.

(2018年6月)

【学会発表】
第114回日本精神神経学会学術総会(2018年6月21日(木):神戸ポートピアホテル)にて、野田・中島と品川俊一郎先生(東京慈恵会医科大学精神医学講座)が、「精神神経疾患における加齢性変化の生理と病理」をテーマとしたシンポジウムを開催しました。
同学術総会(2018年6月22(金):神戸国際会議場)にて、野田が委員会シンポジウム(ECT・rTMS 等検討委員会)「反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の適正使用指針について」の中で、”うつ病に対する rTMS 治療に関する世界のガイドライン”についてお話致しました。

和田真孝【受賞】
2018年6月17日、和田真孝君がオーストリア・ウィーンにて開催されたThe International College of Neuropsychopharmacology (国際神経精神薬理学会)にてBest poster賞を受賞しました。受賞対象となったのは、健常群、軽度認知機能低下群、アルツハイマー病群において、認知予備能としての教育歴がアミロイドβの蓄積、代謝、脳容積にどの様な影響を与えるのかを調べた研究です。

(2018年4月)
【論文】
主任研究員の野田がトロント大学留学中に実施した「治療抵抗性うつ病に対するシーターバースト刺激(patterned rTMS)と従来型rTMSの有用性を比較検討した臨床試験」で、シーターバースト刺激治療の非劣勢性を証明しました。
“Effectiveness of theta burst versus high-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation in patients with depression (THREE-D): a randomised non-inferiority trial” Blumberger DM, Vila-Rodriguez F, Thorpe KE, Feffer K, Noda Y, Giacobbe P, Knyahnytska Y, Kennedy SH, Lam RW, Daskalakis ZJ1, Downar J. Lancet. 2018 Apr 28:391:1683-1692.

MTRラボ3本目・4本目の論文がアクセプトされました!
尾久守侑先生が精神疾患とキヌレニン経路には、神経炎症やグルタミン神経系を背景とした密接な関係があることが分かってきており、今回、うつ病患者におけるキヌレニン経路の代謝産物の変化に関するメタアナリシスを報告しました。
‟Kynurenine Pathway in Depression: A Systematic Review and Meta-analysis” Ogyu K, Kubo K, Noda Y, Iwata Y, Tsugawa S, Omura Y, Wada M, Tarumi R, Plitman E, Moriguchi S, Miyazaki T, Uchida H, Graff-Guerrero A, Mimura M, Nakajima S. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 2018 Mar 30;90:16-25.

和田真孝先生が、ナルコレプシーの神経画像研究について系統的総論を発表しました。
“Neuroimaging Correlates of Narcolepsy with cataplexy: A Systematic Review” Wada M, Mimura M, Noda Y, Takasu S, Plitman E, Honda M, Natsubori A, Ogyu K, Tarumi R, Graff-Guerrero A, Nakajima S. Neuroscience Research, 2018 Mar 23

慢性期統合失調症の脳内グルタミン酸濃度を1H MRSを用いて検証したトロント大学との共同研究を発表しました。
“Striatal neurometabolite levels in patients with schizophrenia undergoing long-term antipsychotic treatment: A proton magnetic resonance spectroscopy and reliability study.” Plitman E, Chavez S, Nakajima S, Iwata Y, Chung JK, Caravaggio F, Kim J, Alshehri Y, Chakravarty MM, De Luca V, Remington G, Gerretsen P, Graff-Guerrero A. Psychiatry Res Neuroimaging. 2018 Mar 30;273:16-24.

治療を受けていない統合失調症における脳内グルタミン酸濃度について検証したメタアナリシスをトロント大学との共同研究という形で報告しました。
“Neurometabolite levels in antipsychotic-naïve/free patients with schizophrenia: A systematic review and meta-analysis of 1H-MRS studies.” Iwata Y, Nakajima S, Plitman E, Mihashi Y, Caravaggio F, Chung JK, Kim J, Gerretsen P, Mimura M, Remington G, Graff-Guerrero A. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2018 Mar 23.

【グラント】治療抵抗性うつ病に対するrTMS医師主導臨床研究に関して、帝人ファーマ株式会社と共同研究契約を締結しました(4月16日)!!

(2018年3月)
【論文】ラボ初年度に2 本目の論文がアクセプトされました。和田真孝先生が、認知予備能としての教育をアルツハイマー病理から検証しました。
"Effect of education on Alzheimer’s disease-related neuroimaging biomarkers in healthy controls, and participants with mild cognitive impairment and Alzheimer’s disease - a cross-sectional study" Wada M, Noda Y, Shinagawa S, Chung JK, Sawada K, Ogyu K, Tarumi R, Tsugawa S, Miyazaki T, Yamagata B, Graff-Guerrero A, Mimura M, Nakajima S, Journal of Alzheimer's Disease, 2018: 63:861-869.

【グラント】我々の研究「慢性抑うつの神経生理基盤の解明とその病態に基づいた新規ニューロモデュレーション治療法の開発」がAMED(日本医療研究開発機構)「平成30年度 障害者対策総合研究開発事業」に採択されました。

(2018年2月)
【論文】MTRラボの最初のペーパーがアクセプトされました!東京都在住の95歳以上の健康な超高齢者の認知機能と背景因子との関係をまとめた実態調査です。
“Relationships between socio-clinico-demographic factors and global cognitive function in the oldest old living in the Tokyo Metropolitan area - reanalysis of the Tokyo Oldest Old Survey on Total Health”. Eguchi Y, Tasato K, Nakajima S, Noda Y, Tsugawa S, Shinagawa S, Niimura H, Hirose N, Arai Y, Mimura M, The International Journal of Geriatric Psychiatry, 2018 Mar 7.

(2018年1月)
【受賞】津川幸子さんが、2017年度の自主学習表彰学生に選ばれ、医学部長より表彰状および副賞が贈呈されました。

はじめに-精神疾患の解明に向けて

「精神疾患にはどうしてなるのだろう?」「どのように治療をしていけばいいのだろう?」こういった臨床場面の疑問を通して、「精神疾患とは何だろう?」という命題に挑むことは、精神科臨床に携わる者に許された大義です。この信念をもとに、我々は、精緻な臨床評価、磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging: MRI)を用いた多様な神経画像モダリティと経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)と高解像度脳波計(high-resolution electroencephalography: EEG)を組み合わせたTMS-EEGによる神経生理モダリティ、さらにはデータ・マイニングを用いて、精神疾患のバイオマーカーの同定、新たな診断補助技術の開発、治療効果発現機序と治療転帰予測、早期発見と予防、より効果的な新規治療法といったテーマに取り組んでいます。

巨人の肩に乗っていることを十分に享受しつつ、これらの研究活動を通して集合知に貢献することによって、精神疾患の病態解明を追究しています。また、“Chance favours the connected mind”の精神を大切に、国内外の研究者とのコラボレーションとデータ・シェアリングを積極的に行っています。研究に対するモチベーションの源泉は精神疾患への興味に他なりません。一条の湧水が大河となるように、各々の関心が精神疾患を解明する強力な駆動力となる、と我々は信じています。研究活動への参加、共同研究のご相談、定例勉強会への参加に関心のある方は是非ご連絡をください。

研究室について

当研究室は、中島振一郎(Shinichiro Nakajima)主任研究員(MRI/MRS神経画像研究担当)と野田賀大(Yoshihiro Noda)主任研究員(TMS-EEG神経生理研究、rTMSニューロモデュレーションによる新規治療開発研究担当)により運営されています。

私たちは、様々な精神神経疾患を対象に生物学的な方法を用いて脳神経の機能および構造・化学的特徴を評価し、各精神神経疾患の病態生理の解明を目指しております。具体的なモダリティとしては、神経生理機能に関しては経頭蓋磁気刺激法(TMS)と高解像度脳波計(EEG)を組み合わせたTMS-EEG、脳構造や神経結合性に関しては磁気共鳴画像(MRI)、化学的特徴に関してはMRスペクトロスコピー(MRS)を用いて、精神神経疾患の定量的研究を実施しております。

研究アプローチとしては、1)精神神経疾患の病態メカニズムやバイオマーカーの同定を目指した神経科学的研究、2)それらの知見を精神神経疾患のバイオタイピング等の生物学的診断補助に応用するトランスレーショナル研究、さらには、3)各病態に対応した治療法の開発の3つを現時点では想定しています。近い将来は、基礎研究や工学系のラボとのコラボレーションにより、精神神経疾患におけるより精密な診断や、より効率的な治療を実装するための医療技術開発にも参画して参りたいと考えております(下図参照)。

研究プロジェクト紹介

  1. (1) 治療抵抗性統合失調症に対するクロザピン研究(慶應精神神経科・トロント大学精神科)
  2. (2) MRI・MRSを用いた治療抵抗性統合失調症の病態解明研究(UMIN000024392: 慶應精神神経科・トロント大学精神科・駒木野病院)
  3. (3) 疾患横断的なTMS-EEG神経生理研究(UMIN000028863: 慶應精神神経科)
  4. (4) 治療抵抗性うつ病に対する急性期rTMS臨床研究(UMIN000028855: 慶應精神神経科・トロント大学精神科)(jRCTs032180188
  5. (5) 治療抵抗性うつ病に対する維持期rTMS臨床研究(UMIN000028855: 慶應精神神経科)(jRCTs032180188
  6. (6) 疾患横断的な包括的メタボローム研究(UMIN000029406: 慶應精神神経科・医化学教室・昭和大学・下総精神医療センター)
  7. (7) 術後せん妄の生物学的予測因子に関する研究(UMIN000029814: 慶應大学病院)
  8. (8) 薬物療法に反応しない双極性うつ病への反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の有効性と安全性:ランダム化二重盲検偽刺激対照比較試験(jRCTs032180138: 先進医療:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター、東京慈恵会医科大学附属病院、慶應義塾大学病院、京都府立医科大学附属病院)
  9. (9) うつ病に対するバイオレット光による非侵襲的ニューロモデュレーション治療法の開発に向けた二重盲検ランダム化クロスオーバー試験(jRCTs032210260:新宿・代々木こころのラボクリニック)
  10. (10) バイオレット光による非侵襲的MCI(軽度認知障害)治療法の開発(jRCTs032210259:新宿・代々木こころのラボクリニック)
  11. (11) TMS療法関連データベース・レジストリ構築に関する研究jRCT1050210059:臨床TMS研究会・慶應精神神経科・多施設共同)
  12. (12) 治療抵抗性うつ病に対するquadripulse transcranial magnetic stimulationによる次世代ニューロモデュレーション治療法の開発とその治療メカニズムの解明(jRCTs032210317:慶應精神神経科・横浜市大医学部生理学教室・新宿代々木こころのラボクリニック)

今後、企業との共同研究や連携による画期的なプロジェクトも徐々に実施していく予定です。当研究室では、患者さんやご家族をはじめとした多くの方々の協力を得ながら、精神神経疾患の解明、ひいては患者さんの医療の質の改善に向けて、様々な研究機関・部局・専門家と積極的に連携し、精神科のフロンティアに挑戦していく所存です。

プロトン核磁気共鳴スペクトロスコピーの例

TMS誘発脳波におけるEvent-related perturbation spectrumの一例

ラボメンバー

<Principal Investigators>

中島 振一郎 (専任講師)、 野田 賀大(特任准教授/国際医療福祉大学三田病院 准教授)

<Research Fellows>

垂水 良介(東京青梅病院)
尾久 守侑(慶應義塾大学精神・神経科学教室 助教)
和田 真孝(スタンフォード大学留学)
本多 栞(ソニーコンピュータサイエンス研究所)
三村 悠(都立松沢病院)
津川 幸子(横浜市立大学医学部生理学教室)

<Graduate Students>

D4: 盛山 宗太郎(慶應義塾大学精神・神経科学教室)
D4: 髙野 万由子(慶應義塾大学精神・神経科学教室/帝人ファーマ医療技術研究所)
D2: 谷口 敬太(慶應義塾大学精神・神経科学教室)
M2: 戸張 維(慶應義塾大学精神・神経科学教室)
D2: 佐田 静香(慶應義塾大学大学院・政策・メディア研究科)
M2: 本間 咲希(慶應義塾大学大学院・政策・メディア研究科)

<Residents>

中根 弓那(精神科専攻医)
金城めぐみ(レジデント)
惠谷 隆英(初期研修医1年目)
本藤 伸章(初期研修医1年目)

<Undergraduate Students>

高橋 航来(医学部3年)

<Research Assistants>

越尾 友子(経理・総務)
佐ノ木 裕美(事務・実験補助)
岩佐 美旺(心理検査・事務)
物部 麻衣子(実験補助・事務)
石川 慶一(MRI実験補助)

<Visiting Researcher>

北畑 亮輔(新宿・代々木こころのラボクリニック院長・千里みおつくしの杜)
金子 直嗣(訪問研究員・東京大学大学院総合文化研究科 助教)
曽根 大地(共同研究員・東京慈恵会医科大学 精神医学講座 講師)
新井 脩泰(共同研究員・熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座 助教)
伏屋 研二(共同研究員・聖マリアンナ医科大学病院神経精神科)

<Collaborators>

杉浦 悠毅(京都大学医学研究科 特定准教授)
藤井 進也(慶應義塾大学環境情報学部准教授)
北城 圭一(生理学研究所 システム脳科学研究領域 神経ダイナミクス研究部門 教授)
横山 寛 (滋賀大学 データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター 助教)
関野 正樹(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授)
渡部 喬光(東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構准教授)
小池 進介(東京大学大学院総合文化研究科進化認知科学研究センター准教授)
中澤 公孝(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系教授)
谷部 好子(独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所研究員)
品川 俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座准教授)
小林 伸行(東京慈恵会医科大学ウイルス学講座准教授)
笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室 病院教授/聖マリアンナ医科大学病院 認知症・老年精神疾患治療研究センター センター長)
青木 悠太(昭和大学発達障害医療研究所講師)
板橋 貴史(昭和大学発達障害医療研究所講師)

<2023年:自主学習生>

石丸 莉奈(医学部3年)
関原 隼哉(医学部3年)

<2022年:自主学習生>

賀久 登仁(医学部2年)
熊谷 太佑(医学部2年)
関根 健(医学部2年)
露木 俊介(医学部2年)
八巻 遼(医学部2年)

<2021年:自主学習生>

榊 梨佐(医学部2年)
高山 耕佑(医学部2年)
新家 寛太(医学部2年)
服部 菜々穂(医学部2年)
宮地 育(医学部2年)

<2020年:自主学習学生>

瀬川 ひかり(医学部3年)
本藤 伸章(医学部3年)
森 ゆきの(医学部3年)
渡邉 穂乃果(医学部3年)

<2019年:自主学習学生>

中原 知美(医学部3年)
金城 めぐみ(医学部3年)

<2018年:自主学習学生>

黒宮 みの里(医学部4年)
西 佑理(医学部4年)
齋藤 直宏(医学部4年)
森田 真司(医学部3年)
嵯峨濃 瑞(医学部3年)

<2017年:自主学習学生>

飯森 崇(医学部4年)
大森 祐貴(医学部4年)
津川 幸子(医学部4年)

ラボ獲得グラント

・日本学術振興会 基盤研究B 2022-2026
・日本学術振興会 基盤研究B 2021-2024
・日本学術振興会 科学研究費 若手研究(A) 2016-2017
・日本学術振興会 科学研究費 若手研究 2018-2020
・日本学術振興会 基盤研究B 2018-2021
・渡邉財団30周年記念特別研究助成 2021
・渡邉財団第29回磁気研究助成 2023
・武田科学振興財団 医学系研究奨励 2016, 2017, 2020
・内藤記念科学奨励金・研究助成 2016
・臨床薬理研究振興財団研究奨励金 2016
・明治安田こころの健康財団医学研究助成 2017
・ひと・健康・未来研究財団研究助成 2017
・三井生命厚生財団研究助成 2017
・ヘルス・サイエンス・センター財団研究助成 2017
・先進医薬研究振興財団 2017
・上原記念生命科学財団特定研究助成金 2018-2020
・AMED障害者対策総合研究事業 2018-2020
・持田記念医学薬学振興財団研究助成 2018
・大樹生命厚生財団医学研究特別助成2019
・AMED障害者対策総合研究事業 2020-2022

研究セミナー

本研究室では月に1回程度研究会を行っております。

2025年

2/5(水)波多野真依先生(横浜市立大学大学院医学研究科生理学)「TBD」(Webセミナー)

2024年

1/31(水)齋藤慶人先生(メルボルン大学)「Recent-onset psychosisにおける灰白質と白質の連関―多変量解析やFixel-Based Analysisを用いて―」(Webセミナー)

2/28(水)越智紳一郎先生(愛媛大学)「思春期・青年期のうつ病における幼少期ストレスと細胞老化関連遺伝子の変化との関連について」(Webセミナー)

4/10(水)和田真孝先生(スタンフォード大学)「 学問をすゝめられて」(Webセミナー)

5/29(水)桜田一洋先生(慶應義塾大学医学部 石井・石橋記念講座(拡張知能医学))「医学のためのAIから拡張知能医学へ」(Webセミナー)

7/31(水)堀澤士朗先生(東京女子医科大学脳神経外科・機能神経外科)「神経精神疾患に対する脳神経回路手術と人工知能」(Webセミナー)

8/28(水)本多栞先生(ソニーコンピュータサイエンス研究所/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)「慶應での10年間を振り返って」(Webセミナー)

10/9(水)久保田学先生(京都大学)「PETによる標的分子可視化と精神疾患病態解明への応用」(Webセミナー)

2023年

1/25(水)長田貴宏先生(順天堂大学医学部生理学第一講座)「経頭蓋超音波刺激(TUS)によるニューロモデュレーション」(Webセミナー)

7/26(水)金子直嗣先生(東京大学大学院・総合文化研究科・身体運動科学研究室)「リハビリテーションへの応用に向けたニューロモデュレーションおよび一次運動野の可塑性についての研究」(Webセミナー)

8/30(水)高田篤先生(理研分子精神病理研究チーム・チームリーダー)「精神疾患のゲノム解析-疾患脳病理の解明と臨床応用に向けて」(Webセミナー)

9/20(水)宮崎智之先生(横浜市立大学 研究・産学連携推進センター拠点事業推進部門)「若者の生きづらさを解消する産官学民連携の展望」(Webセミナー)

11/1(水)船山道隆先生(足利赤十字病院・神経精神科)
「Breaking Boundaries and Integrating Psychiatric, Neurologic, and Physical Diseases」(Webセミナー)

2022年

1/26(水)Dr. Mahavir Agarwal(トロント大学・CAMH)「Metabolic Health in Mental Illness: Recent advances and clinical implications」(Webセミナー)

2/16(水)園田真樹先生(横浜市立大学医学部・医学研究科脳神経外科学教室)「見えないものが見えるようになる」(Webセミナー)

5/26(木)竹内啓善先生「初回エピソード統合失調症薬物治療アルゴリズム」

6/29(水)片山奈理子先生「精神療法と脳機能」

7/13(水)品川俊一郎先生(慈恵医大)「タイムマシンで眺める認知症治療薬」

8/24(水)濱田太陽先生(株式会社アラヤ)「分散型サイエンスにおけるバイオテックエコシステム」

10/26(水)曽根大地先生(慈恵医大)「てんかんにおける脳画像:臨床的役割から研究応用まで」

11/30(水)橋本亮太先生(NCNP)「精神疾患の克服とその障害支援のための研究とは」

2021年

2/17(水)小池進介先生(東京大学大学院総合文化研究科進化認知科学研究センター)「脳画像研究を精神疾患病態解明、バイオマーカー開発に応用するために」(Webセミナー)

4/28(水)尾久守侑先生(下総精神医療センター/慶應義塾大学精神・神経科学教室)「器質か心因か」についての解説(Webセミナー)

6/2(水)永田智行先生(あいらの森ホスピタル院長)「BPSDからみた精神疾患の病態解明」-認知症の枠を超えて-(Webセミナー)

6/30(水)笹林大樹先生(富山大学神経精神科)「at-risk mental stateにおける脳画像研究-統合失調症の病態解明と早期診断法の開発に向けて」(Webセミナー)

8/25(水)滝上絋之先生「精神科医1年目で必要な精神病理学の基礎知識」(Webセミナー)

9/15(水)篠崎元先生(スタンフォード大)「Game Changing Approach for Delirium」(Webセミナー)

10/27(水)高畑圭輔先生(量子科学技術研究開発機構)「器質性精神障害と老年期精神障害のPET研究」(Webセミナー)

2020年

2/12(水)青木悠太先生(昭和大学発達障害医療研究所)「ASDのMRI研究」

6/17(水)森口翔先生「治療抵抗性うつ病のPET研究」(Webセミナー)

7/8(水)内田裕之先生「精神科研究の実態と課題・AMPA受容体研究の必要性」(Webセミナー)

8/26(水)大井一高先生(岐阜大)「統合失調症のゲノム研究」(Webセミナー)

9/9(水)野田賀大先生「治療抵抗性うつ病に対する経頭蓋磁気刺激療法」(Webセミナー)

9/30(水)宮川剛先生(藤田医科大学)「精神疾患と脳内の乳酸・タンパク乳酸化」(Webセミナー)

10/14(水)品川先生(慈恵医大)「認知症の疾患概念2020」(Webセミナー)

11/25(水)朴秀賢先生(熊本大学)「幼少期ストレスと気分障害の関係~疫学から生物学まで」(Webセミナー)

12/23(水)竹内倫徳先生(Aarhus University)「2つの異なる新奇性によるドーパミン依存的な記憶の亢進」(Webセミナー)

2019年

1/30(水)野田賀大先生「rTMS研究の未来」

2/20(水)橋本謙二先生(千葉大教授)「ケタミンのすべて」

3/13(水)高畑圭輔先生「外傷性脳損傷のPET研究」

4/5(金)中島振一郎先生「治療抵抗性精神疾患に挑む―クロザピンMRS統合失調症研とTMS-EEG+rTMSうつ病研究」

4/19(金)Reza Zomorrodi先生(トロント大学)「Shining Light on the Brain: Photobiomodulation as a New Non-Invasive Brain Stimulation」

4/25(木)Reza Zomorrodi先生(トロント大学)「Exploring the reciprocal relationship between neuroplasticity and neural oscillation through a TMS-EEG protocol」

5/22(水)高橋努先生(富山大准教授)「脳画像からみた統合失調症 ‐20年かけて少しだけ分かったこと‐」

6/12(水)学生・院生・ポスドク発表会(津川さん・松下さん・三村先生・垂水先生・尾久先生・和田先生・新井先生・増田先生)

7/17(水)牛場潤一先生(慶應義塾大学理工学部准教授)「ブレイン・マシン・インターフェースを用いた神経機能再生治療」

7/18(木)Mallar Chakravarty先生(マギル大学准教授)「Translational brain imaging in neurodevelopmental disorders using large-scale clinical data and mouse models」

8/28(水)梅田聡先生(慶應義塾大学文学部心理学科教授)「感情を生み出す脳神経基盤と自律神経機能」

9/19(木)小林伸行先生(東京慈恵医科大学講師)「認知症の遺伝学-エピジェネティックスの観点から」

9/25(水)武見充晃先生(東京大学 大学院教育学研究科 身体教育学コース 野崎研究室ポスドク)「Principles of TMS-EEG and EEG-TMS」

10/1(火)・2(水)宮田淳先生(京都大学医学部精神神経科講師)MRIコネクティビティ解析セミナー

2018年

1/19(金)園田真樹先生「てんかん俯瞰」(横浜市大)

1/31(水)「ナルコレプシー総論」
松井健太郎先生(女子医大)「ナルコレプシーの臨床」
和田真孝先生「ナルコレプシーの神経画像」

2/2(金)宮崎貴浩先生「0から始めるR(周波数解析や基礎統計)」

2/14(水)宮田淳先生(京大)「統合失調症のコネクティビティ」

2/28(水)垂水良介先生「治療抵抗性統合失調症」

3/15(木)竹内啓善先生「遅発性ジスキネジアの症状・診断・機序・治療」

3/16(木)土元翔平先生(慶應義塾大学理工学部)「結合性MRI解析トレーニング」

4/2(月)Ariel Graff先生(トロント大学)「Link between Depression and Dementia」

4/19(木)藤井進也先生(環境情報学部)「統合失調症の音楽機能に関するMRI研究−中間報告」

4/25(水)Eric Plitman先生(トロント大学)「Using Proton Magnetic Resonance Spectroscopy to Study the Glutamatergic System in Patients with Schizophrenia

5/2(水)宮崎貴浩先生「定量的脳波解析トレーニング」

5/30(水)髙堂裕平先生(放医研)「脳疾患におけるMRSを用いたトランスレーショナルリサーチ:マウスからヒトまで」

6/29(金)平野羊嗣先生(九州大学精神科)「Neural oscillation abnormalities in Schizophrenia」

7/13(金)北城圭一先生(理研)「脳波非線形ダイナミクスの個人特性と病態の操作的解明」

8/10(金)五月女康作先生(東大進化認知科学研究センター)「Human Connectome Projectとは?そして、今こそMRIの基礎を学ぼう」

8/29(水)津川幸子さん「統合失調症の酸化ストレス異常とグルタチオン」

9/14(金)品川俊一郎先生(東京慈恵会医科大学)「BPSDの病態解明を目指して」

10/19(金)西尾慶之先生(松沢病院・東北大学))「レビー小体病の幻覚と錯覚:神経心理学的分析」

11/21(水)増田史先生(特任助教)「脳波がみえる!だれでもできるLORETA解析ハンズオン〜思春期発達障害解明への道程〜」

2017年

2/15(水)高宮彰紘先生「ECTの効果発現機序について」

3/8(水)藤井進也先生(環境情報学部)「音楽神経科学のフロンティア」

4/6(木) Fernando Caravaggio先生(トロント大学)「History of Dopamine PET」 

4/12(水)高田則雄先生「光遺伝学的機能的MRI」

5/19(金)野田賀大先生「TMS脳波をめぐる冒険」

6/15(木)尾久守侑先生 「精神疾患とキヌレニン経路」

7/6(木)竹内啓善先生 「統合失調症に対する抗精神病薬治療の全て」

7/20(木)杉浦悠毅先生(医学部医化学教室)「メタボローム解析による血中「代謝分子」疾病マーカーの探索」

8/18(金)「理工学部・環境情報学部・医学部共同安静時MRI解析トレーニング」

8/24(木)岩田祐輔先生「統合失調症とグルタチオン」

9/6(水)品川俊一郎先生(東京慈恵会医科大学)「精神科医のための前頭側頭型認知症入門」

10/5(木)野田賀大先生「TMS-EEGを用いた精神疾患研究」

10/27(金)鶴身孝介先生(京都大学)「ギャンブル障害の脳画像研究」

11/10(金)新井脩泰先生 「せん妄」

11/30(木)高畑圭輔先生 / 佐野康徳先生 / 山本保天先生(放射線医学総合研究所)「精神症候の背景病態について:器質性精神疾患からのアプローチ」

連絡先E-mail

・MTRラボ全般についてのお問い合わせ:keio.tms.research@gmail.com
・TMS関連の研究・学術相談についてお問い合わせ:yoshi-tms@keio.jp